高橋健三 「たそがれの記」(118)
2023.5.1〜

東京ラインより北は、大雨の予想　この辺りは救われるか

　この一降りで、梅雨は明ける模様。かなりの暑さ到来を覚悟せねばなるまい。精々身体に注意しよう。和子にも口を酸っぱくして注意している。手を加えた、古い型の扇風機が、大活躍している。弱、中、強の３段階の風力、60分、120分、180分の３段階の作動時間切り替え。これで十分だ。すぐ使用時期は終わってしまう。埃だらけで寝ていた機械の再利用だ。有難いと思わねばならない。海中潜航艇の様に、爆発したりしなければ、御の字だ。「古くなった文明の利器」も十分に役立つ。文明も欲張ってはならないと、心に銘ずる。
　和子は、今の所、コーラスに参加したがっている位だから、調子は良いのだろう。今は、「段々声の調子が良くなって来る。」と、調子の良いことを言っている。無理しては絶対にいけない。上を残して、ゆとりを持たせて置こう。落ち着いているようで、そそっかしい所がある。目薬と間違えて、他の薬を目に射したこともある。歳を取ってきているので、そそっかしさは倍増する。注意にも注意が必要だ。

もう２、３日で、梅雨も終わるだろう　真夏の陽気が見え始めた　連日30度以上になるのだろう

　今日は朝から、昔の扇風機の手入れをし始めたが、なかなか動くようにならない。小一時間掛かって、やっと動き出した。冷房ばかり使っている訳にも行かない。冬の暖房と同じだ。部屋の中を綺麗にして、風が立っても埃が立たないようにしておくのが条件だ。我々庶民は、常に安上がりを、生活のメジャーにしている。
　元ロシア連邦に所属していた小国が連邦を離れる傾向が出始め、NATOなどを頼り始めている。ウクライナなどと同じ方向性が出て来ている。アメリカなどの触手が動いている。バイデンももう老年だ。頼りないところが出始めている。その中での働きかけがどれだけ有効なものになるか。勿論、ロシアのプーチンが目を光らせている。小国は、少しでも有利な援助国を求めている。怪しげな雰囲気を感じれば離れて行く。バイデンなどもそれに目を離さずに注目しているだろう。特に,NATOへの接近は、国連内での大事にもなる。ロシアの今後に社会主義国のイメージがあるのかどうか、彼らにはあまり論理性がないので、社会主義連邦崩壊は、余り未練はなさそうだ。
　今日、WORDの中に、メモ帳を使わせてくれる所があればと思って、前にお世話になっていたのを思い出していた。前に「12月４日」の「見出し」で、下書きノートを使わせて貰えたのを思い出し、まだ残しておいてくれたかどうかを見てみると、立派に残されていた。今後使わせてもらえるのかどうかも分からないのだが、ダメダメと言われるまで、遣ってみようと思い、書き始めた。Ｎ兄、今日は昔の様にWORDを使って送ります。

年々梅雨の風情が後退し、荒れた風雨が前面に出て来ている

　季節にも様変わりが始まってきている。四季の風情が影を薄め、極端な寒暖や、危険な線を超える諸現象、大雨、雹、落雷、その結果起きる 津波、洪水、さらに伝染性の高い感染症の流行などが、季節感の印象を薄めてしまう。これらは、地球の住み心地が悪くなって来る現象に付随して起きて来る。これらの環境の変化を食い止めるために、人間は苦闘を続けなければならない。その仕事の量は膨大なものだ。僕が何度も言って来ているが、人間が、仲間割れをして、喧嘩をしたり、戦争を繰り返していたりする暇はない。歴史上、協力と愛情が最も必要な時代に差し掛かってきている。キリストを求めるどころか、自らキリストにならねばならない時代になってくる。人を愛の目で見、誰をも兄弟姉妹の様に、愛しんで見守るように生きる毎日になる。それでも生き抜くことは厳しい環境に、変わって行くのだ。身近な人の力になって生きることに慣れて行こう。

曇り、まだ爽やかさは滅多にないが、梅雨っぽさは薄くなって来た

　和子は、この所、二日続きで、カラオケポピーに通っている。気に入った新曲でも見つけたのだろうか。体調が戻って来たのかも知れない。でも友達に会いたい気分は、常にあるのだろう。ただ急激な無理は気を付けなければいけない。それは僕にも言えることだ。
　ロシアのごたごたは、将に反乱と言う言葉が似合いそうだ。思い遣りに欠けるところも、反面、命まで狙う所も、ヤクザっぽい。反乱の総大将は、未だどこにいるのか、生きているのかもはっきりとはしない。一方のプーチンには、全て読めているのかも知れない。こんなことをしているロシアは、現代的な国家を作りつつあると言えるのだろうか。古い所は、アメリカにもいくらでも感じるのだから、過去を引きずっているところは、どの国にもあるのだろう。戦争の道具は、どんどん進んで、核兵器の様な武器が実用化されている。まだまだ、新しい、大量殺人用の武器が、作られるようになるのだろう。そんなところに人間自滅説が出て来るのだろう。
　人間の気質が、優しく、大きく変わることは、もうないのだろうか。

沖縄で梅雨が明けた　こちらも、もう梅雨離れしてきているように感じる

　間もなく、アジサイの花ともお別れだ。今年は、せわしくて、梅雨の良いところも味わうゆとりがなかった。間もなく暑いだけの夏が迫ってくる。
　ロシアで起きている現象は、政治と民衆の分離であり、政治家の人間としての頽廃であり、歴史から学ぶ姿勢の欠如に過ぎない。指導部の存在価値の崩壊は、将来、民衆に多大なる不幸をもたらすであろう。出でよ、新しい指導者、哲学でも思慮深い人間で結構、誠実な思い遣りのあるロシア人の集団を築き直そう。小手先の嘘と手管が上手くなった指導者は、もう民衆には要らない。武骨で結構、誠実な思い遣りのあるロシアを築き直そう。その動きは、世界をも変革して行くだろう。今まで通用した社会主義の座布団も通用しなくなる。座りの悪い座布団など、誰も使おうとはしない。
　プリゴジンのニュースを拾ってみているのだが、ロシアには、私兵を保有する共和国があちこちに在って、プリゴジンがやらなければ自分が…、と言う共和国的存在は、いくらでもあるように感じられる。今回も調停に乗り出して、プーチン体制の餌食になるのを、プーチンとも信頼関係にあるチェチェン共和国への亡命の様な形で助けたベラルーシも、その一つの派閥と言えるらしい。こう複雑な関係になると、単純な頭の持ち主である僕には、訳が分からなくなる。Ｎ兄にでも解説願いたい。
　ロシア人同士が血を流し合う不幸を避けたいと、プリゴジンは言っているが、とても素直には受け取れない。兵力の差で、現在はプーチンの国軍が一番多いだけのような印象を受ける。とても太刀打ちする力はないのであろう。ロシアとしても、内政を第一に考えて、ウクライナとの争いをやめ、ひとまず、停戦の準備にかかったらどうなのか。ウクライナもなんとか復興の手順を立てるべき時期に来ているのではないか。
　ロシアの内情にも、弱点が見え始めている時期を狙って、中国あたりに動いてもらえないものか。何事にも引け際が大切と言うことがある。既に深手を受けているが、常に時期を見ることは重要だ。

どんより空で、気温高く、湿っぽくて、落ち着かない。例によって、洗濯物は、３時前に乾く。それ以外は良いとこなし。沖縄では梅雨明けになるそうだ。

　ワクチン注射の痕の痛みはどうやら収まりそうだ。これが６回目になる。こんなにワクチン漬になるのは、初めてだ。悪質な菌が、世の中を変え始めたのかも知れない。進歩と不幸との関係は、絡み合っている。沈没船迄が観光になるかと思えば、それを観光で観に行った観光船の五人が、帰れなくなって死亡した。観に行った気持ちも分からないが、恨みの祟りとでも思わないと、因果関係がつながらない。知識の乏しい僕には、空気が足りなくなると、潜水艇が爆発すると言う理屈も分からない。悲しい人の死を探りに行くなどと言うことは、絶対するべきではない。恨みが、爆発を誘発させるのかもしれない。
　ロシアでも、奇妙なことが続いている。国家以外にも、戦争を商売にしているプロの軍人が居て、自国に雇われてもいる。それが、国の指導者と、気持ちが合わず、その国の首都を攻め落とそうと、一旦は軍隊を送ったが、プーチンにイビラレテ、軍を呼び戻したと言う。お陰で、取り調べを、免れたと言う、平常の国なら、あり得ない様な、下手なドラマのような話が実際に起こっているのだ。しかも並行して、ウクライナと戦争も続けている。いっその事、ウクライナ戦が不可能になるような事態になって、あっちもこっちも平和になる、と言うお伽噺が実現するなら、賛成しないでもないが…。それが嘗ての社会主義連邦だというから、「真面目にやってくれ」と怒鳴り飛ばしたくなる。僕には全く訳が分からなくなっている。

