５月３１日（月）快晴、強風、真夏の暑さ
第５月曜日でゴミ捨てはお休み。真っ青な空。真夏日である。午前中に観る会の会費の納入袋を団地内に配る。３日（木）の事務書の留守番の時に納入の予定。６月からFさんのご主人が正式入会。Nさんが退会して入れ替わる形を取る。これでも２０名は維持している。予告のあったFさんの推薦する人が入ってくれれば、Nagaが居た頃の２１人に戻るのだが。閑古に電話して、観劇日を６日と７日のどちらにするかを確かめたら、７日（火）とのこと。なるべくこの日に揃えたいが、今回は小ホールなので第２志望まで聞いて、調整するようだ。この３ステージというのが配分が一番難しい。団地のKさんは昨日わざわざ会費を持参してくれた。元気そうな笑顔だった。
明日は友人のコンピューター･トラブルの助っ人に行くので朝早くから出かけるので、今日はのらくらと体を休めた。夜８時には帰って来て集会所の修繕委員会に出席しなければならない。一寸忙しいが仕方がない。
松村君の「偲ぶ会」の日程が決ったようだ。山口君から連絡が来た。昼間から大泉高校訪問まで計画している様だが、僕は夜にだけ参加の予定。西荻窪辺りになりそうだという。
５月３０日（日）晴れ、暑くなった
昨夜飲んだ後遺症は無さそうだ。和子は仲間と一緒に恒例のTOCに出かけて留守。所在なくPCに向かってあれこれ遊んでいた。ネットから取った画像を蔵衛門で編集して、久しぶりに音声を吹き込んだりして新ソフトを作り上げた。思いつきの悪戯ソフトだが、あらためて動かしてみると、なかなか迫力がある。へーえ、という感じ。所在無さの産物である。
ダービーをテレビ観戦。何と無理なローテーションだったキングカメハメハが優勝。市営出身での優勝は初めて、しかもコース・レコードだ。本命にしたコスモバルクは、調教に無理があった様で、パドックからイレてしまい、かかって前に行き過ぎて失速。２着はハーツクライ、３着はハイアーゲーム。これで夏競馬に入るので、予想遊びもしばらくはお休み。寂しい感じもあるが、金土日の時間利用を他に向けることにする。
山口君から、松村君の葬儀の様子を詳細に写真付きで知らせて来た。息子さんはまだ中学生のようだ。お父さんはまだお元気だという。これから奥さんが大変だろう。６月に入ったら、「偲ぶ会を開く」と言っているので、顔を出すつもり。息子に死なれた気分だ。
巨人が急に強くなって、この所５連勝している。ホームランもじゃんじゃん飛び出している。いつまで続くかが問題。中日に続いて同率の２位にまで上がって来た。
５月２９日（土）晴れ
午前中に「シミズビルライフケア」との大修繕に関する契約の立会い。昨日の飲み過ぎが原因で朝から下痢症状。だるいので立会いに参加するのがやっと。終了後の会食は遠慮して帰ることにした。Mさんがお弁当をくれたので、持ち帰る。家で遅い昼食。
午後三時半頃から、阿部さんの受賞記念の会に出向く。上井草から新青梅街道に出て、沿道にある「丸嶋」という二八蕎麦。大泉時代には人の車に同乗して昼食などに良く行った所。歩きで行くのは初めてだ。途中の花屋で真っ赤なニューギニア・インパチャンスを引き出物に購入する。２０人近くの参加者があった。司会進行を依頼されたので、なんとか務める。下痢は止まったが、ビールは避けた。皆さんからの話で阿部さんと「ひまわり子供文庫」活動の様子を浮き彫りにした。彼女の強力な個性を誰もが語っていた。８時半終了。記念撮影をして、散会。帰途上井草の駅で駅員とトラブッタが、無事帰宅。
５月２８日（金）晴れ、やや風がある
今日は松村の告別式だ。心から冥福を祈りたい。家庭の状況は、後で代表から聞けるだろう。
明日は、大修繕の契約立会いや阿部さん受賞記念の会など、忙しくなるので、今週の予想は「金鯱賞」と「ダービー」だけに絞る。ダービーはゆっくり家でテレビ観賞。これで夏競馬に舞台は移る。
ネットで見られるものも、一寸時間が経つと、すっかり画面が変わっていたりで、びっくりすることがある。なんだ、この程度か、と思っていたものが、見事な３D画面になっていたりで、一度ダウンロードしたものだけに頼っていると損をする。時々サーフィンを試みる必要がありそうだ。
和子の帰りがかなり遅かったので、巨人戦を観ながら、食べずに「トライアングル」飲み過ぎてしまった。遅い食事となり、本も読まずに寝てしまった。
５月２７日（木）概ね晴れ
２５日の西武球場で石井先生から、父君の生活史を”How old am
I!?"と題して豪華版の本に仕上げたのを戴いた。素晴らしい出来で、彼の編集能力、美的センスは見事な石井家の歴史を道標の様に仕上げた事になる。２年がかりの大仕事だったろう。彼のお孫さん達が高校生くらいになって読んでもらう事を目指して編集した様だ。日本の近代史でもあると思う。在職時代に滝沢先生が「親の語る現代史」？というのを生徒の作文をもとに編集していたのを思い出す。この大きな仕事の成果を僕にまで分けてくれた事に感謝して、しっかり読ませてもらうことにする。ある程度消化したら、大泉の「厚岸」辺りでゆっくり語りたいと思っている。
今日は上田で松村のお通夜、明日は告別式だ。意識がちぎれちぎれで纏まらない一日となる。みどり会会報が投函された。
５月２６日（水）晴れ
大泉高２８期の松村秀樹君が心臓病で亡くなったとの悲報が届く。同期の山口恭正君、近藤宏君から電話があった。明日お通夜、明後日告別式とのこと。長野県上田市で建築業を営んでいた。年賀状もきちんと届いていたのだが。若い人が先に、何とも無念。在学中のMKとの出来事。修学旅行復活運動、生徒会委員長としての活動など、想い出は鮮明。体も丈夫な生徒だったのに。子供は幾つになったのだろう。未だ４７～８歳だと思う。人生これからという時に。山口、近藤両君が明日長野に出向いてくれるとのこと。心から冥福を祈る。
立原の「血と砂」を読み終える。彼の作品の深刻さばかりが頭に在ったが、こんな「ふざけた」ものもあるんだ。初めは裏切られた感じだったが、何時の間にか好奇心でずんずんと読んでしまった。「読み物」としては当時面白がられたのではなかろうか。週刊文春の連載だったという。彼が４４歳くらいの作品だそうだ。でもこの後１０年しか生きなかったと思うともっと仕事をして欲しかったと思う。多少評価が寛容にもなった。次いで「夢は枯野を」に取りかかる。
修繕委員会の通知が入り、６月１日に会議があることになった。
５月２５日（火）久し振りの晴れ
午前中は専ら「血と砂」を読み進める。とんでもない男女の生活振りである。時間と暇を持て余し、遊びとセックスとに明け暮れる。充足の直後に倦怠を感じ、無意味を噛み締め、女を品物の様に売り買いする男たち。始めは知らない世界を物珍しく見物していたが、段々あほらしくなった。能とか剣道、謡曲そして女性観でも中世的な美意識に耽溺する一面のある木刀作り職人が金持ちグループとの接触の中で見せるこのような自堕落には、「追いこまれて行く必然性」と言ったリアリティが感じられず、立原の人工的世界が見えてくる。３分の３程読んで、Eさん主催の西武球場の会に参加する。
この所「絶対にネズミが入り込んでる」と主張する和子が、「ねずみ取りを仕掛けてくれ」と言うので、薬屋から接着剤使用のねずみ取りを買って来て、物置のようになっている奥の部屋とDKとの境に仕掛けて家を留守にした。飲んで騒いで野球見物の後、果たしてネズミが掛かっているかどうかを楽しみに帰って来た。１０時近くだった。僕には何故か絵で見るように貼りついているネズミの姿が思い描けた。いいだしっぺの和子は半信半疑で「そんなに上手く行くかな」という顔をしていたが、見事に子ネズミが一匹貼りついているのを発見。「気持悪いから直ぐ捨てて来い」と言い出す。明日は水曜日で生ゴミの日だからベランダに置いておこうと言ったのだが、了承しない。折り畳み固く包装して片隅に置かせてもらう事にした。久しく見た事のなかったネズミの姿をとっくりと観察した後処理をしたら急に酔いが廻り、疲れが出て、僕は寝てしまったが、和子は夜中３時ごろまで絨毯や衣類などをお湯拭きや洗濯で大騒ぎした様だ。僕の方は「またか」という感じで、白河夜船を決め込んだ。ひとつだけ今日の教訓は、食ったかどうかも分からない「殺鼠剤」等を使って、密かにネズミの死体を想像しているよりも、バネ仕掛けにしろ接着剤にしろはっきりと目に見える結果の方が気分的にすっきりするなと言う事。それにしても天井でネズミが運動会をしていた僕の子供時代のネズミのような大きなネズミにお目に掛かれなくなったのは心寂しい気がする。
５月２４日（月）曇り、一時雷雨の兆し
清張の「熱い空気」を読み終える。市原悦子の家政婦もののような作品だが、主人公にとっては悲劇的な終わりを見せる。度を越した「悪戯」に作者自らが天罰を加えるような結末である。雇い主の姑の耳に孫を使って損傷を与える代償として、自分も耳へ火矢を射込まれるという惨事を招く。女の意地の悪さをこれでもかとばかりに書き綴る作家の執念も凄い。立原の「血と砂」に入る。彼が４４歳の時の作品である。５４歳で亡くなる１０年前の作品のようだ。
夕方から桜台で「統一企画作品の対象」を「ねりま」のプランとして１２作品に絞った。９時に終了。時間も遅く、金もなく、真っ直ぐ帰る。家で「純」をちびちびやって寝る。
５月２３日（日）どんより曇り
空がどんよりと重ったるいが、夏競馬に移る前に府中の芝生が見たくなり、出かけることにした。今週が「オークス」、来週は「ダービー」となる。予め予想を楽しみ、馬券はちょっぴりのお楽しみと言う事で、和子の抵抗も少ない。ただ癪なのは、この頃めっきり「的中」の実績がなくなっている事だ。かすると言うのでもなく大きくぶれる。かなり自信がなくなって来た。今日も圧倒的人気１，４倍という武のダンスインザムードに多少の不安を感じたので、馬単が面白いと思ったのだが、さらにぶれてしまい、４着まで落ち込んでしまい完敗。軸の設定の失敗がこの頃の特徴なのだ。来週の「ダービー」で、舞台は夏競馬に移り、僕の方も秋になるまでしばらくはお休みとなる。
広がる芝生、曇り空とは言え中天は高い。気持良く、空想は大きく広がる。目を閉じて身を横たえるだけで、浮遊感を感じる。帰りは昨日と続くので、軽く一杯で帰る事にする。
５月２２日（土）曇り
台風が去ったのに、空はどんより、一向に日が差さない。午後になって、明日の日曜日用のビデオを借りに図書館本館に出向く。これは「運動」でもある。約１時間は歩きっぱなしになる。黒澤の作品を２本借りて来た。「用心棒」を半分ほど見たが、相変わらず面白い。ストーリーが面白いだけではなく、常に事態の本質をついていることと、その表現がワンカットずつ的確に組み合わされている事、場面の動的な流れが一層魅力を加えている。それは「７人の侍」に集約的に現れていると言えるだろう。しかしこの作品もなかなかの出来栄えだ。
「目黒記念」の予想の敗北を確認した後、修繕委員会の資料に目を通す。和子は留守で、用意はしてあったが７時前には夕食に手をつけなかったので、そのまま管理事務所の委員会に参加した。新年度最初の委員会である。Ｍさんが委員長になり、今までのＮさんは管理組合の理事長としての参加になる。いよいよ「シミズ・ライフ・ケア」と本契約を結び、契約書を交わして、工期に入る。その内容を再点検したが、纏められた分厚い冊子の内容について、途中変更の部分に不明確な部分があることが指摘され、「変更」を明確にした文書を付加することにする。さらに今後の委員会の活動内容と日程、必要な参加人員などを確認する。
終了後、今後一年ご苦労を願うからという意味で、飲み物が出され、乾杯。例によって書類を置いたまま帰ってしまうほど酔って帰宅する。
５月２１日（金）曇り後台風一過、暑くなる
疲れていて寝坊。危険物も捨て忘れ。成長の「事件」の２作目を読み始める。書き出しはテンポがいい、どんどん踏みこんで行く。でも途中で老人会の時間となる。例によってカラオケの皆さんと演歌の世界に入りこむ。相変わらずこれしか知らない数曲を巡って空廻り、でも結構いい点数が出たりするから不思議だ。とにかく皆さんのてパートリーの広さといったらない。何でも歌うのだからびっくりだ。いつまでたっても「白い花の咲く頃」で始まり、数曲を経て、「津軽海峡・冬景色」で終る僕とは違う。でも声を出す事だけでも気持がいい。
帰って来て、明日の目黒記念、明後日の「オークス」の予想に備える。多少はスリルも味わいたくて干上がった通帳に少しだけ補給しておいた。目黒は荒れる。オークスは多分「ムード」で決りだろう。二番手で荒れるかもしれない。これからソフトを駆使して予想を試みる。
カラオケの仲間の一人Mさんと「オークス」の話をしたら、次男坊さんが馬吉だとかで、作っているHPも紹介してもらった。それやこれやでMさんにメールを出してみたが、何故か戻って来る。まあいい。ゆっくりとやろう。次男坊さんのHPは相当な馬吉さんである事を物語っている。
週末を楽しく過ごしたい。
５月２０日（木）雨、台風接近、関東に上陸の危険も
台風が列島の南海上を通過。進路が北寄りになると関東をかすめるか、微かに上陸。そんな情報を聞きながら、立原の短編集「埋火」を読み上げる。後からこれが生前最後の作品集だと知る。超短編７編で、私小説めいたものが多い。やはり「枯れ」を感じさせる。「なまぐささ」との共存の様に見える彼の人生観は、内向して戦い、為す術もなく受け入れて傷つき、「見えるものを均して（ナラシテ）見える」心境に近寄る、つまりは「枯れたい」らしいのだが、これは「なまぐささ」が燃え尽きた果ての「灰」ではないのか。そんな感じがしてきた。仏教的なのか、しかし彼の作品には良く教会が出て来るのだが。この際少しいろいろと同じようなテーマを読んで見ようと思っている。大岡昇平や井上靖のものも射程に入れておきたい。
台風が近付いているというのに雨の中、入間のマルチ映画館に出かけ、邦画「死に花」と「オーシャン・オブ・ファイア」とを連荘で観て来た。幸い雨は酷くはならなかった。「死に花」は映画界のロートル総動員で「お遊び」を兼ねて、餓鬼がえりした腕白老人のいたちッ屁みたいな映画だと思っていたが、何となんと、これはなかなかの傑作である。プロットには無理もあるが、コメディと思えば充分に許せる。介護時代と言われる現代に向かって放たれた大きな一発だ。銀行破りの描写も実にリアルだし、銀行の建物が台風襲来で本当に倒壊する場面も迫力がある。いたるところに出て来る年よりの悪足掻きも元気を涌き起こすのに役立つだろう。「オーシャン・オブ・ファイア」はスマートで快速なサラーブレッドだけが競走馬と持っている馬好きには是非観てもらいたい。何日間も掛けて砂漠の中を突っ走る逞しい耐久力のあるその上で快速を持つ事を要求される競走（もともとイスラム系部族の金と誇りを賭けた大レース）を見たら、腰を抜かすのではないか。アラブ系の馬の血統なのだろうから、やれダービーだ、ステイヤーの競走だなんてもんじゃない。レースの途中には部族ごとの抗争から、命を賭けた駆け引きが絡んでくる。砂漠の中の砂嵐、蝗の大群の襲来が次々と押し寄せてくる。最後に題名と同じ名前を持つ「オーシャン・オブ・ファイア」が勝って、傷だらけのこの馬を撫でてやりたくなる。美しい馬の大群の疾走も見られる。人間に信頼と愛を寄せる馬の姿も半端ではない。今日は二本とも大当たりだと満足。
５月１９日（水）曇り時々雨、一時雷雨
朝寝坊。ポリゴミの時間が過ぎてしまった。メールを開けると事務局から「私生活」のまとめアンケートを首都圏の方に出すので宜しくとある。そうだ、用紙を渡されていたんだ。探し出して質問を見る。実は今日の観劇の後、文化センターに寄って渡そうと思っていたのだが、その前に送信するのだというので、１２時に恵比寿まで出かける時間ぎりぎりまでかけて原稿を作り添付する。駆け付けたお芝居「もやしの唄」は、最近足元の浮き上がった上演が多い中で、もう一度見直そう、という気持の溢れたリアルな作品だった。時代がガンガンと変わって行く中で、もやしの心の音を聞きながら、もやし作りを続けている男の話。その周辺に生活する人々に様々な面で影響を与えてきたが、歯車は大きく生産構造を変え、人間を悩ませ、変化に順応させ、やがて手作りのもやし屋は消えて行く。必然と感じながらも人々の心には、人間として本当に必要な変化なのだろうかという影を落としながら、時代の歯車は廻って行く。
まだ練習不足で、独特なリズムを持つセリフの流れが完成していない。暗転を頻繁に使う場面の繋ぎのテンポもスムーズとは言えない。この芝居良く出来るかどうかは、翻訳物のコメディを棚に上げて、方向転換をしたテアトルエコーが、その転換の根拠をどこに置いたのかその腹の据え方に係わっているのではなかろうか。前回の「まちのものがたり」の印象も踏まえて考え込んだ。
帰りに練馬で降りて、「小栗判官・・・」のサークル会に参加しようと思っていたが、やや疲れも感じたし、アンケートの用も足りたので、帰らせてもらうことにした。外は雷雨になって、雨はしばらく続いていた。時ならぬ台風の接近が報じられている。
５月１８日（火）曇りがち
今日は和子もコーラスとその後の計画で外出。僕も二つの会議と打ち合わせで外回りで一日終わってしまった。８時過ぎには帰宅。会議の中味よりも、電車の中で読んだ立原正秋の小説の中身について考え込んでしまった。男と女の執着について、この年になって考えていなかった面があったようだ。でも幸福と不幸の裏表のような部分であり、知る事なく一生を終えてしまう人も多いのだろう。僕の一生はまだ終わってはいない。
５月１７日（月）晴れたり曇ったり
