森 京介詩集《Another World》 |
【スマホ用に文字枠を広く設定しています。パソコンの場合は、ブラウザーの表示幅を狭めると、読みやすくなります。文字が小さぎる、または大きすぎる場合には、ブラウザーの倍率を変えてご覧ください】 誰にでも日常を支える部屋の外にもう一つの部屋が在るものだ。目に見える部屋であっても、心の中だけの架空の部屋であっても、その非日常の世界は、日常を逃避するだけでなく、否定し、確認し浄化し補完し慰めその生命さえ支えている。だからその二つは生と死程に異質であり重なっている。
| 1. 走れ、もう一つの部屋へ
西日が差す頃 2. 窓の中の地平幾つかの階調を 3. 西向きの窓孤独に足音はない 4. 変貌する部屋の中に小器用にテーブルを飾りたてる 5. 音胎水の囁き 6. 限りなく死に近い恍惚霧雨の囁き 7. 人の色と花の色人に関する色彩の 8. 朝露に映った夢露草の染みるような青が 9. ある日の夕陽の物語夕日の顔は心の鏡 10. 駅の鏡が見ている駅のフォームの鏡の前で 11. ブラックな留守中の出来事永い夏休みの後 12. 通勤路のサスペンス今年のひまわりは奇怪である 13. 繭作りを止めた蚕体が透明さを増し |
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