狭山中央病院へ出向く。この病院のグループで、組織替えがあるらしく、その予告がされており、何となくせわしない。いつもより時間がかかった　病院の建物も、立て替え、配置換えがなされるようだ。

　昨日のコロナの注射跡が、痛くて堪らない。今までで一番痛みが残った。しかし、今日一日経つうちに、収まり始めたのが、分かるようになって来た。異常な痛みではないようだ。明日になれば可成り治まるだろうと思う。徹の丁寧な運転で、心地よく「僕の病院定期便」６月号が終了した。
　いくら不満があるといっても、病気で倒れて、ひと月も入院していた病院なのだ。何となく思い出深い気持ちもある。そのあと何回も、診察と薬を取りに和子に送られて、通った思い出もある。病人友達も記憶に残っている。今後は、何と、退院時に話題に上っていて、その後、和子が入っていた「原田病院」に通うことになるようだ。因縁の様なものだ。これで一先ず、今回の病院劇も幕が引かれそうだ。家からの距離も、今度の方がずっと近くなる。和子の検診が終わり、一連の僕に関する予定も、一応終わりになるので、ほっとしている。和子も僕も、用が出来れば、近くの病院が使えることになる。
　息子たちには、すっかりお世話になってしまった。子供らの世話に成れた嬉しい思い出が、あの世のジジババへの良き土産にもなった。これ以上に嬉しい土産はない。ミスター・バード・ウオッチングとの懐かしい交流のことはゆっくり考えることにする。楽しいことはゆっくりと味わいたい。

合間の日差しで洗濯物を干す

　市から、コロナ注射の連絡がきた。変な並び方で、二人分の許可証が出ていたが、並びの順序が悪く、通知の失敗にしか見えない。僕の機械の故障のせいかと、弄りまわしているうちに、何とか二人の許可が取れたのではないかと思えるようになった。もう強引に押すより仕方ないと思い、30分以上早めに「はなわ病院」に出かけて行った。何事もなくワクチン注射は終了。パソコンを信用して良かったと思っている。これで明日の中央病院での定期検診が終われば、無事全て終了となる。

曇り時々雨　じとじとしてきた

　明日の注射を忘れないようにしよう。11時少し前に家を出ること。10分くらいで、塙医院に着くはずだ。記入済書類を忘れないこと。明後日には、狭山中央病院へ出かけることになる。一応、定期健診日なのだが、薬の補給が、主な目的だ。付き添ってくれる和子の方が心配な感じだ。バス、電車、病院バスの乗り継ぎだけだが、充分に注意して行こう。もう少し経つと和子の方も落ち着いてくると思う。今の所、「病気上がり二人」の通院という感じだ。今日明日は余り天気は良くないと思う。交通にも十分に注意する必要がある。

青空も見えるが、雲多く、時々日差しあり

　梅雨時の晴れはこんなものか。うっとうしい「晴れ」とはこんなものか。暑さが、やや控え気味なので助かる。ただ、洗濯物だけは良く乾いた。和子が、けだるい体でこなした洗濯物だから、午後２時くらい迄には、からっと乾いて欲しい。その条件だけは満たしている。
　23日11時に、近くの「はなわ医院」で、コロナの注射をするのを忘れるな。持って行く書類を用意せよ、と言うことで、書類を、和子と一緒に書いた。僕は手が勝手に動きがちで、文字を書くのは苦手になって居る。和子は、この手の書類を、もう何回も書かされているので、すらすらと完了した。注射後、気分が悪くなる人がいるので、しばしの休憩を求められるが、異常がなければすぐに帰れる。会費を持参して、会場に集合。しばし時間を過ごして帰宅し、翌日は狭山中央病院で定期健診だ。重なっているから、要注意。
　そんなことを考えながら、家中の掃除を済ませる。特に寝室は補聴器の左側を紛失しているので探しながら、丁寧にやらなければならない。外で落としたのかもしれない。どうも補聴器は僕と縁が合わないらしい。高いものを紛失したとなると、大損害だ。しかも和子用にあつらえたものなのだ。マスクの着脱が紛失の原因だろう。結局未だに発見されないままだ。

梅雨空に戻るとの予報だったが、蒸し暑さを続けながら、日差しも強い

　６月24日には、狭山中央病院で、僕の定期検診がある。退院してから、しばらくは毎月だったが、最近はひと月置きになった。薬の補給を兼ねての検診だ。殆ど診察はしていない。血圧の薬の補給のためと言ってよい。それと血圧の記録表の点検もあるだろう。そのために今でも懸命にグラフを付け続けている。
　その前日の、23日には、午前11時から、近くの塙医院で、新コロナのワクチン注射が行われる。潤が来たときに、スマホで完全に手続きを終わらせてあるようだ。これまでは、市役所の出張所へ行ったり、耳が悪いのに電話を何度もかけたりと、さんざん苦労してきた。パソコンを使った時期もあったが、これがなかなか時間がかかったものだ。それを潤は、さらっと済ませてしまった。後は事前記入書類と申込書とを担当医院へ提出するだけで、良いらしい。
　それにもう一つ、すれすれに近い予定が出来てしまった。団地の老人会の食事会が、同じ日の12時から予定されている。注射を済ませてからすぐに会場に駆けつけなければならなくなった。注射後の安静時の反応で何か悪く出て来ると、食事会はぱーになりそうだ。今迄に引っかかったことはないので、多分大丈夫だとは思うが・・・。

曇り　気温上昇を感じたが、途中で、あまり上がらなくなった

　昔の同僚、工藤さんからメールが入る。僕が、定年退職した際、講師的なお手伝いとして５年働くことになった時に、ばりばりの英語の教員で張り切って居られたのが、工藤さんだ。時間が経つのは早いもので、その彼が、もう退職の時期を迎えられて、前の僕と同じような立場で、元気に働いておられる。食事会に誘って下さったのも、和子の体調を気遣ってのことのようだ。有難いことだ。久しぶりにお会いしてゆっくり話がしたい。念のため、もう少し間をおいて様子を見てから、こちらからご連絡したいと思っている。彼の奥様ともぜひお会いしたい。
　ニュースを見ると、アメリカのお偉方が、中國の大臣と、喧嘩腰でなく話し合って、無駄な諍いムードを無くしたいと思っているらしい。大いに賛成だ。世界一の有力国家同士が、初めから喧嘩腰では、指導性も自由競争も、助け合いもあったものではない。イデオロギー上の対立意識も、もっとゆとりをもって意見交換をして行くべきだと思う。僕も大いに賛成したい。ウクライナの戦争の停戦のためにも切っ掛けが出来るかも知れない。僕も自分の人生の終わりが近づいているのだから、最後まで戦争に心を痛めたまま逝くのも、快く思えることではない。平和の目途がついてから、この世を去りたいものだ。

あまり青空が見えないくせに、日差しが途絶えず続き、真夏日のような暑さになった　我が家で初めて冷房のスウィッチを入れた。28度にする。

　はやばやと本格的な夏の到来。僕は、痩せているのに、暑さに弱い。体力が、とことん消耗して仕舞うのだ。体調を崩さずに、夏場を切り抜けるのが、長生きのキーポイントになる。和子が立ち直って、又僕との健康合戦となる。ともに元気でいる競争だ。朝の目覚めがすっきりしていること。食事が３食とも旨いこと。排泄が、スムーズに行くこと。眠り際の気分が、いつもすっきりと、移れること。感情をイライラさせない事。愉快な洒落が常に用意されていること。怒りは集中して短時間に爆発させること。その後はすっきりとした微笑みが大切。以上が、僕の今の健康法だ。