ビン・カン・ペットの日。朝、俄かまとめで捨てる。８時近かったか。その後、主に小説を読み耽った。立原の短編集を読み終える。記憶にあった印象をまた塗り替えるものを感じている。きっと僕の方が変わっているのだろう。性愛の捉え方にしても渡邊淳一郎とは違う厳しさを感じる。贅沢をして遊び回る男女の充足とは違う人間の悲劇的な要素をしっかりと踏まえている。崖っぷちに立つ欲望という本質を押さえているように感じられる。もう少し読んでみたい。手元にはないので、清張の「事件」を読み始めた。これまた良いリズムでどんどん飛ばしている。ただ後半もたつきがあって感心しない。表から攻めるうちは良かったが、探偵社社長が裏側から攻め始めたら、流れが澱んで、実は犯罪の主導権は探偵にあったという落ちは戴けない。ベランダが今や花盛り。和子まで水を遣り出した。任せておく。
MLの留さんの誕生日。お祝いのメールを送る。体調の悪い人が出て来ているので心配だ。
明日は状況変化で、急遽出かけることになった。
５月１６日（日）小雨後曇り
起き抜けに朝風呂に浸かった。昨夜入らなかったので汗っぽく気分が悪かった。鞄を開けて見ると結構立派な白木屋のお品書きが２冊も出て来た。経緯を全く覚えていないので、何故これが鞄に入っているのかが全く分からない。僕にはこうした趣味はなかった筈。返しに行くのも変だし保管してあるが安くて美味しそうな料理の写真がズラリと並んでいる。今となっては食べたいものばかりだ。
管理事務所から電話があり、新理事長が僕の時代に在った給水塔の頂上から水が溢れた事故について状況を知りたいとの事だった。事務所に出向き説明する。給水２４時間管理体制の再検討をするようだ。Oさんに今年はツツジの花が返り咲いた件を伝えたら、今度のニュースで写真を載せて回覧するとの事だった。高木を伐採、剪定して日当りがずっと良くなったためであろう。芝生の剥げた所までかなりの回復が見られる。
劇団朋友から朗読のワークショップの宣伝、宮部の「R.P.G」劇化のお知らせと同時に、前回のワークショップの練習風景、発表会の様子のビデオが送られて来た。まだ観てないが良い記念になる。
「斬る」を観賞。ストーリーはどうと言う事はないが、市川雷蔵の初々しさと凛々しさは、雷蔵ファンには応えられない作品だろう。それと広い武家屋敷の畳の大広間や茶室、庭の風景や花、鶯の声などのストーリーのバックになっているものの影響か、実に静かな空間での「斬る」という行為が、一種特有な美意識を構成している。監督の意図かもしれない。立川の短編州「永い夜」の３作目「曠野」（あらの）を読む。僕だったらタイトルを「三面鏡」とでもしたかも知れない。鏡の右の面に自分の夫、左の面に夫以外の親密な関係に在る男、二人の間に挟まれて暗く澱んで映る自分の姿。この女の内面は極めて複雑で、二人の男を嫉妬で狂わせるような生き方をしている。愛されているのは確かだが、愛しているのかどうかを定かには自覚できない女なのだ。何人とセックスをしても、それは愛には繋がっては行かない。この世界には、特殊なリアリティが感じられる。夜は「双頭の蛇」へと読み進む。
５月１５日（土）
朝道路が濡れていても晴れ、後時々曇り
総会準備のために１１時には家を出る。中村橋のサンライフ練馬。一階ロビーにはまだ誰も着ていなかった。ほどなく石井さんが現れ、順々に顔触れが揃った。新人では時崎さんが欠席。松戸の小野さんの顔も見える。手分けしてお茶屋お菓子の購入、会場の机椅子の準備。参加者人数が心配だったが、去年の雨の総会までは届かなかったが、何とか４０名近くにはなった。講師の仮面劇の話、小栗判官と照手姫の話も大変面白かった。横浜ボートシアターの遠藤さんの話術には魅了された。実際にマスクを持ってきての説明だったので、皆の関心も深まり、自分で被ってみる人も居た。カメラを忘れて行ったので、自分のカメラには収められなかったのが残念。話は１時間を超え、総会の議事に障らないかと心配したが、何とか５時には机椅子も片付いた。明さんが、外の芝生でビールでも飲んで短時間参加者の歓談にしようという提案がされたが、時間的に遅くなっていたのと、ベンチや石段に既に先客がいたので、近くのレストランで打ち上げようと言う事になり、中村橋駅近くのベルディで乾杯。総勢１５名が参加した。総会の進行中に運営委員候補が二人でき、打ち上げでも昼の部を復活させて３ないし４人位で発足させられないかという話をAさんやS子さんとする。実現するかもしれない。２０人体制を作るステップとして一先ず１４～５人の委員会は作れそうだ。
時間が経ち、席を離れる人も出てきたので、飲み足りない人で二次会をやりに白木屋へ行く。後はもう例によってしどろもどろ。小手指のベンチで電車の到着を大分待った記憶がある。でも帰りの最終バスに間に合い、乗り込むと何と和子とOさんが居るではないか。時間を見計らって帰途に就いたらしい。記録も何も放り出して、風呂も省略してバタンQ。
５月１４日（金）朝地面は濡れていて、曇り時々陽射し
昨夜遅くまで立原の小説を読んでいたせいか、起きた時間の割りには少し眠い。立原の文章の印象が甦ってきて、懐かしい。「滅びの美学」のようなものを感じる。しかし上流であろうと下層であろうとそこに生きる人間の内部の「無頼」の局面を良く捉えていたように思う。これを読み続けるかどうかはまだ不明。何せ東野も沢山溜まっている。「殺人狂時代」を見る。もう昔の事なので筋もうろ覚えだったが、終わり間際にはっきりと記憶が甦って来た。イラク戦争の時代にも見事にその風刺性は生きている。
土日がやってくるが、明日は「総会」、明後日はいるが、予想だけはばっちりと習慣づけようと思い、「馬トモ」を中心に狙いを定めてみた。仲間のグループにも情報を送る。主に予想を楽しんでいる人達だから気が楽だ。明日はレースは観ていられない。
何でもいいから、集中することで散漫な不安から逃れたい。
５月１３日（木）曇り後晴れ
幾つか用事も頼まれたが、午前中に図書館（入間）へ返しそびれていた「蕨野行」を返しに行き、まだ読まねばならない本が溜まっていると言うのに、ビデオ二本、本二冊を借りて来てしまった。ビデオはチャップリンの「殺人狂時代」と市川雷蔵の「斬る」。イラクでの米軍の組織的残虐行為とそれへの報復として、拉致した人間の斬首など、血が血を呼ぶ状況の中で、とっくの昔に組織的戦争が人間を獣性へと疎外して行く必然性を描いているのを思い出してもう一度観たくなった。「斬る」は円月殺法の元祖だと読んで観たくなった。本は清張の「事故」と、立原正秋の「永い夜」。立原は昔読んでいた作家で剣道の達者な朝鮮の人という記憶がある。男女の心情を濃厚に描く作家だった。いずれも衝動的な選択に過ぎない。未読の東野の作品が沢山溜まっているのだから、精を出さねばなるまい。
ドラマや野球も観たが、１５日の「総会」の議案説明の準備が心配になって、内容の下書きを作って見た。資料を読み上げるような説明はしたくないので、端的に現段階での問題点を並べる形で、結果として資料にも触れているというようなものにしたい。何とかなりそうだ。後は会計内容の熟知が必要だろう。体調は持ち直しそうだ。最近の気持の持ち方が不安定なせいかもしれない。
５月１２日（水）晴れ
たっぷり眠れて目覚めたのが８時過ぎ。慌ててポリ系のゴミを纏めた。ゴミ置場のゴミの量が異常なくらいに多い。ポリのゴミは一向に少なくならない。ごみ袋を持って外に出ると、何故かふらっとバランスが崩れる。帰りに足を踏みしめるようにしてみるが、ややだるさを感じるだけで特に異常はない。時折空が落ちて来そうな気分になる。
武さんからメールが来ていて、阿部さんが文化活動で表彰されたので、周辺の会員さん達で祝いの会を企画したので出て欲しいと要請があったとか。男性は武と僕だけとの事。彼は大いに照れ臭がっていた。二人になっても事態は変わらないのに。
図書館への返却はまた先延ばしになってしまった。北大路の「介護に纏わる事件８」を観て、めそめそしていたのだが、友人に「介護の経験がない人ほど安易に泣く」と言われ、甘いだけのセンチメンタリズムなのかと、自分の感情アンテナに自信がなくなる。
明日あたりは図書館はどうしても行くが、総会の「報告」の内容を固めておきたい。訴える事、協力をお願いする事、現状の問題点を明確に説明したい。
ＭＬには新ちゃんのくだけたメールが入ったが、ロムがちの人達の声も聞きたい。
５月１１日（火）晴れ
菅が民主党代表を辞任。替わりに誰が出てくるのか、恐らくは岡田であろう。小沢は火中の栗を拾うような事は避けるだろう。３党の合意案で菅が何故妥協したかは僕にも分からない。「未納３兄弟」の時点では、チャラにして審議をやり直すという要求も重みを持ったが、野党党首のミス、社民党にも共産党にも同類が見つかるに伴って、喧嘩がし辛くなったのが、菅の腰砕けの原因だろう。先送りになった「一元化努力」付帯事項のみが成果だと言えるのだろうか。民主党のイメージダウンは結局自民党の破局的局面を救うことになる。残念でならない。
イラク刑務所での虐待の発覚にブッシュもブレアも頭を下げているが、これは「不届きな一部のものの行為であり恥ずべき好意である」と姿勢で、この戦争へと導いた自らの責任を国民の目から隠そうとしている。謝罪が本質を覆い隠す現象が洋の東西で政治を覆っている。本当に謝るなら腹でも切れといいたい。自衛隊の行っているイラクのサマワでオランダ軍への武装攻撃が始まった。いずれ矛先が日本にも向かって来るだろう。
ＭＬに２通メールを書いた。久し振りなので少し照れ臭い。図書館に「蕨野行」を返してないので、行こうと思ったが、明日に伸ばす。期限は過ぎているが、蒸し暑くなって気分が優れない。
「シミュレーション２」にもデータのセットアップを試みたが、今度は意外にもすんなりと完了したので、唖然としている。あんなにも大変だったの、扱いが間違っていたのだろうか、それとも今回のにどっか抜けが在るのだろうか。巨人は阪神に捻られた。
５月１０日（月）朝のうち小雨、後曇り
８時頃目が覚め、慌てて古新聞を束ね、捨てる予定の衣類とダンボールと共に、ゴミ置場に運ぶ。９時になるのを待ちかねて、郵便局へ出かけ、ジェットプリンター用の葉書を５０枚購入。持ち帰って直ぐプリント作業に入る。宛書はともかく文面はファイン紙扱いなので、結構時間が掛かり、投函できたのは
１１時半近く。辛うじて午前中に出せたことになる。でもこれで明日には皆の手に渡るだろう。
テレビは、菅さんの辞任問題とイラクでの米軍の虐待問題がしきりだが、年金そのものやイラク戦争そのものの影が薄れている。責任とって辞めれば良いのか、先に辞めた方が誠実なのか、阿呆な議論である。残虐行為がなければ戦争しても良いのか。ブッシュのブレアもＴＶで謝罪し、非人道的な行為は極一部のものの不始末であり、責任者は処罰する、を繰り返している。戦争そのものが非人道的であったのではないのか。こうして本質がどんどん背後に隠れてしまい、憲法改悪、自衛隊の軍事行動の正当化へと流されて行く。その流れのリーダーシップを取るために、つまり夏の選挙へ向けての駆け引きだけで時局が動いているに過ぎないのだ。
この頃は空しい時間の流れだけが音を立てて過ぎ去り、視点の置き所をしっかりと据えないと、何もせずに人生が終わってしまうような不安に駆られる。明日もまた同じに過ぎて行くのだろうか。
５月９日（日）雨
朝から降り出した雨は午後になって、ＮＨＫマイルＣのスタートの頃には本降りとなった。そのせいか武のシーキングザダイヤは着外に敗れ、キングカメハメハが圧勝した。この馬の逞しい脚さばきとその俊敏な動きには驚嘆した。調教師が狙っている夢「マイル戦とダービーの両方を制覇したい。」が実現するかもしれないと思った。血統の壁を安易に認めたがらない調教師の意地なのだろう。誰にも生き方の「意地」というものがあるんだなと思う。一人一人に。
早朝から「小栗判官・照手姫」チームの通知葉書のレイアウトと名簿の入力を済ませてしまう。明日一番で郵便局に行き、ジェットプリンター用の葉書を購入し、４５枚ほどのプリントを済ませて直ぐ郵送するつもり。火曜日には皆の手元に着くことになる。
午後は雨の府中で行われたＮＨＫマイルＣをテレビ観戦。軸にしたシーキングとタイキバカラは途中で失速してしまった。カメハメハの圧勝である。結果は「馬トモ２」の印通りであった。素直に決断しなかったツケが廻ってきた。バカラは所詮まだガキであった。カメハメハの成長には素晴らしいものがある。
今日はカミサンが書道に出かけている間のんびりとテレビ三昧で過ごした。ＭＬでは専ら「ヨン様」が話題になっているようだ。しがらみの中の精神的濃厚さへの郷愁であろう。少しずつ消え去るものへの一種のセンチメンタリズムかもしれない。いや、決して悪い事ではない。
５月８日（土）晴れ
また「馬吉」のデータ入れを試みたが、どうにも時間が掛かり、途中でストップしてしまったり、思うように進行しない。平行して使える機能しか利用できない。インターネットの一部やメール、ＨＰビルダーなどが動かなくなる時もある。画面が色替わりして、登録がストップ状態になることもある。このソフトが一番手に追えない。そんな状態の中「京都新聞杯」が行われた。これは３連複まで本命筋で決り、的中はしたが、オッズ上の歓喜はまるでなし。明日は「ＮＨＫマイルＣ」。人気はアンカツの「キングカメハメハ」と、武の「シーキングザダイヤ」が分け合うだろうが、１６００Ｍという特殊性があるので、マイラー適性のある馬が割って入る可能性が充分ある。その候補も多く、「コスモサンビーム」「ナイストップボーイ」「タイキバカラ」「ハートランドカフェ」などがいる。興味深いレースとなろう。
観る会のＩさんから電話が入り、「照手姫」の運営サークル会の案内葉書の原稿がファックスで送られて来た。それとサークル代表４１人の住所録を用意しなければならないので、一時データ登録は中止する。このソフトは無料で使えるのだが、こんなに苦労するとは思わなかった。
夕方ジャスコに出かけて、夏向きの焼酎として新発売された「サザン」という、二階堂よりやや高めの焼酎を買って来て飲んでみた。オンザロックにするとなかなかの美味。安い甲類の焼酎に替えようと思っていた所に、こんな物が現れて困ったものだ。
５月７日（金）晴れ
昼間みどり会のカラオケ会に顔を出す。管理組合の理事長をやっていた時の会計さんだったＴさんがメンバーになった。Ｈさんも出席し、賑わっていた。常連のＭさんが見えなかったがその分の埋め合わせはついていたようだ。
夕方からは、江平さんのお世話の「西武球場の会」に出かける。歯が疼いていてどこへ行ってもお菓子や食物が食べ難いので、ここでも飲んでばかりいた。当然のように酔いは廻る。皆さんお元気なようだが、隆さんの姿が見えない。その代わりにマコトさんが元気そうだった。久し振りだ。帰宅すると入浴の元気もなく、ベッドに入る。
５月６日（木）曇りがち
観る会運営委員会。友人と短時間打ち合わせを行った後、資料の整理や考えをまとめるために早めに事務所に出向く。総会のための仕事分担。議案書の内容、特に決算、予算案などの中味の検討。改築中ＩＭＡホールに３ステージは適当かどうか。１９００と会員数を踏んでおきながら、１７００程度のキャパしか用意できないのは、会員を増やそうという動きと矛盾しないか、退会者がさらに増えてしまうと言った点が指摘されたが、４ステージにするには予算の裏づけをするのが困難。７例会決算書での赤字印象の中で、各項目増額の予算案が提案される訳で、誤解を招き易い状況にある。特に事務局の人件費増は理解が得られるかといった問題点が出されている。結局、この予算案の線で２００４年度を進めながら、改築年へ向けての問題点に具体的に対処して行くことを条件に了承された。非常に苦しいが何とか２００５年を乗り切らなければならないだろう。新文化センターがお目見えする頃、この会の顔がどのようになっているか。そこに焦点を据える必要がある。
かなりの激論の後、珍しくメンバーがほぼ揃って養老に出かけた。時間的に遅くなったが、１１時近くまで懇談。Ｍさんの田舎のお土産、取りたてを湯がいた「筍」を二パックも戴き帰途につく。
５月５日（水）曇り朝のうち雨
歯が辛いのと体がだるいのとで、本を読もうとすると眠気が来て、トロトロしてしまう。うじうじしていても所在無いので、パソコンにはデータ登録をやらせながら、テレビ版の「赤い月」と「釣り馬鹿」をビデオにセットして、入間市に「コールドマウンテン」を観に行った。これが素晴らしい出来で、立派な反戦映画になっている。南北戦争がバックになっているが、寒村に転地を兼ねてやってきたお金持ちのお嬢様と土地の労働者との純朴熱烈なラブストーリーだが、男は別れのキス一つを想い出に抱いて、連邦を脱退して北軍と戦うために出征して行く。以後地獄のような戦争体験を経て、負傷したのをきっかけに戦場を脱走して、苦難の道のりを故郷へと死の危険を何度も冒して、彼女の元へと戻って行く。綺麗事ではこれほどのリアリティは保てない。男は死ぬが、清々しい結末を迎える。この作品は、国家の枠内の秩序で戦争が引き起こされるが、その中の生には人間的な退廃がもたらされる。男はぎりぎりそれとの戦いに賭けて女の元を目指すが、死の結末にもかかわらず新たな生をもたらす。国の秩序を離れ、脱走兵となる事で個人としての愛の執着に支えられ、生きる事の意味を証明する。立派な反戦映画になっているという所以である。イラクにもこのような状況が数多く繰り返されているのだろうと思うと、現代的なアピールとしても重みを持ってくる。演技的にはルビー役の女優さんが光っていたように思う。生活的な強さと熱い優しさを自分の個性を活かして充分に表現している。さらにカメラの美しさ、フィルム編集の巧みさが力強い支えとなっている。
今日は端午の節句。いつものように菖蒲湯を沸かす。ゆったりと浸かっていると歯の痛みも和らぐ。菖蒲の上側の葉を剥がして、笛の様に吹くと薄皮の部分が振動して「ピーピー」と音を立てる。菖蒲の濡れた緑に目が休まり、少年時代の思い出が湯気の中に揺らぐ。
５月４日（火）曇り、夕方一時雨
