脳梗塞の病魔に倒れてから、４年目の正月を迎えることになる。内心、こんなに生き延びられるとは思っていなかった。僕は、いったい、何時まで生きられるのだろうか。これが今、僕の偽らざる気持である。ずっとお付き合いいただいた方はお分かりだと思うが、体が不自由になっただけに、その分言いたい言葉を文字にしてきた。
今たどり着いた心境の王道に、すり寄る様に忍び寄ってきた言葉がある。「人間は、貴方が思ってきたほど善良な存在ではないよ。人の生命を粗末に扱い、自分勝手で、仲間の面倒を見る職業である政治家になっても、金には汚いし、愛情をも裏切る。仲間意識を人には要求する癖に、自分では実践しない。自分の天下にしたくて、狡い事を何でもやり、格好を付けたがる。社会主義的政党と言いながら、国家権力だけを振り回し、民主的側面を無視ないし軽視する国家。民主主義を前面に出しながら、人種差別が依然として残っていたりする国家。こんな点を忌憚なく話し合える雰囲気を持つ国家でありたい。しかし現実には、人の意見には耳もかさず、いつ戦争になるか、ハラハラするような心の狭い人間たちばかりが目立つ。「内政干渉には反対だ」だけに拘り、頑固一徹を改めない国家指導者。危険な原爆を禁止しようと言っても、自国に不利だけを考えるだけでは平和は来はしない。冷戦時代に、他国からサラって来た小国民を、自国で教育していたことを認め、反省したのはいいが、過ちを認めていながら、親たちが亡くなる時代になっても、未だに自国に返そうとしない、奇妙な考え方。このような人間の集団で、本当に理想的な国家群が人間的に仲良くやって行けるのだろうか。歴史的な経過は大事にして良いが、いつまでも身分的君主制に拘り、貧しい国民を放置しておく体制にへばりつく国であって良いものか、考える必要はある。
しかし、僕は努力次第では、可能だと思ってこの年まで生きて来た。もう間もなく、この世を終わるだろうが、そう信じて来たのに、出来そうもないときめて懸って、もう止めたと臍を曲げてしまっては、人間が存在する限り残されている意見交換可能な時空を無駄にしてしまう。宗教を信ずる気持で、自分の気持ちを機会ある毎に述べていこうと再度決意した。Ｎ兄の色々な援助や読者の皆さんの御厚意に甘えながら、御一緒したいと思っている。
2021年12月末日
なお生き続ける健三より
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2024.3.1〜