文句なしの快晴　和子の診察には、快適な日となった

　１時半頃、徹が和子を乗せて、家を出発。僕は家で体休めをさせて貰って、結果を待っていた。お天気はどんどん良くなり、安心して結果を待った。やがて、徹の車が、和子と潤を乗せて返ってきた。結果は、「特に難しい病状は見当たらず、年令並みに疲れて来ただけ」。あちこち、手入れをした方が良いところはあるが、特に心配はいらないと言う。予想より良い結果だった。特に異常がなければ今まで通り動いてよいだろう、と言う。大喜びだが、歳が歳なので、注意して頑張ろうと励まし合ったところだ。祝いを兼ねて、４人で夢庵に食事に出かけることにして、徹君に運転してもらった。彼は昔は飲んだが、今は止めている。少し陽気になって、家内の団結を誓い合った。
　この分なら、バードウオッチング博士との食事会もＯＫ出来るだろう。楽しみになって来た。余りいい気にならないように、自重しながら、残りの人生を楽しむことにする。
　今日は、石心会病院の結論を持って、沢田病院を訪れた。診断書を持って、報告に及んだ。暑さが酷くなり、帰りには、道々うんざりしながら、歩いてきたが、何とか頑張って帰宅した。途中で、魅力的なランチを買い、家に着いたら、空腹を感じ、僕は待てずに、昼前の時間だったが、飛びついてしまった。僕は、食欲だけは人一倍あるのだ。何か大きな一区切りがついたような気がしている。良かった！と、油断大敵！ が今の心情だ。

低気圧はさっさと通過したらしく、午前中から青空。それに熱くなりそうな日差し。和子の診察の方は問題なさそう。

　和子の診察は、午後一時半我が家集合。と言っても徹が、車で迎えに来るだけだ。潤は、直接病院の方へ向かうらしい。僕は家で留守番。天気が良くなって、ほっとしている。あとは診察結果の良好なことを願っているだけだ。
　世界の中で、歴史的な発展段階を異にしているために、国によって進み方に様々な相違があるのは当然なことだ。しかしながら、イデオロギーの違いによって戦争沙汰になり、特定の国が不幸な目に合うと言うのは、残念なことだ。助け合いによって、これからの国家が、そろって今までより速い速度で、幸福に辿り着くように協力する事こそ、人類が目指すべき方向だと思う。そして、必然的に避けられない不幸な現象には、協力して当たり不幸を小さく出来る様に、協力してこそ、人間万歳が唱えられるのではないか。

明日にかけて、天候悪化の予報　大雨となる恐れあり

　明日にかけて悪天候が予想されると言う。時間が漠然としているので、和子の検診の時間との関係はわからないが、最悪の場合には、ぶつかる恐れがある。息子たちの考えを確かめたい。真っ向からぶつかるとちょっと心配だ。潤や徹の考えを確かめたい。早朝にぶつかるだけなら、時間の調整も出来るのだが…。電話連絡が必要になるかも知れない。
　和子は、カラオケの仲間と連絡を取り合っているくらいだから、そう気分が悪い訳ではないと思える。顕著なのは、食欲が細いことと、便通が、順調でないことが気にかかる。恐らく僕と同じで、長いこと薬の使用が続いていて、下剤の併用の為に、腸の働きが、悪くなっていることが気になる。
　余りまともに天候悪化とぶつかるようなら、予定変更の可能性も出て来る。臨機応変の処置も必要になるかも知れない。

曇り時々ぱらつく、今後二日ほど強い雨があるらしい

　和子の診療とぶつからなければよいが、車でも雨は大変苦労する。徹の腕はなかなかのものだが、天気も道も、事故のもとになる。16日の検査が心配だ。僕は留守番の予定だけに、気にかかっている。
　和子の補聴器を時々使ってみているが、やはり僕用に作られたものではないせいか、かなり聴き辛い。音はかなり大きくなるが、それにつれて、聴き取り難くなる。どうも上手く行かないものだ。練習のつもりで、なるべく使って見ることにしている。一種の練習の様なものだ。
　防災会の方から、災害の折に、どの程度の援助が必要になるか、の調査が来た。この団地でも高齢者の居住者が多く、その世話の準備がかなり大変だろう。僕の所は十分に、手数の掛かる世帯に分類されているだろう。避難するにしても、よたよた逃げ回るか、途中で、自力では歩けなくなってしまうか、助ける人も誰もいない、始末の悪い所帯になる。傍には、手助けをしてくれる人間は、誰もいない。そうした現状の調査が、行われている。こまごまとした回答が要求されている。人のお世話になるのに、不満は言えない。なるべく正確なお願いを記述しておく必要がある。しかし気が引ける思いなのは、当然だ。時間をかけて、応えなければならない。

今日も梅雨らしい朝を迎えたのに、度を越して、好天気になり、午前10時前には、無風の快晴になってしまった。

　中々、梅雨らしい陽気の実感も味合わせてもらえないようだ。今日は、号棟の境になって居る高木の葉一枚ピクリとも動かない無風状態。晴天で、気温も高め。かなりの高温が予想される。
　僕の高血圧も、毎日測ってグラフを書き続けている。薬も基本の３錠に絞られ、午前10時ごろに、服用している。時折一時的に高くなり、ハラハラするが、直ぐ収まり、１週間ぐらいは、おとなしい数値が続く。こんなことが繰り返されるので、あまり心配はしなくなっている。足が弱くなっていることが気になったり、フラツキの自覚があったりすることもあるが、余り病人の自覚症状は感じていない。そのために、和子の看護人としての自覚の方が高まってきており、マメになってきている。でも16日の石心会病院での和子の再診察は、留守番をすることにしている。子供らが、お母さんの付き添いで、病院の方に顔を出すことになって居る。
　この間、潤が来てくれた時に、スマホで見せてくれたのだが、孫の奏ちゃんの活躍ぶりには感心している。たまたま、役者として駆り出されたのかと思っていたら、明治大学の演劇同好会では、演出レベルの仕事を任せられており、教授の信頼も厚いらしい。うんと勉強して、仕事の領域につなげることもできるかも知れない。御爺ちゃんとして大いに期待したいものだ。

梅雨の季節を絵にかいたようなお天気　今日は和子の85歳の誕生日

　可成り辛そうだが、和子が本来の五歳差に詰め寄ってきた。本来の元気さを取り戻して欲しいが、もう少し時間がかかりそうだ。台風との交差や、水害との遭遇など、梅雨らしい梅雨もなかなか見られなくなっていたのだが、今の状態は、まさしく僕の頭の中での「梅雨」そのものの様に思える。きらきらとベランダの手すりに雨露の行列が光っている。空を見上げると、判然とした雨粒は見られないが、雨は音もなく降っているのだ。雨粒の行列は、衰えることもなく、輝いている。こんな風景は、僕の心を優しく慰めてくれる。アジサイの地味な花弁が、無言で語り掛けて来る。
　今日も、和子は買い物がてらイオンに出かけ、夕方にかけて、お喋り友達と時間を過ごしていたようだ。これで元気が出て、帰って来るときは良いが、時には疲れすぎて、荷物を重そうに担いで来る時もある。何度も忠告しているが、その度合いをキープすることが難しいらしく、特に度を越してしまう相手もいるようで、くたくたの状態で、帰宅する事がある。僕への気兼ねで、荷物を担がせるのに引け目を感じるのだろう。ボッカ役はいつでも引き受けているのに。

音もなく降る雨、台風は鳴りを潜め、梅雨らしい天候になった

　昨日は、Ｎ兄の助けで、「たそがれ」が、何とか息を繋げた。家の方は、潤の手伝いを得て、和子の薬の体制を固めることが出来た。明日６月12日（月）は、和子の85歳の誕生日になる。体調がイマイチという所でぐずついているのが、気になる。16日には、２回目の精密診断のために、２回目の石心会病院の診察を受ける。前回は、肺臓を中心に、今回は、心臓を中心に調べる、のだそうだ。和子には、最低今の僕の歳位までは、元気でいて欲しい。次回は、潤と徹が付き添ってくれるので、任すことに決めた。僕もやや疲れ気味だ。
　ウクライナのロシア支配地域で起きた発電用ダムの崩壊で、地域住民の被害がひどい状態になって居る様だ。救われた住民は、ロシア地区に住まわせられそうな、気配が強い。兎に角、人命救助を最優先して欲しい。しかし国籍を決めるのは、飽く迄、住民の決めることだ。かっての北朝鮮の様に、他国からの人さらいは、断固許されない。　