不安定な天候に変わった。明日も雨が残りそう。今朝「ターゲット」のフル・データ・セットが終わっていた。これで後はＪＲＡの無料ソフト「馬吉」だけが途中になっている。これはゆっくりやることにする。殆ど保存と分析資料に使うだけだから、『ターゲット』もあることだし、急ぐ必要はない。３日間も書けずにいた「たそがれ」やメールの返事などを書き足す。
松本清張のドラマ「家紋」を観る。重厚な作品になっている。業の強い住職の犯罪の物語。暗い話だが、住職自身も鬼になるまでは普通の弱い人間として描かれており、リアリティは充分に感じられる。同じ時間帯の他のサスペンスものなどとは出来が違う。ビデオに撮ったものを後から観たのだが、すべて途中で観るのを止めてしまった。
先週の「馬トモ２」の予想結果と実際とを比べてみると、印の重さと実際の「着」とに類似した法則性が見つかりそうで興味深かった。もう少しの間観測を続けて見よう。
巨人は横浜に負ける。連勝を続けられないために下位からなかなか上がれないでいる。阪神が再びトップに立っている。痛い歯、ぐらぐらする歯に耐えながら、夕食を時間をかけて食べ、歯に掛かる負担に耐えて見ているせいか、一層惨めな試合に思えてくる。
子供の日の行事にやる恒例の「大凧揚げ」の重量１トンの大凧が強風で壊れ墜落し、怪我人が出たようだ。明日は端午の節句、菖蒲湯が楽しみだ。
５月３日（月）曇り、時折ぱらつく
出かける所もなく、例会の時にＦさんから戴いた品川プリンスホテル・エンタメバーでの「アルゼンチンタンゴとフラメンコの出会い」を謳ったショーの招待券があったので、和子とそれを観に出かけることにした。ダンスやラテンは苦手な僕だが、勉強のつもりで観に行く事にした。そのついでに憲法記念日に因んで開かれる日比谷野音での「９条を守れ、イラクから自衛隊の撤兵を」の集会に参加。イタリアや韓国からも市民活動家が参加し、「平和憲法を変えるのではなく、世界に広げよう。」「国家の連合ではない、各国市民の『国連』を作ろう」という呼びかけがあった。外国のデモの規模を聞くといかに日本では市民のアピール力が影をひそめてしまってるかが実感される。いろんな思いつきや不安が頭の中を過る思いで、デモには参加できず、品川に向かう。
ホテルの苦手な僕だから、デイナー・ショーみたいな場所は居心地が悪いなと思っていたが、招待券は「バルコニー」という２階の席で、エプロンのような所。食事を取らずに観る事も出来る所だったのでほっとする。待ち時間に生ビールを飲んでいたので、バルコニーでは専らフラメンコとタンゴの競演とでも言うような熱っぽい強烈なダンスに５０分間目を見張っていた。性的な情熱がこのように躊躇いもなく、表現される文化に違和感と多少の羨望を感じながら会場を出た。
早い時間に池袋まで戻れたので、「天狗」にでも行って見ようと、大衆酒場は余り好きでない和子を無理に誘って立ち寄ってみた。夕食替わりのつもりだ。やはり僕にはホテルより落ち着く。さてこれで連休も半ばを越えたことになる。
５月２日（日）晴れ時々曇り
気温がやや低めに変化した。外も陽射しの中以外は左程暑くない。３０日に返し損なったビデオと読み終わった「硫黄谷心中」を下の図書館に返却し、その足で府中に出かける。天皇賞を大画面で観ながら芝生で昼寝がしたくなった。４強の勝負と言われていたが、イングランディーレの大逃げが成功し、２着に入ったのが４強では一番人気のなかったゼンノロブロイだけ。歴史的な大穴となったようだ。芝生で楽しい夢を見た。予想は外れ、「懐」は一向に暖まらないが、大地の膝枕で見る夢はこよなく優しい。
女性同伴のＴさんと出会い、帰りに途中の店で軽く一杯やった。予定よりかなり遅くなり、和子が少しお冠か。俺なりの連休の過ごし方がしたいだけ。
５月１日（土）
晴れ
メーデーだが、今年は既に先月の２９日に連合主催で終わっている。労働運動の停滞は過去の歴史に拘ることも忘れさせている。
僕もすべて忘れて青葉賞の予想と観戦と決め込んだ。フルデータアップした新ソフトを試す意味でも意味がある。レベルの高いレースになったので、本命が決めきれず、ソフトの印を無視して予想したが、人気のシェルゲームは３着どまり、もう１頭の人気馬ハイアーゲームが勝った。２着はホウキパウエーブ。割りに固い結果となったが、僕が推したダークマターは６着。ソフトの印は×印。因みに連に絡んだ馬の印はともに白三角だった。パソコンは依然過酷な仕事を課せられており、「ターゲット」がフル登録を目指して夜も眠らず頑張っている。
４月３０日（金）晴れ、緑がどんどん濃くなる
やっと「馬トモ２」のデータ登録が完了して、ソフトが完璧に使えるようになった。これで「ＳＵＰＥＲＴＯＵＭＡ」と２つのソフトは完成。一つを完成させるのに述べ３日は掛かっている。僕のパソコンの能力では仕方ないのだろう。後はＴＡＲＧＥＴと馬吉という二つのデータ分析ソフトが未完になっているが、これはゆっくりやることにする。明日は「青葉賞」（ダービートライアル）が日曜には春の天皇賞がある。久し振りに取り組んでみたい。
尿酸の薬が切れ、沢田医院へ行き、ついでに図書館に寄ったが月末で休館だった。ビデオの返却は明日になる。澤田さんで左足の痺れについて意見を聞いたが、「血行不良」だろうとの事。温める、マッサージ、足先の屈伸運動で刺激する、足首を締め付けるような靴は避ける、極端に歩き過ぎないなどアドバイスを受けたが、最近そのような靴を買ったばかりだ。山歩きそのものは悪くないから、その後の対応をしっかりやるように言われた。
郵便局で観る会の会費を下ろす。５月分納入の準備だ。
パソコンを動かしながら、小説を読み進んだ。村田喜代子の「硫黄谷心中」を読み終え、東野の「分身」も読了に近付いている。前者は「蕨野行」のイメージが残っているせいか、この作者が「死」の問題に極めて拘っているのが分かる。硫黄のガスが立ち込める地獄谷の岩肌の描写の様に重い文体が特徴だ。初めは読み難かったが、段々にその世界に慣れて来ると、文章にも好感が持てるようになった。
「分身」は長編であり、体外受精がらみの犯罪という意外な展開にあっけに取られながらの読み進みなので、いささかまだるっこい。ストーリー展開に無用の澱みも感じている。会話の中でのストーリー展開が余り成功していないように感じられる。
４月２９日（木）晴れ
今日は夕方から、池上本門寺の五重塔脇での「黒テント」の「三文オペラ」を観に出かけた。和子も観劇を熱望したので、練馬で他の仲間と合流した。１２名。歌の多い「オペラ」だし、アングラぽいテントものなので、僕自身はどうかなという気持だったが、役者が思ったより揃っていたので、どうにか楽しめた。ただ遠くて終演が１０時過ぎになって、何処にも寄れず、空腹のまま終電にやっと間に合うという状況。桟敷で座っての観劇も腰に辛いものがあった。歩いて帰り一杯飲んだらもう１時。パソコンが一人で働き続けている。
４月２８日（水）晴れ、まだ風強し
二日間の活躍？で体があちこち痛い。疲れが出て今日は一日のんびりと過ごす。主にパソコンのデータ登録で手一杯。折角入れたデータを失ってしまったので、また入れ直しに莫大な時間が掛かっている。馬鹿らしくも思うが、完璧に登録が済んだものを使いたいし、そうしないと威力も発揮できない筈。それにしても余りに時間が掛かるし、パソコンの性能のせいもあって登録が途中でシャットダウンしてしまったり、後戻りしたりで、なかなか先に進まない。当分はこれが続くだろう。パソコンとの連休になりそうだ。
４月２７日（火）雨になる、強風吹く
アンネの日記、第２日。練馬で預金を下ろしたり、ワンデーパスを購入したりしてから、会場へ向かう。もうホールでの準備活動が始まっていた。Ｏさんが指揮を取っていた。昼間の公演に参加の一味諸氏が元気な顔を見せてくれた。夜から変更したＯＧさんがぎりぎりに現れた。ダブルキャストの３人が今日は入れ替わるので、比べたい気持もあって、もう一度観劇してしまった。アンネがどちらも好演しており、優劣は付けがたいが、ペーターとの組み合わせで「不器用な青春時代」という感じは、昨日の方がよく伝わって来たような気がする。いずれにしても素晴らしく緻密に仕上がっていると思う。終演後の搬出は結構汗をかいた。搬入よりもずっと疲れた感じ。Ｎも最後の奉仕で頑張っていた。その後、トリヨシで事務局や助っ人それにチームと合流し、打ち上げ。昨日に続き、かなり飲む。運営委員も辞し、会からも去ることになっているＮに心から「永い事有難う」と伝えたかった。これからいろんな難問を抱えて大変そうだ。頑張って欲しい。
４月２６日（月）晴れ
観る会例会「アンネの日記」第一日。例によって大道具の搬入から始まる。今回は劇団の指示も的確、スタッフも充分に揃っていて、配慮も「皆さんには比較的軽いものを相当する人数で安全に運んでもらう」という方針で貫かれている。元気ぶって一人で持とうとすると、「二人で持って」と注意される程だ。仕事はスムーズにどんどん運ぶ。道具も極端に重かったり大きかったりはせず、手ごろに分割されていた。劇団の豊さが原因なのか、大きな差が出ているように思う。担当サークルからの動員も２０数名もいるので、バケツリレー方式もやれたほどだ。物足りないほど楽に終わった。
終了後、食事も兼ねて池袋の電気街見て歩きをする。コーヒーも飲む。公園で鳩も見る。ホームレスのテントも見る。気持だけは若い頃に戻る。
５時過ぎに会場に戻り準備。夜の部が始まる。素晴らしい出来栄えだ。「戦争の悲劇を史実として描く」というよりも、「戦争という時間の中で、人間の心の中にどのように嵐が吹き荒び、どの様に命が滅んで行くか」という所に演出の重点が置かれているために感銘がより普遍的になり、より深くなっているように思う。アンネをやっていた日色さんが今回はお母さん役をやっている。時代の移り変わりを感じる。最後にもう日記のみが残されたアンネに対して生き残った父親が「私はアンネに恥ずかしく思っている」というセリフが僕の胸に突き刺さる。戦争は大人の責任で起こる。そして最大の被害を若い子供達が受ける。まさに現代のテーマである。
遅くなったが、Ｈさん親子、Ｏさんらと阿蘇で合評会。そこへ事務局関係者、チーム、他の鑑賞会の方などが合流して賑やかになる。Ｎさんが不参加だったのが気になっている。
昨日酔ってパソコンを弄り、苦労して使えるようにしたＪＲＡ系のソフトを消してしまった。今朝になってそれに気付くがもう後の祭。また遣り直しだ。
４月２５日（日）晴れ、緑が眩しい
恒例の総会ダブルヘッダーである。昨日の酔いが残っていて朝はまだ思考力ゼロ。午前中からお昼まで目一杯、管理組合の定期総会。理事会のメンバーが入れ替わり、１６年度がスタートする。その中に次男徹が入っている。今日は仕事の様で、嫁さんの憲子が出席していた。堂々と顔を連ねていたのでほっとする。大きなトラブルもなく、大修繕案も承認され、いよいよ本格工事となる。議長の計らいで、特別委員全員が立って、参会者の謝意の拍手を受ける。恐縮である。工事終了まで（来年の２月頃までか）任は解けない。
午後は老人会「みどり会」の定期総会が公民館の二階和室で開かれた。進行係を務める。新年度も副会長留任。加藤さんが頑張っているので、お付き合いすることになる。人数も増え、活動領域も広がって、総務只野さんの努力が実ってきているようだ。簡単な打ち上げをやって帰宅したのが４時。
３つの重賞レースの結果を調べてみたが、「馬トモ２」の予想力は良い線行っている。オッズ２９倍が的中していた。ただ全体的には、データ検索で細かな適性を調べて、買い目にはプラスαのインスピレーションが要求されそうだ。それがなくては、予想の醍醐味がなくなってしまう。
疲れを感じ、二階堂で酔いを戻してぐっすりと寝込む。明日から例会に飛び込む。
４月２４日（土）晴れ
「馬トモ２」の使い勝手がやっと分かってきた。データラボと共に友人にも使ってもらおうかと思い、２つの会議を済ませた後で、ためしてみたが、データが１８日までで止まってしまう。理由がわからないので、後日の再試行を約して帰途につく。ご馳走になった焼酎でかなり酔っ払って帰宅。ここの記録も出来ずに寝てしまった。
４月２３日（金）曇り
何よりも先に危険物系のゴミを捨てに行くと、またルール違反のダンボールや衣類が大量においてある。大人でもこの程度の約束事を守れないのだから、子供に文句を言えない。
「椿三十郎」を観る。細部に亙って記憶が甦った。確かに名作だ。カットの細細した繋ぎへの配慮が観るものを飽きさせない。息詰まる場面でユーモアが発揮されたり、黒澤は意外にユーモリストだったのかもしれない。
「馬吉」のフルセットアップが未了だが、後はどうやら使えるようになった。中でもソフトコンテストでグランプリを取ったという「馬トモ２」の出来栄えは素晴らしい。動画利用のシミュレーションや騎手の服飾デザインだけでなく、各種データとしての価値も高い。これがあれば、ＪＲＡ－ＮＥＸＴは解約してもいいかもしれない。充分代役出来そう。
所用のためみどり会のカラオケ会は、Ｋ会長にお任せする。観る会事務所から「たより」等が送られて来た。総会の資料をマスターしておかなければ。５月の運営委員会までに、問題点を整理しておく必要もある。明日は午前中から外出する。
４月２２日（木）晴れ
今日も真夏日のような暑さ。外を歩く若い女性はノースリーヴなど、もう真夏の服装。またトロピカルな街に変わりつつある。ただ春から夏への変化は、余り得意ではない。急激な気候の変化に体が付いて行けず変調を起こしがち。今年は熱を出さなかったが、しばらくは体のだるさが続くだろう。
パソコンは、一応区切りを付けた。使わないかもしれないソフトへの膨大なデータ導入が馬鹿らしくなった。一応「スーパー」「ターゲット」「友」「シミュレーション」には導入を終わったが、文字の大きさによって画面が極めて見難いものもあり、「小」に切り替えないと文字がダブってしまうものもある。ただ「小」のままでは、メールやウィンドウの見出しやアイコンなどが小さ過ぎて見難くなる。適宜切り替えるしかなさそう。
生活費も下ろさなければならないし、土曜日に出かける小遣いもないし、お馬さんの通帳が空になっているので、少し入れておく為にもと、所沢の住友銀行に出向く。街はもう夏。ハナミズキの赤いガクがあっという間に緑に変わり、葉と変わりなくなってしまった。
巨人戦を見始めて、今日は勝ちそうだなと思っていたら、ひっくり返された。とにかく投手が弱すぎる。堀内は何をしていたのだろう。
「分身」を読み進む。
４月２１日（水）快晴
どんどん緑が深くなる。団地が一番美しい季節。昨夜から一晩休ませたパソコンを早朝からまた働かせる。お陰でフロンティアのフル･インストールがもう少しで完了する。少し遅くなるが今夜で完結するだろう。合間を見て「街の灯」を観賞。実に懐かしい。それにしてもチャップリンの社会観と人間観、そして映画表現の天才的な才能に脱帽。ここには「ライムライト」の原形が芽生えている。
ビデオとテレビと読書で間を繋いで、フル登録を待つという生活が続いている。そろそろこの退屈なリズムに飽きて来た。今夜で一区切りにするつもり。フロンティアと
スーパーＴとシミュレーションが使えれば、一先ずは楽しめる筈。後は「三十郎」と「分身」と「蕨野行」その他がある。早いとここれを全部済ませて友人にも見せたいと思っている。
国内では、人質問題は一見小泉に有利な世論操作が進んでいる様に見えるが、ファルージャにフォーカスされているイラク問題は微妙にその質を変えつつある。スペインの撤退が始まり、それをバックにして派兵していた小国も同調しそう。アメリカは梃入れに躍起となっているが、どこまで歯止めが可能か。イタリアやポーランドなどが動揺し始めると、日本の自衛隊にも波及して来る。少なくとも撤退の口実が出来てくる。アメリカではイラク戦争勃発時の裏話出版が話題となっている。アメリカの大統領選に向けて世論の大きな揺れを期待したい。日本では人質問題が、「自己責任」という形に矮小化され、一時的にせよ、「小泉支持」の流れが強まっているのは看過できない。人質に「芝居」を強要した場面と放映をカットされた場面との関連など、本質的でない事が、大発見の様に報じられている。
大分ご無沙汰なのでＭＬに無駄口を書いた。でもやっぱりしゅんとしてしまったようで一寸ばかり気が重い。観る会のＨさんから会計の事でメールが入る。先日の会計からの報告はその後資料ミスで基本的には黒字の報告が出来そうという。今後の立案について意見を求めている。
夕方、入間方面に足を向け散歩。ついでに酷く磨り減ってしまった靴の換えを探しに出かけ、２０００円未満の商品を買い求めた。これで履き慣れた靴を踵貼りに出せる。
４月２０日（火）快晴
真夏の様に暑くなる。午前中に入間の図書館に歩いて行く途中、この暑さに気付いた。ハナミズキの並木が最も美しい季節になっていた。借りて来たビデオは何故か黒澤の「椿三十郎」とチャップリンの「街の灯」。いずれももはやクラシックだが、思わず手が伸びた。本はあれこれ目移りしたが、結局少し前に観た映画「蕨野行」の原作、村田喜代子の同名の小説と、同じ作者の「硫黄谷心中」を借りて来た。ぱらぱらとめくった時の文体の匂いで決めた。映画のイメージが強力過ぎたせいかもしれない。今読んでいる最中の東野の「分身」を早く読了しよう。
読みながらパソコン作業をずっと続けていた。まだ区切り目は来ないが、今晩は電源を久しぶりに切って、愛器を寝かせてやろうと思う。
４月１９日（月）曇り
午前中からガス屋がガス洩れ検診と器具検査に来た。結果異常なし。パソコンの合間に東野の「分身」を読み始める。なかなか面白い。真保よりは飽きずに読めそう。パソコンの方は今日あたりでケリを付けようと思っていたが、明日に持ち越しそうだ。結果的に考えて、このパソコンの能力以上の事に手を付けてしまったようだ。一つはスピード。メモリー容量にも問題がありそうだ。莫大なデータベースを使うプログラムにはペンテイアムⅠでは、遅すぎるのだ。適当な所で手を打って、平常に戻ろう。