台風を抱え込んだ梅雨となり、初夏の気候も、「たそがれ」も難渋している。６月８日(木)、９日(金)の２日分が空白となってしまった。

　メモを使用して、確実な記事を送ろうと、下書きメモを使って、文章を整理し，Ｎ兄に送稿してきたが、最近僕の思考力の衰えがひどく、物忘れの傾向も進み、作文と、送稿作業が、滑らかに進行しなくなって来た。橋渡しをしてくれているＮ兄にも大変ご迷惑をかけている。今日を含めると、３日分の記録が、送付できずにいる。今何とか、記録を繋げようと懸命になっている。
　並行して、我が家の老化現象も進行し、妻、和子の体調が優れず、退院後は自宅で回復に努めている。病院を変え、再度の診療を継続しているが、同様の病状の老人が多く、病院も混雑しているようだ。自宅看護で良いことがはっきりすれば、その線で家族一同前向きに取り組んでゆくのだが、まだ最終判断が途中で、心配が先に立っている状態だ。昔の同僚が、懐かしいメールをくれ、昔のように家内連れで、会食がしたいと、誘ってくれているのだが、診療の終了までお待ちいただくことをお願いしてある。
　目下、息子二人の応援を得て、和子の世話に集中している。わが子たちの、援助にも、目の潤む感謝をしている。今日も薬剤師から、薬剤を受け取って、服用プラン表で、使いやすく整理をしくくれることになっている。
　この３日間、ウクライナの戦況が気になって居るが、停戦に行き着く気配もなく、ダムの破壊、村落の崩壊が続いており、ロシアの国内では、プーチン体制への反発の動きや、戦争指導体制の考え方にズレを生じ、複雑な状況を呈し始めている。他国の戦争とは言え、人間の命の消耗を見過ごすわけには行かない。早く矛盾の中に糸口を見つけ、停戦に漕ぎ付けることを祈っている。
　僕の体も、90歳を超え、かなりしんどい状況にあるが、頑バレルだけ頑張ろうと、決意している。最後の生活を、意味あるように生きようと、１秒を大切にして毎日を続けている。

台風３号が発達中　梅雨は既に始まっているようだ

　台風２号は、線状降水帯を形成して、各地に大量の雨を降らせた。家を失った人たちがたくさんいる。３号も同じ被害が予測され、テレビは、警戒態勢を呼び掛けている。
　ウクライナでは、どちら側の仕業なのか分らないが、かなり大きなダムが、意図的に崩壊させられた。電力に大きい損失を受けたのだろう。両者がお互いに、責任を押し付け合っている。かなり多くの家屋も水浸しになって居り、ダムの被害状況と、日本の台風による被害とが、ダブって印象に残り、訳が分からなくなりそうだ。ロシアとの戦争状況が複雑になり、頭の病気が後遺症になっている僕には、訳が分からなくなりそうだ。今日は、血圧の数値がやや高めに出ている。要注意の状態にある。
　バードウオッチングの工藤先生と会食をして、昔の自然の中の雰囲気に帰りたいものだ。和子の診察結果が良好に出て欲しい。

薄日も射すが、雲の多い天候の中を、癖の悪い低気圧が通過

　工藤さんから、会食のお誘いが、メールで飛び込んできた。懐かしいお誘いだ。即応諾すべきところだが、和子の方の診断がまだ未完了になっており、当人の元気もパッとしないので、16日の診断完了を待って、改めてお返事すると、お答えしておいた。多分大丈夫だとは思うのだが、確実なＯＫが取れてからの方が、食事もおいしくなると思って、そのようにお返事した。
　今日の国際ニュースでは、ロシアの政治情勢に異変が起きていることが報じられている。プロの戦争屋「ワグネル」のプリゴジンが、プーチンの批判派として、ロシアの政界にはっきりと姿を現し始めたと言う報道を耳にした。国内で、ゲリラ的な動きをする状況があることは知っていたが、今回の情報はかなりはっきりした動きであるらしい。対立がいよいよ表に現れて来るようだ。ウクライナの動きも、それに合わせて、微妙な変化を持つことになろうが、いずれにしろ、社会主義体制崩壊の後のロシアの動きがはっきりとしてくるだろう。プリゴジンとプーチンの戦術上の鍔迫り合いは、これまでも耳にしているが、今回のように政党としてのぶつかり合いとして認識したのは初めてだ。これからのぶつかり合いは、もっともっと大きくなってゆくと思われる。それにしても、民族に上下はないのだから、蔑んだ関係を固定化するような国家観を避け、お互いの長所を認め合うつながりで、長所を伸ばし合い、豊かさを作り出して行く建設的な協力関係を生み出すべく努力して行くようにして行きたいものだ。殺し合いは最低な文明だと心得よう。

雲は多いが一応晴れ　あちこちで水害が発生し、被害者も出ている

　この辺りでは、ちょっと水害は考えられない天候だが、全国規模で見て行くと、気圧配置によっては運悪く、床上まで浸水した所もある。川の流域であったり、運の悪い気圧の流れにぶつかってしまった所が、少なくないようだ。この辺りでは、水害の気配もなかったが、テレビでは、あちこちで起きた洪水の、後始末の光景が見られた。言うならば、この辺りは、やっと梅雨入りした段階に当たるだろう。それが台風の異常進行のために、特異な現象が起きたものと思われる。
　ロシアでは、プーチンに反逆する一派が形成されつつあるようで、ウクライナの味方のような動きを見せるロシア兵が出て来ているようだ。ミサイルが攻撃に使われているので、時折多数の死者が出る。建物は次第に破壊され、残骸の山になっていくのが見られる。複雑な動きが形成されて進行しているので、町が崩壊している割りには、犠牲者は出ないことも多い。こうした複雑な戦場の作られ方で、ウクライナ軍の姿が薄くなってしまう時もあるようだ。いずれにせよ、早く停戦に繋がれば、良いのだがと思う。ウクライナ側も、戦争の原因にこだわらずに、機会をつかんで、殺し合いをストップするチャンスを逃すべきではないだろうと思う。そのこと自体に意味があり、今後の道を見いだせるかも知れないのだ。我々は祈る気持ちで、それを待ち望んでいるのだ。

天候の撹乱者が、傲慢に居直っているようで、薄日まで差し始めた　不快なり

　もう風もなくなり、降り残った雨も気配を感じさせない。テレビでは、相変わらず川の氾濫を警告している。明るくなってきているのに、警戒を解く気配も感じない。NHKが独り浮き上がっているのではないか。日差しさえ感じられる。
　明日は、僕の90歳の誕生日だ。明るい雰囲気に戻して欲しい。事なきを得たのなら、警戒心が、ややオーバーになり過ぎたことを告白して、詫びればよい。天気予報とはそんなものだと誰もが思っていた。天候の異常が生死を分けるようになると、段々単なる予報だからと軽く見てはいられなくなり、「深刻な科学」の部類に入るようになる。現在では、その比重は，可成りの重さを示すようになっている。「海面が低くなったり」、「酸素が少なくなったり」、「有害物質が増加したり」すると、科学者の世界は、深刻な分野に転じて、たとえ突然の現象の変化でも責任ある分野へと、移って行く。今後、そのような変化は、多分、極端に増え続けることになろう。天変地異から、病気に至るまで、科学者の責任分担は大きくなり続けるのだ。政治家もそれを支えて、仕事の責任を取って行かねばならない。

梅雨らしい顔で、朝からじめじめとお出迎えだ　台風２号のドスの利いた脅かしも後に控えている

　しばらくは、(と言っても、和子の再検査日の16日までだが)、潤も徹も顔を見せない。最近、しばしば現れていたので、「ちょいさみ」(ちょいと寂しい)の感じ。その間に、和子の薬の「服用カレンダー」の実習を自分でやってみよう。脳梗塞にやられた頭の働きを確かめてみよう。潤の様に手際良くは行かないだろうが、粘りと執着のトレーニングだと思って、頑張ってみる。さて御立合い！ 上手く行きましたら、満場の拍手を戴きたい。
　嫌に気張った掛け声をかけて立ち上がったが、もう種分けが済んでいるものを、既定位置に入れるだけの仕事だから、何の難しい事があろうか。この仕事の難点は、難しい名前の薬品名を読み分けて、組み合わせるのが厄介なのだ。一番厄介なポイントは、既に潤がやってしまってあるのだ。大きな顔をするほどの価値は無くなっている。何やら恥ずかしくなってきた。静々と退場しよう。