イラク情勢は、人質事件の頃から急転している。アメリカが一応表向き「国連主導」を言い出した。６月の権力移譲を形だけでもやってしまいたいのが本音だろうが、そう上手くは行かないだろう。後始末を押しつけられるようなやり方では、国連もヨーロッパ側もうんとは言うまい。スペインは撤退を前倒ししそうだし、イタリアも国内世論が批判的になって来ている。アメリカ一辺倒の小泉も人質問題が一応片付いて、メディアも状況変化を報道し始めているし、引け際の選択にかかるかもしれない。与党の中にも自衛隊の派遣再考の声が出始めている。
夕方、安川の周辺まで散歩に出る。八重桜が、急に色の濃くなったに挟まれて豪華に咲き誇っている。二階堂を大量に仕入れて帰って来た。
気温が上がり、髪の毛が五月蝿くなってきたので、短く切ってもらった。高尾山で顔が日に焼けたのに改めて気付く。
４月１８日（日）晴れ
体の調子は、とても良くなった。山の疲れは急速に回復。足の違和感は依然続いている。これは山の前からだから、疲労とは無関係。今度薬を貰いに行った時に澤田さんに相談してみるつもり。
二人の人質は解放された。これもまた例の宗教指導者が仲介して解放されたという。外国人民間人の「質」が区別されているのか、政治的な意図なのか、いろんな意味で謎が多い。ファルージャの停戦状態は依然維持されている。
午前中は自治会の定期総会。皐月賞を気にしながら、出席した。昼前に終了。いつものメンバーが沢山顔を見せていた。違反駐車、鳩やカラスの害などが話題となる。午後は引き続きパソコンと対決。合間を見て皐月賞をテレビ観戦。北海道市営から参戦した血統の良くない「安い馬」コスモバルクを応援したが、大外の不利があり、２着に終わった。「強い負け方」と言える。ダービーが楽しみだ。ＭＬでは「花」の話題がしきり。春だ。夜、かみさんと一寸した言い合いとなる。
４月１７日（土）晴れ
今日になって足の筋肉が痛み出し、体がだるくなった。歳を取ると３日めくらいが疲労が出ると言われるが、その通りだ。和子は書道で出かけたので、午前中からパソコンのデータ読み込みに没頭するが、量が多過ぎてどうもスムーズには進まない。途中で止まってしまう。どうやら僕のパソコンでは、能力不足の様だ。何度か同じ失敗を繰り返しているが、一番利用したいソフトの読み込みが未だに成功していない。パソコンは気の毒にこの３日くらい寝ずに働いている。
左足の踝の外側に数日前から軽い痺れを感じる。手で触ってみるとうっすらと違和感があって、皮膚が厚くて神経が届かないような感触。痺れなのか。
４月１６日（金）晴れ
今朝は寝坊はしたが、左程疲れは残っていない。起きて直ぐ観る会事務局に約束しておいた「私生活」のまとめの原稿を作り送信した。間に合えば良いが。
その後はJRAのデータの取り込みを進め、完成したソフトも出来てきた。幾つかのソフトを試用して様子を見ようと思っている。使い心地は楽になりそうだが、ソフトの使用代金は再納入になるので、それが痛い。基本的なものだけに絞って再構成しようと思っている。データが豊富になっただけ、一度に複数のソフトを併用するとメモリーが足りなくなりそうだ。操作の速度もこのマシーンでは、遅く感じる。
3人の人質解放を受けて、政府と民間の矛盾がはっきりと出て来るだろう。開放のために何が決め手となったのか、この総括こそが今後の政治状況の掴み方を方向付けて行く事になる。とにかくファルージャの戦闘が停止されるべく動いて行かなければならない。人質だけでなく戦闘でイラクの市民が殺されて行くのだ。アメリカの兵士だって殺されて行くのだ。一人でも命を失わせないような動きはすべて擁護して行く。それを基本にして流れを作る事が大切だ。それは彼らの解放に努力したイラクの宗教人にも応える事になると思う。また二人の行方が分からなくなっている。ほっとしてなんかいられない。こういう場合大抵後になるほど粗末に扱われがちだ。そこに落とし穴が生じる。
４月１５日（木）
晴れ
昨日の雨で、今日の山登りは中止かと思っていたが、朝に入って晴れてきて、絶好の行楽日和となった。７時に家を出る。１９人の参加で山行は賑わった。昨夜の酒が軽い二日酔いを残したが、国分寺経由で高尾に出る頃には、元気回復、足取り軽く歩けた。登りの最初はやや苦しかったが、次第に慣れて来た。３時間ほどの行程だったが、皆高齢者なのでベテランにリーダーとなってもらったが、これが幸いして、Yさんが下山途中で転倒して顔と手に擦り剥き傷を負った時にも、手早い処理が出来たし、昼食時にはバーナーでお湯を沸かし、紅茶、味噌汁、お湯割りなどまで飲むことが出来た。武蔵藤沢に戻っても余力が残っていて、５人ほどはバスに乗らずに、徒歩で帰宅した。疲れたので、直ぐ風呂に入り、軽く二階堂を飲んでいるうちに、３人の人質の解放のニュースが伝えられた。本当にほっとする。暗い予測を立てていた僕は、それが外れて本当に嬉しい。僕自身無神論者なので、宗教的な一体感という点で理解を超える所があったのかもしれない。ただ宗教というものの戦争と人間性という背反するものをコーランはどう捉えているのだろうか。今回は３人の親類たちの積極的な解放への要望、宗教団体の動き、アルジャジーラというメディアの働きなどが大きく作用したという点で、国家による折衝の無力が暴露されたのと対照的な出来事だった。
３人は解放されたが、別の邦人２名が拉致されたという報道もある。イラク戦争がある限り、本当の問題解決はない。
４月１４日（水）雨
午後２時と６時の２回に亙って、「観る会・入会説明会」が開かれた。事務局と運営委員の一部が参加した。第１回目の会と同じ準備をした。場所は大泉・勤労者福祉会館の研修室。しかし参加者は各１名ずつで、初めの方は大阪からの移転で、さしあたっては、サークルまでには至らないという見通しの入会希望者で、その気持を大切にして、「ペーパームーン」の方でお世話する事となり、入会決定。さらにもう一人の方は相当前の元会員で、仕事にゆとりが出て来たので戻りたいのだが、元の仲間がばらばらになっていて、一寸直ぐには纏まらない。これも一人会員扱いになるので、「ルース・ソックス」の方でお世話する事となり、これも入会決定。雨の中のお勤めだったし、人数は少なかったのだが、嬉しい思いで閉会した。途中久し振りに「厚岸」の前を通ったので、事務局と飲むことにした。明日はみどり会の高尾山登山。低山とは言え、酒は止めておこうと思ったのだけれど、頭が疲れていて飲みたかったのと、「ママ」にも会いたかったので、お湯割りを数杯飲んで、四方山話をして来た。
付けつぱなしにして来たパソコンのデータ取りこみは、途中で止まってしまっていた。また工夫を要する。
４月１３日（火）曇り
昨夜から取りかかった新システム化されたJRA・DATAの取り込みに物凄く時間がかかって往生してしまった。まだ完了はしていない。１６年間に蓄積された６０万個以上ものデータのやり取りなのだから当然なのだが、それにしても居ながらにしてこれほどのデータを利用できるとは、例え「お楽しみ」のためだけとは言え、大した時代が来たものだ。利潤のためとか、軍事的利用とか、国家的利用の可能性などでも大きく変わっているに違いない。僕のは楽しみのために苦しんでる状態で滑稽だが。
そのため昨日深夜から今朝にかけて寝不足になっており、今日も朝からパソコンに付きっきりの状態。途中で壁紙や電源カットへの移行は、設定の変更で止められる事に気付いて、直したが、３，４時間は作業にロスをきたしてしまった。夕方５時ぎりぎりまで操作を続け、観る会運営委員会参加のために飛び出した。
新人が二人参加してくれて、新年度に多少の光が差した。薫風会のTさんとWさんだ。でも一味のKさんが今後の活動整理のためにこの会を去る予定になっているし、他にも退く委員が出るかもしれないので、楽観は禁物。さらに協力者を探さねばならない。今日は、事務局員給与の問題も出され時間がかかった。会員の減少傾向を押えきれずにいる状況では、微々たる待遇改善もままならず、ギクシャクした雰囲気で総会を迎えたくないので、慎重な予算案作りに務めたい。文化運動の機関の待遇ということもあり、民間企業の利潤分配の感覚だけでは割りきれないものもあるので、ここでも会員増加と例会構成のバランス、人件費の適正な割合などが検討されなければならないだろう。終了は９時半過ぎ。新人を迎え、本当なら軽く一杯という場面だが、僕自身明後日には、老人会の高尾山ハイキングもあり、自重した。明日は大泉の勤労者福祉会館で第２回入会説明会があり、午後、夜と２回の会合を持つ事になっている。Kともホームで別れ、豊島園行きに乗りこむ。
４月１２日（月）晴れ
昨日が遅かったので、今朝は朝寝坊。目を覚ましたら８時４０分。古新聞の処理時間締めきり。飛び起きてゴミ置場へ。古紙だけをサラって行く人間がいるらしく、新聞の束が見当らない。正当な業者が舌打ちするのではないか。人間もカラスも余り違わない。
３人の人質の安否は未だに不明。ニュースや関連番組は漏らさず観続けた。久米の変わりにキャスターに席に座った古舘はなかなか頑張っている。久米より感情的で率直で恐れず（内心は分からないが）、イラク問題の心情をぶつけて訴えている。好感が持てる。しかし３人はどうしているのだろう。反米武装グループも硬軟様々であろうし、指導的宗教人の一言で収まる筈はなかろうと思っていたが、やはり「解放」説は、立ち消えた。ファルージャに対するアメリカの攻撃に怯えて、イラク側は、反米に固まりつつある様だ。ファルージャ攻めを新規にアメリカが訓練した国軍が拒否したという。同士討ちを拒否したのだ。スンニ派とシーア派も歩み寄っている。アメリカ主導の連合国軍に楔を打ち込んで、アメリカを孤立させようと、人質作戦で揺さぶっているのだと思う。いや、揺さぶりだけではなく、またファルージャ攻撃が再開された時には、盾として人質を利用するのではないか。戦闘後の戦場に外国の民間人の遺体散乱などと言う事になるのではないか。それ程にアメリカ軍のファルージャ攻撃は惨い復讐だった様だ。多数の子供を含む無差別爆撃、掃討作戦が報じられている。現在は一時休戦を保っているが、いつ再開されるか予断を許せない。チェイニーと小泉の会談の中味は余り期待は出来ないだろう。手控えることはすべて「テロに屈する事になる」のだから。高度な政治性への期待は裏切られるだろう。
MLのYasueのアドレス変更を登録。その旨報告したが、「この頃は自習が多くて」などと書かれてしまったので、久し振りに長文を送信。
夜は、JRAのデータとソフトの仕組みが変更される様で、乗り換えの作業に着手したが、時間のかかる大仕事になりそうだ。
４月１１日（日）晴れ
既に葉桜となった木と遅咲きの花とが入り混じった風景は今年特有のものかもしれない。その中波瀾含みを伝えられた桜花賞は武・ダンスインザムードが勝って、安勝・ムーヴオブサンデーに期待した我が予想は敗退した。やはり実績の積み重ねと言うのは、突然発揮した良績よりも信頼できるのだと痛感する。良馬揃いという前触れほどは、手に汗を握る場面はなかったようだ。
和子も外出ということで、僕は観劇に出かけたが、終演後友人とイラク問題、桜花賞の結果の分析など語りながら飲んだ。３人の人質問題は今朝早く「２４時間以内に解放する」という明るい情報に接したが、遅くなっても「解放」のニュースは伝えられていない。宗教的指導者の声明で、はい分かりましたと解放に応ずるという「甘い反応」にマユツバを感じていた僕は、嫌な予感を感じている。そんな統一性が実現する状況にあるのなら、今日の状況は生じなかっただろう。今イラクを支配しているのは「戦争の論理」のみだと思う。朝鮮、ベトナムに次いでアメリカが手をつけた中東における戦争の論理。力ですべてを思うままにしようとし、泥沼状態になり、自国の若者を多く失い、「宣言なき敗北」を繰り返してきたこの国は、もう一度手酷い経験をしようとしている。その国に小泉ほど肩入れをした政府は未だかって存在しない。戦後の積み重ねを玉手箱の煙の様に雲散霧消させようというのか。それにしても国民の意識動向が、その流れに強く抵抗しなくなっているのも確かだ。
不安な気持を押し殺す様に、春の宵から飲んだ酒に足を取られながら家に着いたのは「午前様」であった。調べてみたが、「解放」の報道なし。
４月１０日（土）晴れ
朝から新聞とテレビに目が行く。人質問題は一向に進展はない。政府は、３人を救うというより、「警告は発してきたのにまずい事を引き起こしてくれた」という風に世論を持って行きたいのか、小泉は家族にも会おうとしないし、NGOの行動の締めつけばかりを表に出すようだ。報道陣なども自衛隊の宿泊地に入るようにと言われて居るようだが、それでは仕事にならないのだろう、中には進んで外へ出てしまう人もいるようだ。もう期限は明日一日。遅くなってから、米国人、日本人など３０名が拘束されたという報道が伝えられた。詳報はまだない。どうなって行くのだろう。
今日の映画「蕨野行」は夜７時から１回のみの上映なので、帰りが遅くなってしまった。観ているうちに、あの奇妙な古風な文語調の方言で、朗読のようなセリフから、この作品が昔テレビで観たステージの演劇であることに気付いた。楢山節考を思い出させる、山形の「親捨て」の話なのだ。不作対策としての間引きと同様、６０才になると山の中の蕨野の小屋に移されて、そこから里まで労働力として通って来て、その代償として僅かな糧を得ることになる。老齢にはその往復が困難で次第に体も弱って行く。弱いものから淘汰してしまうという「知恵」なのだ。話は「おばば」と「ぬい」という孫の言葉のやり取りとして展開されるが、その奇妙な雅さを感じさせる「話体」が実に印象的だ。入間在住で、内の団地の直ぐ近くにある藤沢中学校を出て、豊岡高校を卒業した女優がこの「ぬい」を演じ、「おばば」は市原悦子だ。市原は共同体に組みこまれた中で生き甲斐と死の意味を考えて行こうとするが、「しか」という別の女はこの里からドロップアウトして山で孤独な生き様を晒している。「ばば」を慕う「しか」は山で自由に生きようと何度も誘うが、「ばば」は里との血縁地縁から離れ様とはせず、蕨野の務めを全うして、その冬雪の降り積もる小屋の中で死んで行く。死んだ老人達は、身軽になり天使のようににこやかに雪投げをしながら戯れるのであった。親捨ての楢山節考のような陰惨さはなく、何よりもカメラが捕らえる美しい四季の山里の自然の中で、「蕨」となってこの世を去って行く人間達の楽観した死の迎え方が感動的ですらある。清水美那もなかなかの好演。挨拶に来て、花束を受けていた。今後を期待したい。心の中が空になったような気分で帰途の夜道を急いだ。
４月９日（金）晴れたり曇ったり
朝刊のトップ見出しに「イラク３邦人拉致される」と巨大活字。「自衛隊を撤退させよ、さもなければ３人を焼き殺す」と要求。自衛隊宿泊地でも砲弾の炸裂音しきり。いよいよ反米闘争は反連合国闘争となり、ついに民間も巻き込んだ反外国人闘争の様相を帯び出した。４月に入ってからは、イスラムの宗派を超えてレジスタンスが広がり、米軍のモスクに対するヘリからの爆撃攻撃で、女性子供を含む５００人近くのイラク人が殺されている。この憎しみからはあらゆる暴力的な反動が生じる事が予想される。もはや小泉が言うような「非戦闘地域」などイラクの何処にも存在しない。自衛隊の派遣理由などは成立しなくなっているのだから、即刻状況悪化を理由に撤退させても何の謗りも受けない。むしろ歓迎される筈だ。「テロに屈したのか」という謗りはアメリカ以外からは起きない筈だ。テロに屈するのではない、こうしたテロ行為までが起きるような状況悪化の認識が必要なのだ。NGOにしろ自衛隊にしろ、政治的面子ではなく真に人道支援が目的なら、どちらの活動も大切にしなければならないだろう。今の状態では自衛隊自身支援活動は不可能になっているではないか。「戦いに行ったのでないのなら」どうして撤退することにそれ程拘るのだろう。
３人の生き方をテレビで知れば知るほど、この人たちの命を大切にしてあげたい。テレビにかじりついて情報を得ようとしたが、好転の兆しさえ見えて来ない。「撤退はしない」「救出に全力を尽くす」の一点張り。前者は政治的面子。後者は無内容。精々アメリカ頼みがあるのみ。アメリカは日本政府の「毅然たる態度」を礼賛したが、特殊部隊を使って３人を救出できるゆとりなどある訳がない。自分たちの兵士が時々刻々と命を奪われているのだ。現実的に小泉にできる事は「撤兵命令」のみ。
MLの新之助の誕生日なので、「祝メール」を送信。
金曜日の朗読会が終わったので、みどり会の「カラオケ会」にも顔を出したが、途中で帰宅した。気持が落ち着かない。「３人」の期限が迫っている。飲んでも酔いが廻らない。
４月８日（木）朝早くは雨、直ぐに晴れ間が出て快晴
和子が夕方から夜に掛けて外出。一味便りを郵送し、団地の分は配布。順調に仕事ははかどる。明日には皆に届くだろう。総会資料の原稿も発信し、念のために電話も掛けておいた。首都圏の「私生活」通信の原稿は、もう練馬では終わっているので、催促待ちにすることにした。ほっとしてサス・テレビを追い、借りて来た「硝子の塔」を観る。シャロンの美しさはいうまでもないが、先日観た「イン・ザ・カット」と同じで、資本主義文化的に爛熟し、社会病理現象が出始めた初期の頃、社会心理学的にノーマルとアブノーマル、犯罪と合法、狂気と正常、が同じ線上に置かれていた頃の作品だろう。いやシャロンのあの初々しさの痕跡を見ると、現在病状は、遥かに進んでいると言えるだろう。観ている僕自身の病状気配を自覚するくらいだから、これは単にアメリカの事だけではない。今の日本でも進行中の膿み現象の現れと言えよう。子捨て、親殺し、子供に対する虐待、傷害、すべて異様な現象が連続して起こっている。現代の人間を取り巻く状況の中で、極普通の人間、いや却って真面目な生一本な人間ほどその病理のトリックに嵌まってしまう。幸せを願ううちに不幸に落ち込んで行く。そんな正常と病理との境に霧が懸かっている所で苦闘している人間達。それが自分を含めて生きる事の意味なのかもしれない。怖いなと思うけれども、きっと自分もその霧の中で死に近付いているのだと思う。