６月に入った。雲が多いが、晴れる期待あり　台風も梅雨開始も遅れている　最も梅雨の予告が飛び切り早かったのだ

　６月早々に梅雨入りとの報道あり。アジサイの花がちらついていたが、台風２号とかち合うと言う報道に少し遅れて咲けば、台風を避けられるよ、と忠告したくなった。アジサイは台風には似合わない繊細な花だ。
　和子の、石心会病院での診察で、未了の分野は、６月16日（金）に行うことに決まった。徹君から連絡があった。潤君も都合をつけてくれるようだ。二人とも有能な付添人なので、直ぐ疲れてしまい、耳も役に立たない僕は、休ませてもらうことにする。和子の補聴器も、僕には補助にはなっても、肝心な時に責任を持つ必要がある。もしも聞き損じがあると、いけないので、遠慮することにした。やはり僕は半人前だ。家での留守番の方が無難だろう。
　４日の誕生日は、日曜日に当たるので、近くに住む、和子の友達でも誘って食事でも一緒に出来ないか、と考えている。

台風と梅雨とのダブル訪問になりそう　明日から６月に入る

　明後日頃、天候の状況がやっと見えて来るようになりそうだ。台風が強く荒れ、梅雨っぽさが、それに加わると、どんな天気になるのか。じっと見させてもらうことにする。今日で５月が終わり、いよいよ僕らの誕生月になる。４日が僕の、そして12日が和子の誕生日になる。僕がちょうど90歳。和子が５つ違いの85歳になる。今や、充分な老化の最中だ。この戦いが何処まで続くのか、終わると、生命の終わりになる年齢に近づいている。それはなってみないと分からない。
　北朝鮮は、なんであの様に、ミサイルにこだわり、やたらに打ち上げの回数を増やしているのか、失敗迄が増えてきた。粗製乱造になってきている。国の将来を、どう考えているのか。僕には読み取れない。プーチンさんも含めて、現代の社会主義はどうなってしまうのか、健全な思想の種を沢山持ちながら、成長を歪めてしまう結果になりそうだ。マルクス、エンゲルスの理論は、何を目指していたのだろう。決して戦争をしたり、乱暴な権力の育成を図っていた訳ではないと思うのだが・・・。今のままでは、人間の一番悪い気性だけが残って、行方不明になりそうだ。

雨上がりの曇り空　梅雨の典型　ベランダの手すりの雫が光る

　昨日考えた災害時の入れ歯の処理は、やはり思考力の衰えた老人の半端な工夫であることに今朝気付いた。夕食後に磨いた入れ歯は、ケースにしまわず、口の中に装着してしまえばよいことに、朝になって気づいた。そうすれば、災害時にも慌てる必要はない。入れ歯は、朝目覚めてから、口中に装着と言う習慣が、身に付き過ぎていたようだ。きれいに磨いてすぐ口中に戻すことにすれば、災害時にも、口中に収まっていることになる。習慣とは恐ろしいもので、今までケースに入れて処理するものと思い込んでいた。今晩から早速そうすることにする。
　昨日の夕方、和子の買い物を運んでやろうと思って、店に出かけたついでに本屋に立ち寄って、奏ちゃんの活躍中のお芝居「真夏の夜の夢」の台本を探したが、今時の小さな本屋さんでは、超クラシックな作品は並んでいないことに気づいた。何度かは読んでいるのだが、もう一度記憶を新たにしておきたかった。古本屋さんの方が、見つかる可能性が高い。しかし、出向くついではなかなかないだろう。お芝居仲間の友達は、もう身近には居なくなってしまった。専門分野なのに、みっともないが仕方ない。

西の方から、荒っぽい梅雨入りになるようだ。

　他の大きな災害に対する注意もしきりに促されているので、アジサイを眺める気も起らず、ただ不安が付きまとう。夜寝る時も、入れ歯を枕元に置いて寝ている。僕の場合、耳のほかにも、入れ歯という弱点があるのを、最近まで気が付かなかった。入れ歯を持たずに、緊急避難しても、総入れ歯の場合には、即食べられなくなってしまう。それに気付いてからは、枕もとに、自分の毎日使っている義歯をセットして寝ることにしている。食べ物は人からもらうことも考えられるが、義歯を借りるわけには行かない。即、飢えてしまうか、消化不良に陥るだろう。非常用のリュックにも入れておくのを忘れていた。最近の地震の兆候を見ると、何となく東に近づいて来ているように思う。大きなのはないが、傾向として場所を予知することも大切だろう。僕らは、病人二人だから、耐久力には頼れない。早く安全な避難場所に着くこと。日常生活を細く長く続けることを念頭に体力を保持する以外には、延命することを望めない。半ば諦めもあるが、初めから諦めて生きることもできない。孤立しないことだが、人だけに頼っていてもいけない。執着することが大切だ。ここまで生き延びて来た生命だから、少しでも守ってやりたい気持ちになって居る。

薄雲の出た晴れ

　昨日は、潤が和子の薬の分類に来てくれた。いつもながら大変だ。しかし、手の空いた時を見計らって、貴重なものを見せてもらった。孫の奏が出演しているシェイクスピア劇「真夏の夜の夢」が観られたのだ。彼女は今、明治大学に在籍して、演劇部で芝居の勉強をしているようだ。コロナの季節に、地方の国立大学に合格したのだが、空虚な学生生活に失望して、現在は自宅に帰って、明治大学に転籍し、演劇部で活躍していると言う。確かにあの時期の大学生活では窒息してしまう毎日だっただろう。それが何故ネットで上演されているのかは知らない。ただ、熱演であり、なかなか達者なな演技力であるのは、確かで、初めて見る僕はいささかびっくりした。潤は、将来の生活のことを心配しているが、嬉しい悩みのようだ。芸能の分野で、食べて行くのは大変なことだが、遣り甲斐のある仕事とも言える。不安ながら、楽しみにしている様子が伝わってくる。演劇鑑賞会の仕事をしていた僕には、意外な喜びであり、新しい期待感で、うずうずしてきた。90歳になろうとしている時に、こんなワクワクすることが出来るなんて、嬉しいような、年を取り過ぎているのが残念な様な、複雑な気持ちだ。兎に角、若い人が目標の定まった人生を送る事には大賛成だ。奏ちゃん、大いに気張って欲しい。

薄く靄のかかった晴れ　梅雨が近づいているのか？

　今年の梅雨前線は、早めにやって来るらしい。その上、雨の様相も変わっていて、じめじめ型ではなく、荒れた雨になるらしい。梅雨の風情も変わってくるようだ。日本の梅雨の原因になっている「世界の気圧配置」に変化が生じているらしい。雨量の総量も増え、降り方も強くなり、洪水などの原因にもなりそうだ。僕は地球の生活条件が、悪化してくることを、何度も指摘しており、戦争などしているゆとりはなくなってくることを警告しているのだが、理解してもらえない。性懲りもなく戦火が続いている。ウクライナの大統領は、「広島の様に復活して、平和を取り戻したい」と誓っているが、その条件は、理解されることも難しく、災害や食糧事情なども加わって、困難な大仕事になるだろう。大前提には、何よりも、早く停戦を実現して、「平和」をまず取り戻すことだ。地球上の生活状況の変化を科学的に捉え、世界中の科学者が協力して、出来る限り、僕らの生きて行ける時間を長く保つ体制を作ることに専念する必要がある。場合によっては、他の惑星への人類の引っ越しも考えなければならない。戦争などしている時間はない。

高曇り　鈍い日差しに不安停滞　気温はあまり上がらない

　ロシアには、プロの戦争屋が居て、国の政治家とは、一定の距離を持っているようで、プロと国の責任者とは、必ずしも、同一方向を歩かない。現場のプロが、プーチンの意思を常に代表するとは限らない。ウクライナとの戦闘においても、常に、陣営内の破綻を孕んでいるようだ。だから戦闘の評価にも、ズレや矛盾が付きまとっている。クレムリン襲撃問題や、一地方の制圧や奪還や制圧の完了の判断にしても、いろいろな情報が出回ってしまうのだろう。奪われた子供らの現状にしても、ウクライナの子供たちがどうしているのか、親元にはなかなか実情が伝わって来ない。ロシアの中で、反乱がおきていても、実情は、国民には、中々伝わって来ない。
　今の生活状況を見ると、僕が、和子を看護しているのか、和子が僕を看護しているのか、定かではない。何時の間にか、関係が入れ替わってしまっている。余力のある方が、看護の側に回ってしまうのだ。生活も戦争のようなものなのかも知れない。

好天気で、和子の診察にはラッキーだった

　和子の付き添いを終え、脇役の僕がぐったりと疲れた。兎に角、お天気だけは、支障なく、応援してくれた。結果は、６月に入って、検査結果が一つづつ、連絡されると思う。原田病院から退院し、再度、石心会病院での再検査と言う経緯がはっきりせず、病人本人が釈然としておらず、潤、徹の付き添いさんの意向も、統一できていないので、すっきりさせる必要がある。疲れからか、僕には今迄とは違う、濃厚な鼻出血があって、一寸面食らってしまった。今収まって居るので心配ないと思うが、突然でびっくりしてしまった。和子を落ち着かせることが大切だし、体の問題点を整理して、伝える必要もある。立ち会った二人の息子たちに、病院の意向を纏めておくように要望しておく。

快晴　石心会病院での和子の診察に付き添う　徹の運転も天候も絶好

　病院は大変な混み方で、老人ばかりが、群がっている。該当診察室に配属されても、じっと待つばかりだ。こんな具合では、待つ間に容態が悪化する患者も多いのではないか。和子も順番を待つ頃にはぐったりと疲れていたようだ。どの町にも、レベルの高い病院があり、全ての患者を収容、治療する実力を持っている医療体制が組めないものだろうか。帰り道、遅い昼食をとりながら、暗くなる気持ちを抑えることが出来なかった。何故か、病院の中が、騒音で反響し、呼ばれた名前もよく聞こえないと言う騒々しさに悩まされていた。綺麗な建物のこの病院も、内部の現代的な設備はともかく、患者を取り巻く環境には、不十分な点が山ほどあるように感じた。僕も倒れた時にはこの病院のご厄介になって居た。その時はそんな観察のゆとりは持てなかったのだが…。和子の検査は一応すべてを終えたが、結果の判定は、まだ先になりそうだ。今日の診察の範囲では、前の病院のしてくれた薬などは、的確だったようだ。僕が、脳梗塞で担ぎ込まれた時には、こんな観察をするゆとりは全くなく、無我夢中で、入院生活を送っていた。

薄曇り、日差しあり　広島サミットは無事に進行　終わりに近づく

　無事に進行したのは良いが、ロシアや中国の反応はすこぶる険悪だ。かなり怒らせてしまって、主催者側の配慮を裏切る結果になるかも知れない。しかし、感情的な反発が、強く、主催者側の真意を素直にくみ取っていないことも考えられる。武器をとって、無理な要求を押し付けて行くやり方は、控えるようにして、共に快く進めるようにしようということだけで、今後の世界の歩み方を規制しているだけだ。ロシアや中国が、そんな意図をもっているのなら、考え直して欲しいだけだ。お互いにそれぞれの立場を理解して、お付き合いをして行こうと言うだけではないか。どんな場合にも勝手なことは許されないのは当然だ。特に、お互いの生命の尊重だけは安易に侵されてはならない。経済や文化の交流は大いに盛んにしたいものだ。独善的なやり方は控えて、民主的な、平和的な話し合いを基盤にして進めたいのは当然ではないか。

意味有りげな雲が多く、天気の保証はない

　さっき昨日の記録を送ったが、今日はもう一つ、今日の分を送ることになった。パソコンが不調で、Ｎ兄には、手数をおかけし申し訳ない。中国はともかく、ロシアは、ソ連邦を駄目にして置きながら、プーチンの不遜さが、政策にも出ているようで、不快だ。軍備をバックにして、強引に押し通すやり方では、世界は納得しない。彼が日本から学んだはずの柔道には、もっと正々堂々たる、清々しさが在った筈だ。ともに進むヒューマニズムの良さが理解できるはずなのだが、メンツなどに拘るようでは、日本武術の清々しさは身についてはいない。相手の人間性をもっと重視することが出来るはずだ。
　広島では数多くの人々の死から、平和の貴重さを学ぶための議論が進められている。もう少し、人から学ぶ姿勢を大切にして欲しい。この世界は、やがて人間の大同団結がなければ、この地球での生活が不可能になる時が、やがて来ると思っている。宇宙大戦争などは、コミックの世界だけにしておきたい。
　これから、また和子と買い出しに出かける予定だ。体調はやや不調だが、もうコメが切れる頃だから、仕方ない。

日が差したり、雨が降ったり、異常

　昨日は、パソコンが不調になり、使用不能。一日疲労困憊の末、Ｎ兄に「たそがれ」を送ることができず、夜になって、原稿の送付を諦めた。どうやらマイクロソフト系の操作だけが可能な状態にあるらしい。現在、その筋の操作だけを使って書いていることになる。Ｎ兄の方に支障が起きなければよいが、と危惧している。
　広島サミットは、運営国の思惑通り進んでいるようだ。ウクライナの危険な冒険も加わり、総大将の姿も見えたらしい。ロシアや中国との軋轢が、障害にならなければよいが、広島で亡くなった霊を混乱させないように願っている。現在、どんな企画も、見落とさないように、目を皿のようにしてテレビを見詰めている。姿を現した潤が、うちの故障中の大きなテレビの方を修理してくれて、正常な耳の持ち主なら、快適に鑑賞できる状態にしてくれた。生憎正常でない僕には、少し聴き良くなった程度だが、雑音だけだった僕には、天と地の違いだ。でも意味のある音が聞こえて来た時には、涙が出るほど懐かしかった。特にサミット情報が聴き取れて、状況が早く伝わってきた。どういう仕組みなのかは分からないが、僕には通じればよいことだ。

洗濯物がすぐ乾くような好天気から、雨がベランダに吹き込むような荒れ方に変わる、気まぐれ天候　広島サミットが、お天気の様な荒れ方になるのは御免蒙りたい　ウクライナの大統領も直接参加を選択したようだ

　ぞくぞくと、世界の代表たちが、広島に集まってくる。どんな思惑を引っ提げて来るのか知らないが。ロシアや中国が、何故、このような動きの中で、核を用いる側に回ってしまうのか。アメリカも、微妙な立場に立っているが、核廃絶の先頭には立っていない。日本だって、アメリカとのお付き合いのせいか、広島を抱えながら、先頭には立てずにいる。広島の死者たちの哀れな姿を見ても、反核に踏み切れないと言うのは、人間性への冒涜か裏切りになる。このサミットが、人間性を少しでも高みへと向上できることを願って、注目している。
　薬局から発注した和子の薬が、まだ送付されてこない。どうもいい加減な点が目立つ。おむつの使用代についても、請求だけ来たが、病院への払い込みとの関係がすっきりしない。明日、潤が来ることになって居るが、直ぐにもすっきりさせたい。

今日も真夏日　あまり愉快な一日ではなかった

　昨日、妹の多喜子から電話が入り、体のあちこちに故障が起きて、しょげていると言う。僕はゆっくり話が出来なかったので、具体的なことはあまり聞いていない。和子も、不安なムードだけ僕に伝えただけだ。それだけで、彼女も心配そうに考え込んでいる。恒ちゃん、松ちゃんの形見分けで久が原に行った時も、多喜子の口数は極めて少なかった。その時の元気のなさが、続いているのではないかと思う。いつか顔を合わせて直接励ましたいなと思っている。コロナも収まりつつあり、チャンスは見つけられるだろう。今日は、団地の友達関係のことで、大内さんから電話があり、どうしても直接話して来たいと言うので、「気を付けて」と念を押して、イオン迄行かせた。出来るだけ早く帰っておいてと念を押して、送り出した。調子の悪い和子が、そんなことで呼び出されるのは、僕もあまり感心しないが、和子の気持ちも治まらないだろうから、行かせたが、気掛かりなのに変わりはない。平和になって帰ってきて欲しい。