その後、一緒に借りて来た「史上最大の作戦」を観ながら、人間最大の病理である戦争の論理の中で考えてみると、イラク戦争というものの本質が、いわゆる反ファシズムの連合国の参戦といかに違うかが明瞭に映る。これは明かにアメリカの「世界警察的ファシズム」、異質文化に対する侵略的な差別外交だと言える。中東に対する帝国主義的な政策としか言いようがない。イラクの状況が悪化して、アメリカ人が２０人死ぬとイラク人が３００人以上死んでいるという現況で、何をしようと言うのか、何をして来たと言うのか。国家犯罪の罪は重い。日本の自衛隊にも同じ宿命が待ち構えている。「正義のためにおめおめと逃げ帰れるか」と言うような言辞は、自分が戦場に居て始めて自分の哲学として語り得ることではないのか。小泉は既に「東条」以上に道徳性のない指導者となっている。
４月７日（水）晴れ
まだ桜が咲き誇っている。今年は一旦冷凍されたためか、あっさり散らないようだ。まだ団地も花盛り。ポリゴミを捨てながら、思わず桜にご挨拶する。
午後から、入間シネマで恩地日出夫監督の「わらびのこう」（蕨野行）という映画の前売り券を買った。入間在住の清水美那が、市原悦子、石橋蓮司などと共演する。そのためか、入間市から発信という形で公開され、入間市教育委員会が後援している。
ついでに大回りして入間の図書館に久し振りに寄って見た。ビデオ２本。シャロン・ストーン主演の「硝子の塔」と、２本組の戦争もの「史上最大の作戦」を借りた。それに最近読み始めた真保裕一（今文庫で読んでいる「相棒」等の作者）の「密告」も借りた。怠け癖が出始めた自分に発破をかける。充分な散歩となった。
材料をいろいろ仕入れてきたのだが、残念ながらこれを後回しにして、「一味だより」と座席シール等を送るための封筒詰めをやった。重さが不明なので、料金の関係もあり、発送は明日にする。それと５月１５日の観る会定期総会の資料の中で、「運営委員会」の項の原稿が未提出になっていると言われ、基本問題だけをまとめてみた。これも明日発信する。一滴も飲まずに就寝。
４月６日（火）晴れ
９時に家を出て、桜台事務所へ。結花ちゃんの１歩前に事務所についた。丁度鍵を預かっていたので、自分で開けて入った所へ、平本さんが階段を上がっていた。会費納入手続きを済ませて、座席シールを受け取るOさんの変更手続きも済ませる。Fさんのご主人の入会時期は６月まで延ばすことにした。Nさんの手帳をそれまで活かしておくことにする。
十朱幸代を生で見たのは始めてだが、その演技力の達者さにはびっくり。彼女が舞台に現れるだけで会場に活気が溢れるようだ。小池も彼女の演技を見てさぞ満足したのではなかろうか。芸術座という会場もなかなか良い劇場だし、あの周辺がとても綺麗な街になっているので、気分が良かった。メモリアルな観劇になった。プアゾンなどという香水に縁はないが、女にはその人の気立てとか、知性的にも生き物としても、廻りに漂わせている雰囲気という「香水」こそが命だと思う。可愛くて恐ろしい存在。
夕方からの会議に出席し、１０時頃帰宅。疲れていたので、何もせず、僅かに残っていた二階堂を飲み尽くして、風呂に入り床につく。ちょっぴり不安を残した印象的な一日となった。
４月５日（月）快晴
気温はやや低くなったが、空が澄んでいてとても爽やか。ゴミを出しに行って、帰りに胸を膨らませた。
イラクの状況が険悪になって来た。シーア派の強硬反米派と連合国軍との武力闘争が激化している。射ち合いでイラク人が多数死んでいる。小泉は成田飛行場でのテロ対策の視察に出向いた。アメリカとの心中の方向は固いようだ。
東京新聞の夕刊に「プアゾン」が取り上げられていて、十朱の二役が好評のようだ。他の出演者も好演が伝えられる。期待できそうだ。夕方から「イン・ザ・カット」を観てきた。アメリカの精神的病理を反映した作品、としか言い様がない。後味の悪い映画だ。性的孤独と暴力的結合のどうにもならない堂々巡り。ラブ・サスペンスと謳っているが、そんな響きの良いものではない。現代社会での都市生活の人間の内的病巣を覗き込むような作品だ。監督は女性だと知ってますますびっくり。こんな世界に生きて行くことの地獄を見る思いだ。愛とか温かみというものがすっかり氷に閉ざされ、不信の海で性的欲望に駆られて蠢いている、そんな惨めさだけが伝わってくる。
明日は朝から一日駆け回る事になる。楽しい活動的な一日にしたい。
４月４日（日）どんより曇り
暗い日曜日だった。そのせいか、はしゃぎたくなって昼間から二階堂と仲良くしながら、競馬予想を楽しんだが、散々な結果となった。しばらくやらないうち感覚が鈍ってしまったようだ。切った名馬は立派に走るし、拾った上がり馬には裏切られた。最悪の結果である。買ってないから実害はないが、予想の誇りは丸潰れ。
小池真理子の「プワゾンの匂う女」が十朱幸代主演で舞台になっている事を知った。観てみたい。
留守番の一日だったが、お客を沢山迎えてはしゃぎまくった感じ。昼寝の夢が快かったのだろう。
４月３日（土）晴れ後曇りがち
昨日の今日で、朝寝坊。朝食を済ませると間もなく管理事務所へ。みどり会の役員会。総会の決算、予算、活動内容の点検など。１２時前に終了。一旦帰宅し、２時から始まる鑑賞会の「統一企画委員会」に出席。千葉はやはり欠席。意見調整は進んでないのか。とにかく僕はこの委員会の動きは、２度ほどしか出席していないし、どう言う経緯で出て来ているのかも良く分からない。洋子さんの跡目を継いで、参加する様になっただけ。「ねりま」を何とかしたいという情熱はあるが、統一の動きがそのためにどのような役割を果たすのかは良く分からない。皆の目が「船橋は凄い」ということに向き過ぎてはいないか。参考にするのは良いが、数比べでシュリンクするより前に自分の鑑賞会に何が足りないかを充分に分析して、実際に動く仲間を集め、行動して行く事だ。充分な数の運営委と集め、民主的で明るい、和やかで行動的な人間関係を作る事、その雰囲気を担当サークルに広げて行く事が軸になると思う。今の湿った雰囲気ではどうにもならない。事務局を明るい城にしたい。
何故か重い気持で即帰って来た。酒屋に顔を見せたら、何も言わないうちに女の子が「二階堂は切らしています。ヨークマート店にはあると思います。」という。俺の顔は二階堂のレッテルか。でもスーパーに足を伸ばして買って来た。空きっ腹だったが２，３杯引っかける。腹に染みる。今年の巨人は弱いので、観戦をやめ、「タクシードライバー」観る。筋立てがややマンネリ化してきている。構成にも段々締まりが無くなってきていて、感心しない。
４月２日（金）曇り後晴れ
夜通し大雨が降ったらしい。そのせいか朝には薄日が差していた。昨夜K会長に電話したら、みどり会の花見は無理だろうと言っていたが、これではやれるのではないかと思い、１０時過ぎに事務所に言ってみるとTさん達数名がもう準備を始めていた。僕も仲間に加わり、車で一足先に稲荷山公園に行った。途中飲みものを買い込んだ。シートを敷き、風で飛ばない様に荷物で押える。シートには桜の花びらが模様を描いて行く。三々五々参加者が集まってきた。今年は３６名が参加予定とのこと。毎年参加者が増えて盛況。Tさんにビデオ撮りを頼まれたが、どうも上手く撮れない。ファインダーの位置が悪く、眼鏡の縁にぶつかって、すぐに引っ込んでしまう。液晶モニターは陽光の中暗くて薄くて見え難い。飲まないうちに一渉り人と桜を撮ったつもりだが、どうも今日の映像には自信がない。飲み始めてからは撮影を止めてしまった。広大なシートの縁にぐるーっと円を描いて座った人たちを巡って、話をして歩いた。話題はどんどん変わって行く。君が代問題で処分された教師の話も出たが、中には「国の象徴にたてつくんだから当然だ」という考えもあって、気まずくなった。戦後の捉え方は様々だと痛感する。僕が重大視する「戦後」をまるで玉手箱の様に煙と化してしまう人も結構いるのだ。酔いが覚める思いだった。でもともかく楽しく過ごして、大分酔っていたが片付けを手伝い。和子も一緒に車に便乗して帰って来た。
疲れて酔って、ただただ眠いだけ。そのまま寝てしまい、夜中に起きて風呂に入り、パソコンに向かう。明日は午前中はみどり会の役員会。午後からは練馬区役所の１９階会議室で観る会の「首都圏統一企画問題の意見交流会」に参加の予定。
４月１日（木）
晴れ後曇り
朝は長閑な日よりだったが、明日はまた雨だという。どうやら今年の老人会のお花見は、狭い事務所の中で雨を透かして眺める公園の桜で終りそうだ。
今日は観る会事務所が留守になってしまうので、留守番を頼まれた。午後１時から６時までで、電話が３件、納金が１件、ファックスが２件、という程度で、暇なお勤めであった。夕飯はまた例のイタ食で、和子と外食。８時半に帰って来て、今夜のメーン、広末涼子の出るフランス映画、「WASABI」を観る。話は別になるが、佐藤玉緒をトップに「女に嫌われる女」のランキングに広末も入っている。僕には良く分からない価値基準だ。「お高い」「故意に男に媚びを見せる」「学歴」「甘えが露骨」などが理由なのだそうだ。でも僕には女優としてとか、人間としてとかが基準で、性格や気質は、自分が受ける快さとしてそれに付け加わるだけで、その点は男も女も同じだと思うのだが。
改憲への国民動向が膨らんできているという。まさに小泉の思う壺だ。「国際貢献」への手続き問題、北朝鮮への危機感、テロ報復への警戒心などが、そうした気持ちを動かしているのだろうが、慎太郎が「尖閣を武力でも守れ」と呼号している状況の中でかっての帝国日本の「武力」の悪夢を夢見始めているのだろうか。もう一つの平和の道を選択する努力をはっきりと示す政党は居ないのだろうか。イラク派兵についてもアメリカ小泉間に「イランの石油がらみ利権」の取引協定が存在している様だ。もう日本は戦争に足を踏み入れてしまったという感を禁じえない。
君が代斉唱時に起立しなかった教師１７６人が戒告処分、そのうち６０歳を超えて、既に嘱託就任が決定している数名の先生は、それを取り消され、失職することになるという。新学期の入学式を控えてのまさに「見せしめ」である。
３月３１日（水）晴れ、気温上がる
今日で３月も終わり。どんどん時間が経つ。怖いくらいだ。ご挨拶が不充分だったので朋友の西海さんにお礼のメールを書いたら、入れ違いに丁寧なご挨拶の葉書が届いた。やっぱり発表会でも「癖が出ていたらしい」。「緊張すると出るから、楽しむ様に読みなさい」とのこと。はーーーい。
IP電話で困っている人が居るので、お節介で入間の局に質問。その地域の故障担当のプロが来てくれる筈とのこと。その旨伝えて見たところ、担当職員が来て、問題解決したという。NTTという所は、イマイチサービス精神が欠けている。腰が重いのだ。口の聞き方も知らないような社員が多い。
夜「黄泉がえり」をビデオに撮りながら、メジャー戦を観戦。松井のホームランを目撃。確かに稀に見るスーパースターに間違いない。
週刊文春と田中真紀子の確執は、東京高裁が発行停止処分の取り消しを命じた。
報道の自由とプライバシー問題、公人関係者の取材の微妙さは、これからも繰り返し問題になるだろう。
３月３０日（火）曇り後小雨
体が何となくだるく、何度かうとうとする。うきうきした春だよりのMLを送ったが、朝刊の「君が代斉唱中に起立しなかった教員に処分か」という記事と、日本外交官のイラクでの銃撃死の事件にアメリカ軍の誤射疑惑が起きている事を知り、頭が重くなった。Yasueの夫君に心を寄せる義憤が湧いて来る。現場にいて欲しい教師ほど、居られなくなる現状が許せない。僕の過去の抹殺に等しい状況。いや僕の人生の抹殺に等しい状況を僕はどうやって乗り越えて行けるのか。「春だより」はずたずたに引き裂かれてしまった。
元大泉の同僚U先生が訳本を出版した。土曜日に届いた。「音声パターンと表現力」という本で、（ことばの美しさとは何か）という副題。詩を遊ぶ僕には貴重なテーマだ。専門書で難しいがゆっくりと読んで行きたい。今日になって、お礼のメールを書いた。研究の進展を心から祈る。
裕次郎の「俺は待ってるぜ」（脚本・慎太郎）を観て、思ったより面白いと思った。特に友和・百恵の「絶唱」を観た後なので「日本的純情」の型というものに興味を感じた。ヤクザ型と仏教型と異質なものに感じられていたが、どうやら根っ子は同じようだ。
Nの電話トラブル、どうにかならないものか。
３月２９日（月）晴れ
気温急上昇。それにつれて桜は満開へと驀進。２日に予定されていたみどり会の恒例お花見まで花が持つか心配して、様子を見に井の頭公園まで足を向けた。その前に団地内「観る会」の会員さん達に会費納入袋を配る。途中Kさん、Uさんと声をかわす。久し振りだが皆元気そうだ。
和子の希望で、井の頭の前に国立にも寄って桜の様子を見た。満開の木もあるが総じてまだ５，６分咲きと言うところか。まさに都会の中の桜である。大きな道路の沿道にどこまでも続く桜並木。月曜だが、春休みのせいか、人では休日並み。国分寺で昼食を摂り、吉祥寺へ出る。今まで井の頭公園を全く意識せず朋友の朗読会に通っていたが、丸井の横を抜けて行くともうすぐ井の頭公園だった。石神井公園と同じように細長い池の周辺に広がる桜模様だが、その顔はまた赴きを異にしていた。まさに見時という状態で、いずれにしろ、週末ではもう遅い状態。まず稲荷山公園もこんなものだろう。２日ならまあまあという頃合か。かなり散り始めるには違いない。花の持ちと風次第だろう。若い大道芸人の芸に感激して、チップをはずんでしまった。下手な役者よりもずっと見栄えのする技、フェイントを心得たギャグの面白さ、絶妙な洋独楽廻し、捻り風船細工の手際の良さ、生ビール１杯分くらいの感激は充分にあった。
今日もかなり歩いたので、快く疲れ帰宅する。二階堂を飲みながら日米親善野球を見始めたが、メジャーの前の巨人は歯が立たず、途中パソコンに逃げる。
MLでは、またウィールス攻勢が始まった。要警戒。
３月２８日（日）晴れ
温かくなり、桜は一気に開き始めた。もう一足早いお花見気分で、都会も郊外も公園も華やいだ人々のさんざめきで満たされ始めた。男も女も、老いも若きもである。人も犬も水鳥もである。煙るような桜の花、柳の新芽の緑がゆったりと揺れて、風を知らせる。のんびりと水上を行くボート、白鳥を象ったペダルボートのそばで嘴を背中に埋めこんで眠る鴨の姿。やっぱり春はいい。生命力があちこちに芽吹き始める。忙しさが一段落して、僕も元気になれそう。とりわけこの週末３日間は、思いきりの深呼吸という感じ。生きているのが楽しい。
アメリカ宣伝を覚悟して、夜の「パールハーバー」を見たが、ラブストーリーが主軸になっているせいか、宣伝臭はさほど感じず、むしろイラク派兵が強引に進められる中、戦争の無謀さを、真珠湾攻撃の一つの側面を描き出す映画として、上映価値があるように思う。観終ったら、何と夜中になっていた。
３月２７日（土）晴れ
今日から明日に掛けて和子は泊高校の同期会で、富山から上京するメンバーと同宿して、歓談するという。両国の方のホテルに泊まるとか。僕はチンペイ君提唱の雪谷組の同期会に出席。旗の台の「O-chan」というお店。これまた雪谷の卒業生の店だという。チンペイ君の２種類のグループが合同した形になった。僕の良く知っている仲間に今回は坂本先生のクラスに居た美術と坂本さんを愛するグループが数名加わってなかなかセンスの良い会話が乱れ飛ぶ。切れの良い連中だ。さすがの熊やリオたちも遠慮気味。良く飲み良く語った。８時過ぎに退出。
３月２６日（金）曇り後晴れ
朗読最終日。発表会である。アトリエのフロアーには美しいステンドグラスの窓、エリザベス朝の鉄柵や白い椅子が置かれ、スポットがいやでも胸をときめかす。この舞台セットは西海さんのご主人の作だという。洒落た舞台で、一時のパーフォーマンすをやれるのは、本当に幸せだ。朋友の代表の小島さんも来ていた。夏川さん西本さんも顔を出した。挨拶するが、気持は落ち着かない。
精一杯やって舞台を降りた途端に終わったのだという気分になった。この２ヶ月の間のときめきが懐かしい。先生と仲間の人々に感謝したい。夕方から若い人たちが解散会兼先生への感謝の会を企画した。皆良い人たちだった。
３月２５日（木）曇り一時小雨
和子の高校の同期会で、富山から上京する人を含めて、土曜日からツアーの屋形船に乗り、宿舎に一泊して、おしゃべりし、翌日適当な所でお花見という計画が、翌日の行動が好みで、分かれてきて、その調整が難しそうで、電話、電話の攻勢。やや疲れてしまったようだった。明日は書道なので余計なのだろう。その上桜の咲き具合、お天気のはっきりしないのも鬱陶しいらしい。
僕の方は、明日の朗読の発表会を控え、何だか落ち着かない。今更騒いでも仕方ないのだが、結局数回読みの練習をしただけで、あとはビデオに撮った三浦友和と山口百恵の「絶唱」を観賞した。階級制度と戦争に押しつぶされて、悲しく散った愛の物語。若夫婦の純愛に泣き虫健はまためそめそ。夜は寅さんでも観るとしよう。
３月２４日（水）曇り時々小雨
朝のうちは陽射しもあったが、曇ってしまい、ゆっくりと雨が落ち始めた。薄ら寒い日となる。ポリ系ゴミを捨てた後は、一日テレビで過ごす日となる。時代劇、サスペンスと何でも構わずチャネルを廻した。最近清張の作品が目立つが、前に観た「鬼畜」とは違うキャスティングで作ったものらしい。内田康夫の作品を優先したので、ビデオに撮った。役者が違うとどう変わってくるかに興味がある。緒方拳がたけしに替わっている。明日でも観てみよう。「科捜研の女」は再放送だった。朗読の練習は明日にする。