快晴　久しぶりに純快晴、しかし真夏日に悩まされそうだ　天気も不安定

　原田病院の支払いを済ませるのに、いろいろな関係で、清算が完了するまでに、手間がかかる。子供らに手数をかけることもあり、気を使うことが多い。24日の石心会の検診が済むと、その後の処置が決まって、厄介なことが減るか増えるか、ドキドキしながら、ピリオドの打ち方を考えている。そろそろ皆への「良き終末」を用意したい。原田病院の締めを、きちんと終わらせることに、皆気を遣ってくれている。新しいスタートが気になって居るだけだ。和子の新スタートが、少しでも病気から遠ざかることを願っている。

朝から、久しぶりに快晴　しかし、梅雨を迎えて悪化の一途か？

　14日、15日と記述をお休みしてしまった。和子の病院問題で、僕も子供たちも疲れ気味だ。少しぼーっとしていたくなって、滞っていた買い出しを再開した。和子の歩きっぷりも、年老いて来たし、僕のボッカ能力も落ちてきたようだ。家までやっとの思いで、中リュックを背負い、大きな買い物袋を二つ両手に下げて、辿り着くと言う感じ。和子には、まだ持たせられないから、僕が張り切って運んでいるが、この状態だと、荷物を軽くして、２回か３回に、往復回数を増やした方が良いかもしれない。見栄を張って、体を壊してしまっては問題だ。長く続けられる方法をとるべきだろう。無理は避けなければならない。工夫してみよう。
　和子は、今日は、自分が使うちり紙のパック（５箱入り）を、２パック運んでいるだけだが、前に比べると、のろのろカメさんになってしまった。見ていて、こちらが辛くなる。自分の往復回数が増える方が、まだ気分が楽だ。しかも彼女は、耳鼻科にも通っており、咽喉の方に、洟が回ってしまう病気にもなっており、下手な扱いでは息が出来なくなってしまう。睡眠時間に障るのだ。咳込んで眠れなくなってしまう。それを避けながら、肺の働きを保持していかなければならない。24日の石心会病院での診察を終えないと、今後の方針が見えて来ないが、それまでは、静かにしていなければならない。僕らの気分も落ち着けないのだ。

（その２）
　このところ、病気のことばかりで、知り合いの方たちも、このブログが、今までとは違ってきていると、お思いだろう。僕自身、今までは、戦争や平和のこと、地球環境のこと、世界の幸不幸のこと、政治のことなど、大風呂敷を広げてきた。今や、それが超個人的なことばかりで、恥ずかしくも思っている。しかし、広島の80歳台の被爆者が、アメリカでの反核運動に勇気を持って臨んでいるのを知って、感激している。小倉圭子さんがテレビで、原爆を作った科学者たちとも、同じ人間として直に話し合って行かねばならないと決意してアメリカに渡り、感動を与えてきた経験を、特集で見て、泣いてしまった。
　広島では、国連関係の要人が集まる予定になって居る。僕も実はこの会に注目しているのだが、世界では、核兵器が使用されてしまう危険が強くなっている。世論調査では、その危険は、抑えきれるどころか、高まってきているし、今後も高まる公算が大だ、と言う。運動も挫折して行くだろうと予測されている傾向がある。ロシアとウクライナの戦争も、収拾の目途が立たないでいる。核の使用が指導者の口にも上っている。反核運動の低調化を予想する人たちもいる。その中での、この放送は貴重なものだと僕は思っている。

高曇りのくせに、にわか雨的な降り方を見せる、嫌な天気

　潤が来て、薬の区分を手伝ってくれた。午後に入って、５時過ぎまでかけて、10日分の配分を決定し、配分掲示表に投入して、あたふたと帰って行った。毎度手数を煩わせて、申し訳ない。この次の24日の石心会病院には、参加できないと、言っていた。この日は、徹君に連れて行ってもらうことになって居る。子供たちにも世話になり申し訳なく思っている。和子にも早く全快して貰って、皆を安心させたい。ゆっくりだが、彼女も少しずつ元気が出て来ているように思う。食べる量が、ほんの少しづつ、増えて来ているような気がする。僕もそれを心から望んでいる。24日を心待ちにしている。皆の努力に感謝したい。

昨日と同じで、雲の多い、40パーセントの晴れ空

　徹の車で、和子は沢田医院へ連れて行かれ、予備検診と書類を揃えて、24日の石心会病院の本検診に紹介状を持って臨む準備ができた。徹と食事しに、３人で「夢庵」に出かけた。和子は結構元気で、昼食も、いつもより多く食べていたように思う。帰りにはお土産を持って帰宅した。和子はお腹が一杯で眠気が出たのか、ぐっすり眠り込んでいた。昨日は、毎月一回の団地のカラオケ会にも参加できず、残念だったろう。僕のサポートで、買い物に出た時に、大内さんたちとも出会えず、残念だったろう。また元気になって、世話人を継続できるようになって欲しい。　

空の青色が曇っているし、たむろする雲の塊も多かった　しかし日差しは次第に強まり、今は晴れを宣告できる

　明日は、紹介状を取りに、沢田さんへ行き、次の週の24日には、徹の車に同乗して石心会病院まで出向く予定だ。
　和子の具合は、普通に話も出来るのだが、疲れやすいのと、年中咽喉から痰を排出しているので、なかなか眠れないのが問題だ。ついこの間までは、毎日元気に買い物に出て、仲間たちと話し合っていたのだ。急にこんなにやつれるとは思っていなかった。
　しかし、昨日は、薄くなった頭の白髪を染めて欲しいと、言い出して、久しぶりに、白髪染めで染めてやった。僕は、白髪染めの使用をあまり好まないが、だんだん甘くなってきてしまった。歯も治り、白髪もあまり目立たなくなった和子の様子に、少しばかりの安堵が甦った。しかし、今の病気の症状よりも、長年続いている、咽喉の方を心配している。僕の鼻の病気と同じで、原因は同じ鼻なのに、彼女のは、被害が咽喉の方に出ているらしい。僕のは専ら鼻に出て、既に嗅覚を失っている。匂いがまるで解らなくなっている。それだけでなく、僕は、聴覚、視覚も、怪しくなりつつある。だから柚子湯に執着するようになっている。すべてを皮膚感覚で受け止めたいと思うのだ。

目鼻耳、全て無うなりて　柚子湯かな　　　健三

うすぼやけた「晴天もどき」

　僕の頭まで、ボケてしまい、Ｎ兄への原稿送付の要領を間違え、一行とばした「たそがれ」を送ってしまった。こんなミスは初めてだ。書式の決まりを無視したことが原因だったのに気づかないで、右往左往してしまった自分が恥ずかしい。決まりをよく理解していなかった僕の責任だ。でもこんなのは、初めてだ。今後注意しよう。

薄雲が可成りかかり始めた青空が続く、折角のお天気もまた崩れ始めるか

　５月12日（金）に沢田さんに、紹介状を戴きに上がり（徹の車利用）、同じく24日（水）に、石心会病院で検診を受ける。その結果で、和子の今後の進み方が決まることになる。この時には、潤にも立ち会ってもらう。親父が役に立たないのは、申し訳ないが、歳に免じて勘弁して欲しい。立ち会うだけは、参加したいと思っている。
　少し手抜きになっていた家の中の掃除を、夕方早目に完了した。僕も和子も気を使っているだけ、やや疲れが出ているようだ。検診の立ち合いに備えて、体力を蓄えておくようにしたい。今晩は、換気も完全にして、落ち着いて眠れるようにしたい。コロナの方も、やや落ち着いてきて、政府の指示も自主性に任されるようになって来た。しかし油断は許されない。

曇り、時々日差し射す

　別の病院への転院の紹介状など、新しい動きが起動した。徹の車の都合や、徹、潤二人による立案など、新しい動きが始まった。和子は、まだ、最終的に病院籠りを始める気はない。まだまだ元気になりたい。本人と、受けとめる今までの病院環境のムードにずれがあるようだ。僕らは和子の気持ちに応援したい。今の時代は、80台で、あの世への支度をするのは、早すぎる。まだこれからやりたい事を沢山残している筈だ。新しい人生観とか、確実な平和への道など、まだ未確定のままだ。たとえ指一本の協力でも、自分の生活への意欲でも「まだ在る」の意欲を示したい。時代がそれを要求している。
　日程が変更になり、和子の予定に空きができ、治療途中になって居た歯の治療を先に進めることにした。この間と同じ病院へ、僕が付き添ってゆく。「入れ歯治療」の方法が今はかなり変わってきて、一本一本の歯の支え方に違いが出て来たようだ。僕が今使っているごっつい義歯のような大きな部品をはめ込むのではなく、一つ一つの歯を近くの歯と連動して固定して行くようにできるらしい。その手術に立ち会った。実働１時間の手術で、前歯が綺麗に連続した。僕も不安を持ちながら、待合室で見守って居た。綺麗に仕上がった彼女の口元を見て、唖然とした。家に帰って、何だか嬉しくなって、遅くなった昼飯を思いきりたくさん食べてしまった。自分で作りだしてから、今一つ食の進まなかった僕も、今日だけは、やたらに空腹を感じて、食べまくった。和子が再入院するにしても、良い記念日になったようだ。