３月２３日（火）小雨後曇り
朝のうち小雨が残った。９時に八柱霊園へ向かう。和子は行かないといっていたが、急遽コーラスを休んで参加する事になった。恒夫妻、久保木夫妻、と６人が揃ったのは久し振りか。お花が備えてあったのは、I兄貴のものか。お墓の掃除を済ませ、いつも通り、お線香と供物を供え、例年になく寒かったが、自動で燗のつくお酒で乾杯。しばし歓談して引き上げた。帰りに今年は新年会ができなかったので、その代わりにということで、松戸の「藩」で、ささやかな宴を開いた。お互いだんだん年をとって行くが、まだこうして揃って墓参りができることを喜び合った。雲が再び濃くなってくる中、１１月の法事での再会を約して３方へと分かれて帰途につく。
真保さんの「相棒」はテレビの相棒とは全く無関係だった。この人の作品は今まで読んできた小説とは異色で、国家とか社会的な任務を帯びた組織を舞台に、その中の人間を描いている。「相棒」は、緊急な海難救援組織の人間を描いている。「防壁」などは特に要人のSPを扱っていて、文体も重い硬質感があって、時には読み難いと感じる。
一寝入りした後、メールを開けたら、武さんから、私生活通信の原稿は付記を添えて転送してくれた由。
３月２２日（月）また雪混じりの雨、寒い
この所の気象の変動は高齢者には要注意だ。そのせいではなかろうが、いかりや長介さんが死んだ。癌の病状が急変したようだ。何となく寂しい。７２歳と聞くと尚更だ。時代を最高にラッキーに流れてきた芸人だろう。あの奇怪なユーモアと哀愁を湛え、闘争力に満ちた俳優（僕は敢えてそう呼びたい）もそう沢山はいまい。
明日は墓参りだし、小雨の中敢えて入間まで崔監督、小林薫主演（いや主演はクイールという盲導犬だが）の「クイール」という映画を観に行った。ほんのりしんみりとした物語で、とにかく犬がいじらしい。彼を取り囲む人間達の温かく短くやり取りされるセリフが良い。クラシックなヒューマン動物物語の系統に入るのだろうが、盲導犬の育成の過程が分かって興味深かった。ただ疑問点も幾つか残った。盲導犬は一生一人の主人にしか仕えられないのだろうか。それから誕生に関与した人、一年だけ育てる里親？そしてその後訓練に携わるプロの会社。仕上がった盲導犬を利用する小林さん。小林さんが亡くなった後、引き取る最初の育て親、この人たちの間にかなりのお金の流れが当然あったのだと思うのだが、それには全く触れていない。優しさだけで構成されている。多分誰でもが盲導犬を利用できる訳ではなく、相当な費用がかかるものと思われる。悲惨に闇の中で一生を終える人も多い筈。現実的になるが、こんな面にも触れて欲しかった。
映画の帰りには、雨が雪に変わっていた。沿道の櫻の蕾が縮み上がっていた。
明日は私生活通信ＮＯ５の原稿締め切りだが、八柱まで墓参りに行くので、夜のうちに書いて事務所に送っておいた。会員増減についての数字は、書き足して貰うことにした。
３月２１日（日）晴れ、冷え込む
櫻は既に咲き始めているが、気温は平年より寒い感じ。和子はバッハの「マタイ受難曲」を聞きにコーラス仲間と出かける。夕方まではのんびりと過ごす。久し振りに長文のメールをＭＬに書く。今朝の新聞に載ったアメリカの反戦デモの写真も添付する。５６０の軍靴が芝生に並べられ、その中に俯いてしゃがみ込む婦人の写真。静かだが胸を打つ光景だ。早速ＹａｓｕｅとＮａｇａから反応があった。ＩＰ電話の不具合の問題も話題になっている。
テレビを観たり、電話をしたり、本を引き寄せたりしたが、落ち着いて熱中できない。イラク問題が気になったり、「観る会」でのこれからの係わり方がちらついたり、余り前向きな一日ではなかったようだ。
３月２０日（土）雪、雨、曇り
朝は初めての雪が降り、一時は地面が白くなった、その後霙化して、雨になって、地面の白が消える頃、雨も上がった。開花した桜もびっくりしたのではないか。でも多少の冷え込みが戻り、花の寿命が延びるのではないか。
昨日の疲れが残っているが、歯が抜けたため気分は楽になった。もうそろそろ責任のある仕事や忙し過ぎることから身を引いた方がいいのかな、とちらっと思った。あれこれと自分を忙しく追い込んで、自分の欠点や悪い癖が目立ち始めているように思うのだ。観る会の委員長も来年はＩさん、Ａさんあたりに替わってもらいたい。Ｙ子さんが辞任して、一時的という条件で引き受けたが、続けるのは無理そうだ。「近くに住む人、出来れば女性、事務所にしげく通える条件のある人」に該当する人が現れるまで、輪番で繋げるように出来ないものか。
体がややだるいので、ゆっくり風呂に入って、早目に寝ることにする。明日もう一日のんびり出来るのが救いだ。
３月１９日（金）晴れ
魔の金曜日だった。朗読のレッスン最後の日。来週の発表会でこの新経験も終わりとなる。今日は割りに落ち着いて読めた気がするが、まだ講義調が一部に出るようだ。問題は、それがどこに出ているのかが自分で的確に掴めていないことだ。指摘されていい直してもその違いがはっきり分かっていないのだから始末が悪い。でもとにかく後１回ですべて終わる。楽しい〆にしたい。２６日には、解散会も企画されている。
今日は、練習風景のビデオを撮っていたし、発表会の時の記録とまとめて、マスプリをして売るようだ。１２００円也。不様でも記念に買っておこうか。
午後は食事をしたりして、時間を潰し、桜台事務所には５時頃着き、食料などの買物をして、参加者を待ったが、６時半過ぎても、誰も現れない。焦って気持が暗くなる。事務所の方々は平然と仕事中。ついに来てくれたのはMさん一人。運営委員もチーム以外は顔を見せなかった。仕方なく３人で芝居の話など雑談をしていたが、所在なく買いこんだお酒に少々口をつける。イラク問題で意見対立が起きたりして、飲み直しで「養老」へ流れたが、どうにも気持が落ち着かず、事務所に電話して、二人に来てもらい、心情を愚痴る。何故集まらないのか。どうして話し合いに進んで事務局も参加する姿勢を見せないのか、等々。しかし反応はそっけなかった。「事務所には飲まずに来て」が最後の注文だった。少なくとも今日は昼にビールを一杯やっただけ。人格的に委員長失格の烙印を押されたようなものだ。
魔の金曜日となったが、ともかく当面の重荷が下ろせて、疲れが１度にどっと出た。来週の朗読発表会が終われば、金曜日も暇になる。また本も読めるだろう。
３月１８日（木）雨
東京に櫻の開花宣言が出たのに雨。和子は新宿にジュエリーの仕事。留守中荷物と書留が届いた。書留はNTTのクオカード。アンケートの謝礼だ。また和子に現金で引き取らせる。例会の重労働で体の節々が痛い。朝は１０時過ぎまで寝ていた。ワインの二日酔いでもあった。雨のお陰で静かな一日。観る会HPを書き換える。今度は「アンネの日記」だ。もう古典になっているが、時代は少しも進んでおらず、いつあの過ちを繰り返すかしれない。大江健三郎が、英語のスピーチで、「平和の文化」が平和憲法とその具体的表現としての教育基本法が改悪されて再び「戦争の文化」へと局面を変えつつある。母親と若者が「会話スタイルの表現から深い意味を表現可能な文章スタイルの自己表現へと転換しなければならない」と講演した。質問に真剣に答えず座席に戻って「薄笑いを浮かべる小泉的態度」を手厳しく批判した。
アルカイダが米国に追随する各国を「死の司令部の標的」にすると宣言し、日本も明確にその中に含まれる事をアラビア語紙に発表した。航空機、新幹線、公的施設や大ホテルなどが狙われそうだ。スペインの政変と軍隊のイラクからの撤兵などアメリカの孤立化を狙う戦略だろう。それにイラク国内としては、アメリカ主導の新体制作りを纏めさせないように、宗教的政治的各派の対立抗争を激化させるのが目的か。アメリカは「民主化」こそがテロに打撃を与えるものであるという立場に固執して、武力による押さえつけを強調している。イスラム世界を単純に力で抑えこもうとしている現状況が、世界に危険をばら撒く結果になっている。「大義」は既に幻であったにも係わらず、破壊という現実だけが先行し、「復興」という名の利潤追及が進められ、「国益」という言葉で国民を欺き、派兵を既成事実として憲法や教育基本法を改悪しようと企む現在の政治は日本を危険なきな臭い国土に化すること以外の何物でもない。
明日は朗読の最後のレッスン。来週はもう発表会だ。数回読んでみたが、ますますポイントが見えなくなってしまった。もう原点のいかに言葉でイメージを伝えるかに戻って、謙虚に纏める他に手は無さそうだ。夜は「私生活」のまとめの会が、桜台である。TTRが職場関係の送別会で来られないと聞いて打撃を受けた。
３月１７日（水）晴れ後曇り
「私生活」第２日。１１時に家を出る。１２時過ぎに会場に着いたが、もう担当サークルの方々がちらほら集まり始めていた。「むげん」の宮沢さん中心に総勢１０名のメンバーが現れ、心強い。作業分担もすんなり決り、万事OK。
今日は１階でもう一度観ることにする。やっぱり声は通るし、セリフの微妙なところや表情が良く見えて、昨日よりずっといい。この芝居は、セリフの面白さが生命なので、観客の反応も随所に出てくる粋な表現にソフトな笑いが漣のように絶えず起こっては引いて行く。人間の気侭な感情の移り変わり、愛と嫉妬の葛藤、愛着と突き放しの矛盾などに気付き、コントロールしようとしては何度でもやり損なう。人間の滑稽さ、悲しさ。岡田も水谷も舞台を楽しんでいるようなゆとりを感じる。昨日も岡田さんは一番遅くまで楽屋に残っていて、テレビでサッカーを観ていたとか。気侭に楽しい理由付で自分の人生を納得し、常識とか道徳などを乗り越えてしまう。常識の枠から出られずに消えて行く人生が多い中で、罪意識までをおちゃらかしての「人間肯定」を、この二人の猫のような愛すべきジャレ合いに見出して、実に楽しかった。もう一度台本を読んでみたくなった。
新しく入った３人の会員さん（本庄さん、数馬さん、小林さん）ともご対面。良い席なので喜ばれた。すべて終わって、搬出の作業に移る。大勢の担当サークルの方が参加してくれ、次々と道具が運び出された。今回特に重い大道具、サイズの大きなものが多く、搬入も搬出も大変だった。汗だくの作業で、今も体のあちこちが痛い。創作側のもう少し適切な指示が欲しかった。道具を置く位置の指示が直ぐ返って来なかったり、まちまちになったりで面食らった。スタッフの人数も少なく気の毒だとは思ったが、こちらは全くの素人なのだから、危険防止のためにももう少し裏方の体制を固めて欲しかった。参加してくれた会員さんは皆汗だくで働いてくれた。
今日は、和子等が喫茶店で待っているというので、チームのご苦労さん会もせず、相棒のKとも別れたのに、サテンで落ち合う事が出来ず、ホームで和子と大内さんに出会って結局そのまま武蔵藤沢まで帰ってしまった。夕飯を外でしたいというので、近くのイタ飯屋の「モダン･パスタ」に入る。僕は歯の負担にならないハンバーグをツマミにして、赤ワインをごんごん飲んでしまった。疲れに沁みこむようなワインの旨さ。ワイン２本が空になっていた。二人と「私生活」の内容についてあれこれ議論するうち、語調がきつくなり、自分達の生き方にも及んで風雲急を告げそうになり、慌てて席を立つことにした。もう何もしたくなくて、そのままバタンQ。
３月１６日（火）晴れ
例会「私生活」第１日。いつも通り搬入が１２時から。搬出入口へ行くと、超特大のトラックに大道具小道具がぎっしり。これは大変だという感じ。案の定搬入の人数はほんの数名。大型、鉄枠の重い書割りが大量。汗だくになって運ぶ。段々握力がなくなって行く。しかし出来あがった舞台を見て感激。華麗な洒脱な美しさ。デザインも写実ではなく、装飾的なデフォルメが施され、主役の岡田、水谷、そしてもう１組のカップルの艶やかな容姿をしっかりと支えている。内容もそうだがとてもオシャレな芝居なのだ。
座席の関係で、２階の上段で感激。ややセリフが聞き取り難いが、客席は充分に沸いている。明日はもう一度１階で観てみたい。
終演後、Hさん母娘、Nさん、NUさん、Eさん、Oさん、それに事務局が加わって、ASOで乾杯。初日が終わった。明日は新人３人の顔も揃うので、しっかりと迎えたい。
３月１５日（月）
晴れ
目を覚ますともう８時４０分。慌ててビン缶・ペットボトルゴミをまとめて置場へ。やっと間に合う。歯のせいで今日も食事は辛い。でもなるべく食べる。食べなければ駄目だ。ヘロヘロになってもへばり付いている歯がいじらしくなる。痛いが神経が死んでぽろりと落ちるまで付き合ってやろう。ゆっくり時間をかけて食べる。
辺見庸氏が倒れた。脳梗塞か。まだ若いのだが、絶望感が彼を追い込んだのではないか。重症でなければいいが。
スペインの政情が変わった。アメリカ追従路線がテロを契機に批判された感じで、イラクからの撤兵が野党の公約になっていたので、国際的にも影響があるだろう。小泉はスペイン大使館への弔問の際、例によって「テロと戦え！」を訴えたという。
明日から忙しくなるので、体を休めておく。「私生活」の例会が始まり、まとめの会まで突っ走る。その最中に朗読の最後の練習が挟まっている。今日ぐらいはと、久し振りにテレビと読書を楽しんだ。また「科捜研の女」が始まった。でも今日のは前に観たことがある。夜のサスペンスには潮刑事に何と長嶋一茂を起用。彼もタレントから俳優になるのか。でもまだ一寸力不足か。本は東野圭吾の作品を読み終えた。ここでは加賀刑事というのが活躍する。彫りの深い容貌と頬のこけた精悍さで頭の回転の速い人物。市井の凡人を問い詰めて行き見る見るうちに犯罪に追い込まれた人間の輪郭を鮮やかに描き出す。まるで日常の中に潜む殺意を裸にして行くように。横山と東野をもう少し読み続けたいと思う。ただこの手の作品は何故かまだ図書館には置いてないのだ。
早めに風呂に入り就寝。
３月１４日（日）晴れ
「観る会」のHPを一応完成した。中味が一時凌ぎで、読み難い写真や記事があるが追々改良して行くつもり。ただこのプロバイダーは新しいせいか、HPが完備できていず、カウンターのつけ方などの記述が見当らない。これまでのやり方でソースを弄ってみたが、バッテン印で数字が出て来ない。しばらくはカウンター無しで行こうと思って削除した。出来上がって張り詰めた神経が一気に緩んで、疲れが出た。
５時頃から特別委員会の慰労会で、マイクロバスで狭山ヶ丘方面へ。歯が痛くて食べ物には対応できず、殆どは持ち帰り。話しながら飲んでばかりいた。委員長のNさんが、しっかりと活動経過から感じた事をまとめていた。それは同時にこの団地の管理組合の歴史に係わることであり、今後の運営に係わることである。皆誠実な人柄であり、ボランティア精神に富む人達だ。誇りはあるが奢ったり昂ぶらない気さくな人達だから、気持良くやって行けるのだろう。総会での承認、着工、工事管理、完了、の手順で進む。委員会も来年の頭まで存続する。委員長は、現理事長と入れ替わり、Nさんは次期理事長の任につく。
混ぜ飲みをしたせいか、かなり酔って帰り、バタンQで夢の中。
３月１３日（土）晴れ
事務局に報告した以上、いつまでも未完や工事中では、みっともないので、取りあえず２００３年までを完成した。今年の分も途中まで（「私生活」まで）は作っておきたい。総目次には上演が決っているものの日付や作品名を入れておくことにする。明日中に仕上がるだろう。他の項目も「会報」のページなどをコピーすれば、何とか形が整うだろう。インデックスに一応書いた項目は、適宜変えても良いと思っている。
午後は大泉の同僚だったKさんの奥さんが加わっている「球体関節人形」の展覧会を見に木場の都現代美術館に行って来た。実に不思議なムードの人形だ。作者は人形を解体するように、現代に生きる自分自身を解体しているように思える。その意味で「SM」的な自傷行為も感じるし、性的活力の衰退から来る過剰性意識、怨念を内包する美意識、江戸川乱歩のおどろおどろした世界、どっかで物の怪にも繋がる人間解体。作者達の必至な抵抗にもかかわらず、ハイテク世界に組み込まれてしまう事から逃れられず、自分の欠陥や背骨や子宮や性器が機械部品と化して行くのを自ら切り開いて開示して行く生真面目さ。自分の替わりに人形を切り刻んでいる芸術家たちの心のアトリエが見え隠れする。たまたま歯痛で悩んでいた僕は、会場を歩きながらさらに歯が疼き出すのをどうしようもなかった。今回の芥川賞受賞の若い女流作家達の内面や、少年Aなる人物の存在などが、頭を過って行った。文春最新号では、若い作家の作品を読んだ感想が特集されていた。大人達が知らないおどろおどろしさで生きる娘達に奇怪さを感じて、「芥川賞」と書いた護符で封印をして、棚に上げてしまったような現象だったように思う。Kさんの奥さんの作品には、まだ「有機的肉体」が疼いているように感じられた。「解体の度合いがまだ足りないのだ」という総括などして欲しくない。
家に戻って、また「観る会」HPの完成に少しずつ近付く。とにかく集中してやらないと、作業が乱れ、網の目がほつれて動かなくなる。失敗には必ず原因があるのが分かっている今は、どうやら前進している。
東野圭吾（ひがしのと読むのだそうだ）もなかなか達者だ。軽快な会話を駆使して爽やかに謎を解いて行く。普通の人間が立ち尽くしたまま犯罪者の輪郭を明らかにするというような作品（「嘘をもうひとつだけ」「冷たい灼熱」「第２の希望」）を読む。電車の中でせっせと読める分かり良い文体だ。
３月１２日（金）晴れ、やや寒い
腹の具合と歯の調子が良くないが、いつも通りに８時過ぎに朗読のレッスンに出かける。途中国分寺の駅でトイレ。何とか落ち着いてアトリエまで辿りつく。体操から始まり、読みに入る。なかなか良くならない。後半で講義調が出るらしい。トットちゃんのイメージも先生のとはずれているようだ。「健爺」流でまとめてもいい、と言うようなことを言われると、どうしても何とかしたくなる。残った歯のうち上下一本ずつが歯周病か、緩んできて、食事の時に噛み合わせが悪くなり、痛む。腫れも出てきた。発表会が近付いて来て、自信が薄れて行く感じだ。後２回で終了。
歯医者は金がかかるので行くのが重い。自民党と歯科医師会との癒着にも腹が立っている。権力に遠いものは、資金に乏しく、公金詐取に問われている。特定団体からの政治献金は大手を振ってまかり通っている。個人の殺人と国家の戦争との矛盾に似た物が満ち満ちている。チャップリンが「殺人狂時代」で警告したのは、もう昔の事だ。権力に近いものだけが何をするにも手立てに事欠かない。
初めて新中野経由で大江戸線で練馬に出て見たが、乗り換え経路が決して楽ではない。バス路線が混まなければ大泉に出る方が気楽な感じがする。桜台事務所にA4版の舞台写真を届け、借りた原版を返す。ついでにHPの話をして、アドレスを確認して、事務所でも見られる様になった。仕事が忙しそうなので、邪魔をしてもいけないと早々に事務所を出る。家には５時前に帰着。HPの小道具を揃える作業に取り掛かる。大小の写真の作成から始めたが、和子が帰って来て中止。飲み物がなくなっているので、ジャスコで二階堂の大瓶を買って来る。疲れていたので酔いは急速に廻り眠くなる。
３月１１日（木）晴れ
ゴミ捨てに出たら、生暖かい風が吹いているので驚いた。４月の陽気だという。しかし明日は、１２度くらい低くなり、極端な３寒４温が繰り返され模様だ。風邪に気を付けないと。朝のうち、武さんに頼まれた「説明会」用の舞台写真の追加の仕事にかかる。１００回以後の１２例会分をA４版にプリントアウトする。途中で石神井での待ち合わせに出かける時間となる。また早めに着いてしまったので本屋で時間を調整、その間に、講談社文庫の「防壁」（真保裕一）と「嘘をもう一つだけ」（東野圭吾）を買う羽目になった。どちらも短編集。横山秀夫を読み終わり、やや食い足りなさもあって、同世代で前から気になっている作家にも食指が向いた。その後、大泉２９期（現在４６歳位か）のHさんとOさんと駅頭で落ち合い、近くのスパゲッティ屋さんで喋る。１１時半頃の出会いから、昼食をしながら２時半まで、良く喋ったものだ。どちらも子供は二人。一方はまだ中小学生、もう一方は二人とも大学生という母親真っ盛り。喋っているうちに、Oさんは、大泉の演劇部にいた事、Hさんは映研の友人と一緒に我が家に泊まった事があるということをはっきりと思いだし、当時の表情までイメージをダブらせることが出来た。学校での思い出、最近の教育現場の事、「観る会」のこと、各家庭の状態等々、あっという間に時間が過ぎた。石神井で３方に別れて、帰って来る。
行く前の仕事の続きをやる。調子の良くないプリンターを宥め宥め、１２枚の大判舞台写真を完成させた。明日朗読の会の帰りに事務所に届けるつもり。まだHPの事は報告しないつもり。追加のデータをすべてHPの内容に取り込んでからにする。ただ写真の著作権の問題などを検討しておく必要があるだろう。僕が働けなくなる前に、HPの利用の原形と、メール網の連絡補助手段への活用を、出来るだけ進めておきたい。運営委員の新候補も数名上がってきているので、さらにその枠を広げたい。
さて、明日はまた金曜日。朗読教室の日。緊張が走る。でも寝る。
３月１０日（水）晴れ、東京大空襲記念日
朝起き抜けにポリ系ゴミを捨てる足で、新入会者のKさんのお宅により、会員手帳等を投函した。Kさんにも扇町屋のお二人にも「席詰」について予めお話しておく必要がある。Kさんはメールで済むが、後の方には電話でもするか？
尿酸の薬を澤田さんに貰いに行ってから、「観る会」のHP作成の仕事を継続する。先ずは画面の上に出る広告を避ける為に今までのページのデザインを下に下げることから始める。年代目次１８ページ、舞台写真１００枚分を済ませ、次いで新しく加わった１２例会の舞台写真２２枚をスキャナーで取り込む仕事を終えた。一日がかりの大仕事だった。新しい写真を使ってHTMLのページを作るのは明日以後の仕事にする。会の公式HPとして役立つかどうかは別としてともかくも作っておかなければ提案も出来ない。
背筋を伸ばすために散歩に出る。帰ってからまたパソコンに向かう。余り調子の良くないパソコンに一日中付き合う。
３月９日（火）晴れ
朝から、「観る会」のHPを「風船蟲」から独立させる仕事に取り組んだ。結構手間取って、何とかAAA!CAFEのサイトに登録が出来た。材料は今までのものをそのまま使ったが、「工事中」ということで、徐々に新しくしたり、付け加えたりして行く事にした。正式の「観る会」HPと認めてくれるかどうか分からないけれど、１１２回までの舞台写真を完成してから、事務所に報告しようと思っている。
１１時半頃、恵比寿のエコー劇場へ向かう。「マチのモノガタリ」の観劇だ。恵比寿のスパゲッティ屋さんで「青ジソとメンタイのバター風味」で腹ごしらえ、コーヒー付きで８４０円。吉野家よりは贅沢。コーヒーの香りを鼻の先に漂わせながら、小さいながら妙にオシャレな「エコー劇場」に入る。今までのエコーは、洋もののコメディに取り組んでいて、汗だくになって笑わせようと頑張っているような舞台を創っていて、僕の口元が一層こわばってしまう経験を何度かしたが、今回は極めて日本的な軽い、でも内容的には重要なテーマで、笑いを試みている。言葉の意図された「トボケ」によって、欠落したコミュニケーションの谷間に本当の意味を暗示している用意周到なセリフが交換される。人と人との繋がりを「マチ」というイメージで追って行く。「マチ」は、語源的には「待ち」から来ているという。人を待ち、交流し、また別れ、そしてまた待ち始める。ダムに沈んだマチに係わる人たち、他のマチを追われて、このイメージ上の「マチ」を訪れてくる人達の空想的な長閑な「マチ」作り。最後にはコンピューターまで登場して、仮想上の「街」にも触れ、実体のない人間の交流の空しさをちょっぴり風刺。大笑いは起きないが哲学的な微笑を誘うユーモア喜劇とでも言うか。僕には、今までのよりこの方がしっくりする。
帰り道を楽しみながら、桜台へ。会議は盛沢山で、たっぷり９時半を過ぎる。そのまま帰宅。今週も経つのが早い。直ぐ金曜になりそうだ。トットちゃんが気になる。徹のくれた越後の日本酒を晩酌に、夕飯を済ませ、風呂に浸かって眠気を手繰り寄せて、それが逃げないうちに床につく。「たそがれ日誌」は明日だな・・・と意識しながら・・・。
３月８日（月）晴れ
何故か５時に目が覚め、そのまま起きてしまう。９時までは郵便局が開かないので、新聞ゴミを束ね、直ぐ捨てられるようにして、総会がらみの資料原稿を自分の分だけ書いた。前文、例会報告２つ分（「ゲン」と「ジハード」）それに「入会説明会」の記述の４編）。それを事務局に送り、電話を入れて、新入会者の座席の確保を依頼する。納金と申込書は明日委員会の前に出す。朝のうちに「一味だより」を郵送、配布。その時にジェットプリンター用葉書を購入し、すぐに４回目の「私生活」運営サークル会葉書通信を印刷、即発送した。なるべく賑やかに楽しい会にしたい。例会もだが「まとめの会」には、「むげん」や「TTR」の男性達を迎えて賑やかにやりたい。明日には代表の皆に着く。仕事の終了は丁度１２時、お昼だった。昼食後ぐったりと疲れて、昼寝。この所昼寝が目立つ。テレビは面白くない。夜９時のサスペンスは期待している。
夜チンペイから電話があり、「熊」も来るから、２７日に旗の台で飲みたいと言う。OKを出した。その日は和子が１泊旅行なので、久が原にでも泊まろうかとも考えている。でも疲れ気味なので、早く帰って寝るかもしれない。いずれにしろ先の話だ。それまでが戦争のように忙しい。
３月７日（日）晴れ、風が冷たい
この変化の激しい気候のせいで、元気な長嶋さんが倒れた。オリンピックのストレスとも伝えられるが、こんな気狂いお天気では誰だっておかしくなる。
午前中に「一味だより」のプリントを仕上げ、封筒詰めの寸前まで用意して、六本木の俳優座劇場まで出かける。公の援助資金も受けて、若手芸術家の芝居に各劇団が取り組んでいるが、「朋友」の「元禄・馬の物言い」を観てきた。拙さはあっても若い熱の入った公演で、好感が持てた。台本も面白いが、もう少し手を入れる必要がありそうだ。でも「ジハード」と同じ作者で、井上ひさしさんを信奉するという作者らしく、歌のあしらい、言葉の表現への拘りなど、なかなか良いものを持っている。現代の日本の国家主義への傾斜に対する警告なども感じられ、取り組みは意欲的だ。今日に続く明日を生きて行く庶民の生活。全く別の所で仕組まれている権力の意図。庶民はそれに絶え、時には卑屈に、時には抗い、逞しく生き続ける。男社会の中で、二重の束縛を意識無意識に感じながら働き続ける女達。井戸端会議が政治評論に繋がる際どい可能性。春画描きや春本書きが活躍する「元禄ジハード」とも言えるが、言論統制なども含めて現代的テーマが随所に垣間見える。まだ芝居の流れとか山場の設定などで、改良が望まれるが、アンサンブルを強調して「ジハード」をあそこまでに仕上げた「朋友」だから、この本もきっと磨きがかかってくると信じている。ストーリー展開も、もっとミステリー的運びを利用すると、隠密が姿をわらわにして切り合いをしながら、やっと筋が見えてくると言うような無理を減らせるのではないか。
真っ直ぐ家に帰ったので、５時頃帰着。和子はまで戻っておらず、赤いキツネを食べ、一杯あおって、一寝入りすることにする。嫁の実家からのお見舞いのお礼電話で目を覚ましたら、もう８時になっていた。直後に和子が帰宅。食事をしているうちに、団地のKさんから電話で「観る会」に入会したいとのこと。大歓迎。３月「私生活」から観たいという。明日座席の確保に動こう。目覚めてから始めた「一味だより」の封筒詰めを完了。明日一番で出し、ジェットプリンター用葉書を購入して、「私生活」の最後の葉書通信をプリントして、午前中に郵送しすべて完了の予定。
３月６日（土）晴れ
昨日の酔いでぐっすりと寝込み、起きたら９時になっていた。遅い朝食となり、昨夜書きそこなった記録の書き込みなどをする。午後は修繕委員会があり、ジャトルを呼んで最終的な詰めをする。後は１３日に未確定部分の結論を待って、いよいよ総会の予算作りにかかる。終わって帰ったのが、５時過ぎ。
「私生活」運営サークル会の葉書通信NO4を入力し、もういつでもプリントできる。さらに、「一味」の「たより」の作成にかかる。途中で「清兵衛」を観ているうちに夜のサスペンスになり、中断。これが面白くなく、途中で居眠り。訳分からないまま終わってしまった。今日はここで一日を終わらせる事にする。「たより」の続きは明日に縺れ込む事となる。明日は俳優座劇場で朋友の「元禄・馬の物言い」を観劇の予定。
MLのYのご主人は、卒業式に君が代斉唱で起立せず、歌わず、事情聴取されたという。この報告により「業務命令違反」の処罰が用意されるのだろうか。ファッショ的職場状況の中で、後輩達は苦悩している。Aの所では、歌う状況は平常化しているようだ。小中高の各段階で受け止め方の違いが出ているようだが、上に行くほど、教師と生徒の距離が近くなり、教師の態度表明そのものが教育に直接的にかかわってくるので、目下反発の強い都立高校に最も圧力が掛かっているのだろう。最後の橋頭堡潰しである。また幾多の犠牲が予想される。
３月５日（金）晴、寒い
忙しい金曜日だ。６時起床。軽い体操。朗読の本読み１回。メールの点検。食事、トイレを済ませて、８時少し前に出発。今日は家からジーパンをはき、着替え用のザックは止めにした。運動靴、台本、発声練習用教科書、水を詰めたミニ・ペットボトルをを紙袋に突っ込んで手に持つ。アトリエは「新人会」の練習のためか、下の小ホールを使う。発表会が近付いて、舞台への出入りのマナー、台本の持ち方、なども振り付けて、読みの練習をする。「教員節」は無くなったようだ、と言われたが、いつまた現れるか心配。最後の一節の読みについて「状況ではなく情景を」出すようにとアドバイスを受けたが、実践上は謎の海だ。今までは不安な都市を上から鳥瞰するように読もうとしていたのだが、もっと中に入り込めということか。「もっと行けるはず」という先生の言葉に力を得て、何とかこの謎を解きたい。
１時ごろ終わって、吉祥寺の駅で立ち食い蕎麦（天麩羅とワカメ入り）を食べ、一度自宅に帰る。憲子が父母懇談会に出るために永実と奈々の子守りを頼まれ、和子は所用があるので、爺の出番となった。学校まで迎えに行き、手を繋いで団地の公園へ永実の縄跳び、奈々の滑り台に付き合って、奈々の「オシッコ」の声に、管理事務所のトイレに運び込み、用を足す。おじいちゃんの家へ行くという永実、まだ滑り台をしたいという奈々。適当な所で折り合いをつけ、家に連れ帰ると、ランドセルを投げ出して、いつものようにやんちゃが始まる。ジュース、お菓子などで落ち着かせようとするが、その手にはなかなか乗らない。永実が紙と鉛筆で字を書き始める。１００点を書いてくれという。花丸をつけてくれともいう。英語で「べり、ベリ、グッド」と書いてくれという。奈々はあちこちに首を突っ込んで、手当たり次第に物を動かす。止めるともっと遣り出す。そのうち、「オシッコ」「ウンコ」を連発。トイレからパンツを穿かずに飛び出して来る。コロコロウンコが便器に見える。紙で拭いたのか分からなかったので、もう一度拭いてみたが、紙は汚れない。パソコンの前の椅子にも座りたがる。チビッコ旋風到来である。慣れない事なので、こちらの手際も悪く、ただただ右往左往している。やっとパパの徹が顔を出して、ほっとする。気を遣って上等な酒の中ビンを持って来た。「飲み過ぎないように味わって飲んでと言って帰って行った。
息を入れる暇もなく、桜台行き。６時１５分に着いたが、もうTTRのAさんが見えていた。徐々に１０数名が集まり、この会に入ってどう楽しんで居るかを話してもらったら、結構面白い話が沢山聞けた。いつも司会術というものの難しさを痛感する。
片付けてから、事務局を誘って養老の滝へ行く。疲れていたので、結構廻りが早かったが、気分良く飲めた。帰りが遅くなった和子と合流して帰宅。パターン･キューで翌朝の９時まで寝てしまった。
３月４日（木）曇り、雲厚くなる
気温が凄く下がった。観る会の会費納入の準備で、郵便局に行ったら、冷たい風が強く、空の雲も厚く、雨になれば即雪かなという状況。明日は出かける日なので、不安。昨夜は寝たのが遅かったが、今朝は早く目が覚めた。直ぐに起きずに横山を寝床で読む。２冊目の第３作品にかかる。少しずつこの人の輪郭が見えてくる。でもまだまだだ。極めて常識的な意識の中で、決して常識的でない「生活反応」を示して生きて行く人間とでもいうか、非常に面白い。飛躍があり過ぎる場面もあるが、清張に韻文的な要素を加えた感じで、新しい。
MLでは、卒業式問題が燻っている。「強制」というところでは、MLの意思は一致しそうだ。勿論MLが一定のイデオロギーで足並みを揃えているなんて露ほども思わないから、Qちゃんが、敢えて「異論」を前提にするのは良く分からない。一人一人が異論なのだと思う。日の丸も君が代も日本のこれからのイメージも。
明日の「朗読」を考えて、声を出し、「約束」を何度か読む。先生に言われた、ポイントを反芻しながら、読み直してみる。発声をやってみる。自信は出てこない。
保険の満期の手続きは、和子に自分でやらせた。今日のうちに簡易書留で郵送したようだ。
古いアカデミー受賞作「ある愛の詩」を観る。ジーンと来る。
３月３日（水）曇り、朝夕寒い 雛祭り
朝から確定申告の書類記入に取りかかった。収入の数字と控除の額の基準に、和子が年金を僅かながら貰うようになったという条件の違いや、換算表の使用などを間違えて、手間取ってしまった。やっているうちに思い出したが、久が原のうちに問い合わせをして松ちゃんに迷惑をかけたりしたが、何とか午後には郵送できた。今は国税庁のHPに、記入の手順を追って仕上げることの出来るプログラムがあって、自分でやったものに間違いがないかどうかを確かめるのには役立つ。今に電子書類で出せるようになるのではないか。ただ、重要なデータが含まれるので、セキュアリティが問題になるが。とにかく少しほっとした。
夕方から、「ミスティック・リバー」が終わってしまうので、飛び出して観て来た。観ておいて良かったと思う。横山サスペンスにも似たムードの作品で、アカデミー賞の主演男優賞、助演男優賞の両方を獲得しただけあって、難しい心理表現を見事にこなした
ショーン・ペン（ジミー役）とケヴィン・ベイコン（刑事役）の演技は素晴らしい。やはり演劇的な評価とは別の所で「映画」が論じられているのは明かだ。
MLでは大ちゃんから丁寧なお礼のメールが入っていた。彼の最長のメールではないか。Nの熱は下がっているらしく、少しほっとしたが、無茶をやり過ぎる。見ていられなくなる。
３月２日（火）薄曇、天気下り坂
５日予定だった修繕委員会が６日に延びたので、観る会との重なりの不都合がなくなった。結局忙しくなるけれど。アカデミー賞は結局日本勢は選に漏れた。「指輪物語」に１１部門を総なめされ、ノミネートされていた部門はすべて獲得したという。作品賞、監督賞と、俳優の各賞とが、別の作品、「ミスティック・リヴァー」とか「モンスター」「コールド・マウンテン」「みなさん、さようなら」などに流れているのが、目に付く。作品の規模とか幻想性など、映画的特異世界での受賞であり、内面的人間表現としての、主演賞や助演賞を指標として見る立場も成り立ちそうだ。「指輪」以外の作品は観てみようと思っている。