曇りだったのが、昼過ぎから雨、今日、明日とこの辺は雨の模様

　日曜が終わると、来週から、和子は、どんな人との対面が待っているか分からないので、身なりだけは整えておこうと、近くの簡易理髪店で、手軽な髪の手入れをした。それが済む頃に、外は雨になり、多少は、買いだめの意味もある買い物なので、荷物も嵩んで重くなった。傘を二人分持って、杖も一本ある。一寸ピンチだなと思っていたが、案の定、二人で、家までの距離をやっとこなして、辿り着いた。僕は力が無くなって来ている右腕を恨めしく思いながら、雨の中を、意地になって歩いていた。帰り着いて、遅い昼飯を済ませたら、３時を回っていた。和子は明日から人との対面が増えるので、緊張しているのだろう。いざとなれば僕なんかより、ずっと度胸がある気質のくせに、事前には、過度に緊張するたちなのだ。最後の頑張りになるかも知れない。お互いに、心して、頑張る事にしよう。

晴れたり曇ったり。気まぐれな雨の隙間に最小限の洗濯を終わらせる

　和子の病院との接触は、病気の性質や、老化の度合いの見極めのために、僕がお世話になって居た石心会系の病院に移るようになるかもしれない。場合によっては、介護の度合いが上がって、施設的な対応のできる病院に入ることになるかもしれない。連休が終わり、月曜日に、沢田さんの紹介によって、話が進むと思う。徹が話し合いに立ち会ってくれることになって居る。どこの設備でどんな治療と看護を受けることになるのか、が決まってくる。薬だけの問題ではないので、慎重に考えて決めて行きたい。費用の問題も当然絡んでくる。良いコースが取れれば、僕がそばで看護するようないい加減なものではなく、専門職が付きっ切りで介護に当たってくれることになるのだろう。僕は一人で何とかやりくりして行くことになる。これからが本格的な人生勝負になって来る。
　潤は顔を見せ、薬の割り付けプランを進めて帰って行ったが、来週早々、徹を介して、今後の方向が決められてゆく。徹は図らずも、介護の専門職についている。力になってくれることを期待している。

水蒸気の層を感じるが、快晴の様相　子供の日にふさわしい

　良い天気だったので、朝から洗濯に取り掛かる。和子が、積極的に動き始めた。僕は手を貸しながら、見守って居る。高い場所の洗濯物は、僕が代わって干す。通常は、和子がコンクリートの踏み台を使って、背の不足を足している。
　食事は、和子の服用の関係で、時間を早めに設定してある。常識的な時間に取るにしても、準備に取り掛かる必要があるので、早めに早めに進めて行かないと、後れを取る。
　今日は、こどもの日でもあるし、夜は一杯やりたい。菖蒲湯にも浸りたい。僕は何故か、菖蒲湯とか、ゆず湯など、香りの着いたお風呂が大好きだ。
以前、

目鼻耳　歯も失うなりて　ゆず湯かな　　　健三

と言う句を作ったことがあったが、その心境はいまだに変わらない。すべて捨てて、感覚の世界に身を沈めることの心境を楽しむことほど素晴らしいものはない。
　今日はゆったりと菖蒲の色と香りの湯の中で、痩せ細った自分を見詰めて、世界に戦争がなくなる事のみを祈りたい。

孫子まで　平和続くや　五月晴れ　　　　健三

　上の句を、この団地のカラオケ会の開催通知にも書き込んでおいた。

可成りの雲が見られるが、晴れ

　送ったつもりで、寝てしまった。５日になって気付き、二日分を送ることにした。和子を補佐しながらの闘病生活が続いている。どちらがダウンしても、負担がのしかかってくる。細く長くをモットーにして頑張ることだ。潤の作った投薬予定表は、完全に機能して、数週間が過ぎようとしている。薬の予定も無事にこなして３週間近くなる。また新たな準備が必要になり、潤の応援を待っている。僕でもやれそうで手を出したくなるが、へまをやって支障をきたすと困るので、手を付けずにおいてある。一応万事順調に進んできている。特に悪い兆候は何も出て来ていない。和子の頭のケガも、大丈夫そうだ。

　今日は、一寸失敗談になる。

　和子が体調を崩してからの緊張で、やや神経が参っているのか、思考力が乱れており、体のバランスも悪い。今日も、坐りそこなって、バランスを崩し、頭をテレビの角にぶつけてしまった。頭髪の中の出血なので、ごく軽症だが、出血してしまった。黴菌を警戒して、売薬の消毒薬を使い、自分なりの消毒手当てを施した。連休なので、どこの医者も不在で、専門の外科医に見せることが出来なかった。まさかこの位で救急車は大袈裟すぎる。家で手当てを施して、静かに休ませた。僕は専門の医師ではないので、不安は残るが、まず大丈夫だろう。僕のカンでは、子供の擦り剥き傷程度だろうと思っている。気にはなるが仕方ない。
　グリーンヒルのカラオケ会に僕ら二人所属していたのだが、まず僕の病気で、僕が辞め、和子が世話人に加わって、続けていたのだが、今度は和子が倒れて、お休み。途中で、僕は仕事だけ復活した。何か手伝わなくては申し訳ないと思ったのだ。毎月の例会の通知の製作だけ、担当してきた。和子が、これ位はと、通知の配布を担当している。二人のセミ引退会員の最近の作品を、ここに紹介しておく。まだこんなお節介をする気だけは残っていることを見せておきたい・・・と気張ってみたら、印刷のできた葉書のコピーが、どうやっても送れなくなってしまった。この試みはまた今度にする。

食事と洗濯が、毎日の仕事になってくる。　二人とも病人なのだが、寝てばかりはいられない。生きて行くために、毎日の仕事にも追われる。

　お天気によって、洗濯物の処置にも目を向けなければならない。大分今までの僕の生活とは変わってきている。生き甲斐はあるが、体が疲れる。和子は、まだ働ける体にはなって居ない。でも僕だけが、動けば良い訳ではない。当人の動きが重要になる。自分が病人で居られた頃とは、状況が全く変わっている。
　この頃は、和子のために用意した補聴器も，もっぱら僕が使用している。騒音がかなり混じるので、決して使い心地は良くないが、「無いよりはマシ」と言う所か。
　この状況の中で、和子は、まだコーラスやカラオケに参加したいと願っている。世話人から降りたくはないらしい。まあ元気になってからは何をしても良いが、まだ不安で仕方がない。第一、声が出ないのではないかと思う。補聴器も、こうした趣味に必要だと言って用意したのだ。前の様に飛び回っているのなら、何をしても良いのだが・・・。

変わりやすい快晴が続く

　５月に入り、和子の自宅投薬生活が始まった。かなり多い種類の薬を飲むので、１週間７日のスケジュール、そして朝昼晩３食後に飲む薬の種類を明確に分類し、投薬計画を小袋に区分して、壁にかけている。少ない時は２種類で済むが、そんなのは１日だけだ。多い時には８種類くらいの薬が体に入る。和子は神経質に、その一つ一つが、何に効く薬なのかを、知りたがる。自分の行為を意味づけたいと言う、情熱なのだろう。結構な欲求だと、僕は思う。しかし大変な仕事になるだろう。薬の一つ一つにカタカナの長い名前がついている。今の僕には所詮覚えられない。
　毎日、薬を特定化する入れ物は、徹がどこかから見つけてきた。そのポケットに該当薬を分類してセットするのは、潤がやってくれた。相当時間をかけて正確に、分類できたようだ。それを正確に服用するのに、僕ら二人はあたふたしている。