やっと確定申告の書類の封を切った。やりたくないことを毎年やっているので、要領を全く覚えていないのだ。去年のと比べながら、始めたが、どうしても途中で別の事がしたくなる。飲まずにと思っていたのだが、やっぱり飲み始めてしまった。飲んで間違えるといけないという良い言い訳が出来て、結局途中でパソコンの前へ。国税庁のHPに数字を入力するだけで、書類が出来あがって行くプログラムが載っているというのでやってみたが、とんでもない数字が出て来てしまうので、恐れをなしてここからも敗退。
まあ、明日またトライしよう。
MLの大ちゃんの誕生日。またお祝いカードが舞い飛ぶ。その中、Nが発熱したようだ。この所不調続きで心配だ。Kayoの声が掛かった時に、しっかり医者にかかっておくべきだったのではないか。
３月１日（月）
小雨、気温急に下がる
３月に入った。微かに感じる霧雨。また寒くなった。三寒四温とは良く言ったものだ。昨日チラッと思いついた「マスター＆コマンダー」を、入間に観に行った。壮大な描写は後半に集中していて、船酔いしそうな大画面が、前半の眠気を吹き飛ばす。主人公よりもドクターの人柄が魅力的。戦闘員であり、軍医であり、博物学者として自然への関心が強い。言葉よりも行動と心の動きに美がある。主役は影が薄くなる。この人なんか「アカデミー」の助演賞を貰ってもいいように思う。「ラスト･サムライ」の渡邊も確かに良くやっているが、僕を惹きつけるものがあった。しかし前にも書いたが、大規模な「戦闘シーン」の続出する映画が大流行りだ。だが、肝心の「人間」の姿が希薄になっている。映画の魅力として、「作りもの」の面白さを僕は否定しない。いろんな小説があるように、いろんな手法があっていい。お金が掛かるのも仕方がない。でも客寄せのために奇を衒う事を目的にした「商業映画」（興業を無視できない業界なのだが）は、いつか滅んで行くと思う。戦争ものの主人公は時代にもろに揉まれる立場の人間になっている。魅力を発揮するのは、少し時代の隅にいて、斜視的に現実を見詰めて、ぽろっと零れるような「人間味」を出している「脇役」＝助演に多いのが面白い。この所立て続けに大掛かりな戦闘ものに接したので、妙なことに気付いた。各賞の中で助演賞受賞者をマークしてみたい。僕は映画に関して保守的だから、どうしても「文芸大作」のイメージに流れるのだが、映画の特殊可能性の追求を手段と心得、あくまで人間を描こうとしないと、映画は単なる莫大な金をかけた「見世物」「エンタテーンメント」に終わってしまう。帰ってから、夜観たビデオの西部劇のクラシック「荒野の用心棒」は、何か「懐かしい」ものを僕の中に吹き込んでくれた。まさに戦闘ものの「一寸流れから外れた」助演俳優が主役になった錯覚が起きた。英雄ならざる英雄（ゲバラを思い出す言葉）、温かさの冷酷な表現、そんな思いが走る。
ジャスコで、二階堂の大瓶を買い、これで今日の締めくくりとする。
２月２９日（日）晴れたり曇ったり、４年に１回の日
北区では、特色ある地方自治体づくりということで、変わった試みをやっている。毎年ミステリー文学賞作品を募集して、大賞を選んで表彰している。その選考委員の中心に、北区アンバサダーと呼ばれる作家内田康夫がいる。今日その表彰式と記念イヴェントが北トピアであった。僕は勘違いをしていて、内田康夫の作品を劇化した舞台が観られるものとばかり思い込んでいたら、そうではなく去年の大賞作品を平石氏が脚色演出して上演したのだった。表彰式がメーンだったのだと思う。劇団銅鑼が出演したのだが、声が通らず、かなり良い席だったのにセリフが聞き取れない。演出も余り冴えず、若手と年配の女優さんが演じたが、声が出ていないのだ。あれでは作者も見ていて辛かったのではないかと思う出来栄えだったのは、残念だ。まあ内田さんの生の顔を見れたのが収穫。脚色自体が、内田氏の「光彦ブーム」に衒ったような締めくくりになっているのも感心できなかった。入間の映画の方が良かったな。
２月２８日（土）晴れたり曇ったり
今朝は３時に起きて、観る会会報の原稿を書く。「ケプラー」の感想。「私生活」の作者と作品の紹介ページ（カワードとアマンダ）、の２篇と２枚の写真をスキャナーでコピーしたものも添付した。出来あがったら７時過ぎ、ほっとして眠気が出て、一寸寝こんだら、午後３時まで目を覚まさなかった。
８時からYさんのご主人が、タケシの番組に出るというので、見ていたら、覚えのある顔が登場した。後藤新平の役だが、ドラマではないからセリフはなく、顔を見せるだけだが、それでも立派な顔でなければ、使い物にはならない。退職をしてから東俳の研究生として頑張っているとか。その後の北大路と内藤剛志の「法廷もの」も面白かった。確定申告には手を付ける気にならず、「観る会」のHPを自分のHPから分離して、独立したHPとして構成したいので、その準備を始めた。上演した作品の写真一覧は、１００回記念の時にまとめてあるから、もう少し手を入れて、「会」の説明、過去に取り上げた作品一覧、今後の上演計画、事務所紹介、役員紹介、当面の例会の紹介、新会員募集の呼びかけなどを骨組にしたい。新たにどっかの無料HPに登録して、利用する予定だ。
２月２７日（金）晴れ
もう４回目で習慣になって来たが、６時起き、７時５０分家を出る。ついでに危険物のゴミ捨て。吉祥寺に向かって、乗り換え３つ。朋友のアトリエへと急ぐ。着くと、直ぐ玄関先の突き当たりの部屋で運動着に着替え。荷物を持って２階のアトリエへ。「元禄・馬の物言い」の舞台が置いたままになっている稽古場で「西海教室」が始まる。いつも通り腹式呼吸の体操、発声練習、そして個人指導へと、予定の２時間ワークショップは、ゆうに３時間に及ぶ。大サービスだ。西海さんは、昼食も摂れない。先週トップにやってもらったが、今日は終わりから３番目。声は出ていたような気がするが、読み方が、自分で改良した部分が先生とずれていたようで、どうも上手く行かない。確かにトットちゃんの「子供っぽさ」の掴み方が拙かったようだ。あの子のマセタお茶目という点の理解ミス。余り気を入れすぎる所が、和子のいう「暗さ」に繋がるのか、とも先生に言われた。もっと「けろっと」やれる工夫を今度はやってみよう。それから教師調がまた復活してしまったようだ。そして最後の３行が問題だ。「ニュース解説調に戻る」とか「社会科の先生の講義調に転調する」、この辺は凄く良く分かるのだ。これって一種の「気取りの姿勢」なのかな、とも思う。何せ自意識過剰の俺だから、その辺が正直に出るのだろう。来週こそ「良くなったよ」と言われたい。金曜を中心に生活が廻り始めた様で、時間割のずれた学生になった様だ。朝、駅に向かって歩く時のライジングサンの眩さ、出勤時代の記憶が目覚める。あんなに一生懸命な先生だからどうしてもステップアップしたい。朗読部分もトットちゃんが先生への信頼関係を膨らませる部分だから、まるでピッタリで、頑張る以外手はないのだ。
教室終了後、若い友人達と語り、気分的に凄く若返り、来週こそという気持になる。夕方５時過ぎに桜台に寄り、「私生活」の「会報」原稿で未確定の部分を埋める資料を借りて、帰宅。
今日は運動量が多い上、前夜が寝不足だったせいか、晩酌の二階堂で、すっかり疲れが出て、すべて放擲して寝る事に決め、９時頃には寝てしまった。明け方早く起きて、観る会の原稿を書くつもり。この記録もそれをすべて片付けてしまってから書いている。もう翌朝の８時半である。
２月２６日（木）晴れ
とにかく手を付けなければ始まらないと、文化センターの改修工事ニュースから手掛けた。現在上演可能性の在る作品リストと会場までの経路を取り挙げる事にした。バス利用経路や、光が丘駅を下車した後の会場への経路は、実踏をした上で分かりやすい説明を考えることにする。送信時間がやや長くかかった。
横山の「ネタ元」を読む。女性新聞記者が主人公。彼の文体の特徴が顕著な作品と言える。
確定申告は先にして、明日の朗読の練習をして、ボイスレコーダーに撮る。聞いてみるとまだ余計な所で力んだりする癖が抜けてない。聞いていた和子は「何だか暗い感じ」という。トットちゃんが暗くては拙い。友人にも送って聞いてもらったが、一人で俯いて読んでいるので固くなってそんな印象になったのではないかと言われた。稽古場では、離れた所から皆の話し掛ける様に読むから少しは良くなるかもしれない。少し風邪気味なのか咽喉に痰がからむ。
武さんと話していて、「私生活」の会報の４，５ページの内容がまだ確定していないことを知った。大きな宿題を忘れていた様だ。「ケプラー」の短評も書かなくては。それをやってしまってから、確定申告と総会資料に掛かろう。
２月２５日（水）晴れ時々曇り
確定申告書作成の仕事がありながら、ぐずぐずと引き伸ばしている。まだ封も切ってない。明日にはやってしまおう、と言い逃れながら、撮っておいたビデオドラマを２篇観てしまう。どちらも眠くならずに観られる作品。一つは全共闘世代の矛盾をテーマにしたサスペンスで、前にも観たのだが、製作者が恐らくは同世代だと思われ、こうした作品が生まれる必然性が面白くて、友人に短評を書いたメールを出してしまった。
武さんからメール。「改築工事ニュース」の材料を送ってくれたのだが、これも今月一杯の仕事。僕には昔から切羽詰らないと着手しない癖が在って、雑な仕上げを恐れない傲慢さが露骨になる。義務感が興味に勝る場合には、これが顕著に表れる。今夜もどちらにも手を着けず寝てしまうような予感がする。
２月２４日（火）晴れ
幾つかの連絡で桜台事務所により、その後はマチネの観劇に。友人たちと一時間足らずの意見交流。
電車の中では、専ら横山を読み続ける。特有のショットガンのようなリズムの文体が飽きさせない。当分は続けそうだ。友人から、小池はどうなったのか、となじられたけど、率直に言って、最後に買った文庫の短編はかっての魅力を感じさせない。新しい作品だと思うのだけれど。
何故か、自分の内部にばかり視点が沈みこむ内向的な一日となった。食べたミカンの皮を乾して、風呂に入れて香りを楽しんでいるが、そんな風呂に入りながらも、相変わらず中へ中へと落ちこんで行く。生きている事の意味、愛すると言うことの意味。人との繋がりという方向性、意思という矢が飛び去った後の到着点、生活というもののナンセンスな「意味」。一度枯れたミカン皮のオレンジ色が、湯気の中で生気を甦らせ、今度は本当に捨てられてしまうという諧謔。鏡に映った自分の顔が異様に真っ赤に染まっていた。
２月２３日（月）晴れ、今日も強風
映画が気になる。アカデミー賞の発表が３月１日に迫っている。一番人気の「ロード・オブ・ザ・リング」の出来栄えが気になっていて、今日観てきた。これが何故、が僕の答えだ。大きな資本を使い、危険をおかし、ＣＧの最大限の技術を追求した作品には確かに「映画」という表現部門の魅力は感じるが、それが即傑作と言えるのだろうか。それは主演賞とか助演賞とか監督賞とかいった、部門別の賞を作品全体の印象から独占してしまうのも問題だ。大掛かりな背景作りやロケ、セット、トリック等に大資本を注ぎ込んだ門が、単なる真新しさから、高評価を得ると言う事は決して映画のために良い事とは思えないし、この傾向は違った意味で今回の芥川賞の出版社利益優先と選者の時代的コンプレックスとの結合で、もっとしかるべき作品の出現を抑えてしまったの似ている。日本の渡邊にも今回の「ラスト・侍」では、受賞して欲しくない。
最近観た映画の「戦場シーン」への金のかけ方を見ると、また戦争の時代が近付いているのかなと思う。「赤い月」「ラスト・サムライ」「ロード・オブ・ザ・リング」など、すべて凄まじい戦闘シーンである。しかし、テーマのためにどうしても必要な戦闘シーンであるかどうかを疑問に思うのは、戦闘ないし戦争シーンを全面に押し出して売り物にしたいという意図が見え見えな作品には、好意が持てない。残酷なシーンが意味を持つ作品は、最近では「レニングラード」位なものだろう。今日も出演者がいくら涙を零しても、僕の目には露一つ浮かばない。「赤い月」や「夏解」では涙が出たが、この違いは賞の評価とどう違うのであろうか。心浮かぬまま、アブラムシが浮いてきた二階堂を飲み、これで精力がつくかも知れぬと果かない願望を持ちながら、今日の映画に出てきた奇怪なグロテスクな怪物どもの軍勢を思い浮かべ、人間そのものがあの怪物なのだから、それと闘うということが現実にあるのだろうかと自嘲的になりながら、夜の記録に拘っている。ＭＬのＫはどうやら頑張り通して元気が出て来たようだ。これも喜ばしい怪物の一つだろうか。
２月２２日（日）晴れ、強風
朝、上のＴさんから電話があって、午後の「抹茶の会」に出て欲しいとのこと。ＯＫをして、フェブラリーＳの予想をやる。今年のＧ１のスタートだ。ダートで強風だから、目潰しのようになって馬も可哀想。発走までには帰れるだろう。
３回目の「私生活」の葉書通信の内容を作成。プリントは、明日葉書を買ってから。
さらに首都圏に送る「通信」も原稿も仕上げて、こちらは直接送ってしまった。今月中に書かねばならない原稿がまだ沢山ある。早めに片付けておかないと手詰まりになる。主に総会資料がらみの原稿だ。
午後、公民館に抹茶を飲みに出かける。和子は疲れていて足も痛いからと同行せず。かなりの人数の顔見知りが来ていた。和菓子と抹茶は滅多に家では出ないから、とても美味しく頂いた。茶碗が綺麗な鶴の群れが渡る図柄だったので、朝のゲームのラッキーさと鶴の目出度さで、こいつは縁起がいいぜ、とフェブラリーＳをちょっぴり買ってみたが、１頭とんでもないのが入って来て、またも３連複敗れたり、という結果。風速１０メートルの強風の馬場は、砂埃で大変だったろう。
Ｋさんは、どうやら無理を通して計画を完遂したようだ。後に皺寄せがなければ良いが。
２月２１日（土）晴れ、気温上昇
この分で行くと、数日で櫻が咲いてしまいそうな温かさ。また短い下着に替えてしまいたくなった。２時から中村橋のサンライフ練馬で、観る会の入会説明会を開催、数組の新人、或いは入会希望者と会員が集まって、展示と説明、質疑応答、交流と１時間と少しをかけて、時を過ごした。ここで数名の新入会者を得て、初めての試みとしては大満足。夜の部もあったが、僕は大修繕の会が地元で招集されていたので、４時過ぎには帰宅。昨日の疲れを取るために、一眠りしてから、管理事務所に出向いた。先日の公聴会で出た問題点の整理を、議事録に基づいて討議した。特別委員会としての基本方向を再確認し、不備を補った。短時間で散会。ゆっくりと風呂に入りたい。
中村橋に着くのが早すぎて、駅前の本屋に入り、背表紙を目で追っていたら、横山秀夫の名が飛び込んで来た。気になっていた作家なので、短編集２冊「陰の季節」と「動機」を買う。床に入って「動機」を読み始めたら、いつか観たテレビドラマの原作であることに気付いた。一括保管された警察手帳が盗まれる事件を扱ったもの。横山の文体は、短く区切るリズミカルなものだが、表現には重厚さが感じられ、清張を沢山読んだ人が若い世代の感覚で生み出した文体という感じ。しばらく楽しめそうだ。
２月２０日（金）曇り後晴れ
こんなに忙しい日は、稀だ。朝７時５０分に家を出て、吉祥寺へ向かう。こっちの駅と向こうの駅からの徒歩時間が結構あって、体馴らしの運動になる。その上に西海学校の発声トレーニングでしごかれ、初めて「約束」の朗読。入念な注意を受ける。始まる前に今日は午後会議があるのでと了承を取ったせいか、個人指導は真っ先にやってくれたようだ。１２時になると、一人抜け出して、吉祥寺に向かう。バスで大泉に出て、練馬に行く。もう時間は１時１５分を過ぎていて、心配した通り数名の会員さんが来ていた。まだ部屋の戸も開いていない。慌てて事務所に向かったら、途中で結花ちゃんに出会う。不機嫌な顔して、会場に突進していた。後で知ったのだが自転車の鍵をなくして、時間も迫り大慌てだったらしい。昼間の会は１７人。同じサークルから数名参加の所が目立つ。会員増の朗報は少なかったが、良いムードで話してもらい、座席分けの作業に入る。終わってから食事に行き、その後桜台まで歩き、事務所で夜の部に備える。事務局判断で、小人数と予測していたが、続々と参加者が顔を見せ、何と昼間の部と同じ１７人が出席。部屋は満杯となった。特に珍しく男性が多く、女性だけの集まりと違った盛り上がりを見せた。男と女というのは不思議なものだ。「トライ・ツー・リメンバー」という男性だけのサークルから４人も参加してくれ、大いに座を盛り上げてくれた。座席分けの作業も済ませ、解散したのが８時。武さんと総会までの手筈を話すために、久し振りに「養老の滝」へ。後はいつも通り。帰宅は、危うく午前様という時間。Ｋは体調を崩していたので、今日は来ないと思っていたが、真っ直ぐ座っていられない状態で、最後まで粘っていた。後が心配。
２月１９日（木）晴れ、温かい
もう冬が逃げ出したような温かさになったが、明日はもっと気温が上がるそうだ。
今日は入間図書館に午前中から出向き、午後は会議用の資料作り。明日は午前中吉祥寺のアトリエで朗読の会、午後は第２回「私生活」担当サークル会が昼と夜２回に亙って開かれる。座席の配分の作業を伴う話し合いだが、会員増、２１日の説明会もテーマのポイントになるので、気を遣う。稽古場訪問、ゲネプロなどの希望者の確認も必要。Ｋさんは体調が悪く明日は参加できない可能性大。２１日には夜の部の司会を石井さん辺りに頼んで、僕はこちらの修繕委員会に出席するつもり。その手筈も決めておかないといけない。ただ明日は武さんとすべて終了後、総会などの件で、意見交換をする予定でいる。遅くなるのではないか。
２月１８日（水）晴れ
かなり過ごし易い陽気になって来ているように思う。今日は少し歩きたくなって入間方面に足を向け、序でに、シネマ入間で「ラースト・侍」と「嗤う伊右衛門」の二本立てで観てしまった。映画としてはどちらもなかなか見応えのある作品だ。
開国した日本が近代装備を持つ欧米型の軍隊に編成される過渡期に、幕府から天皇へと忠誠の的を移した「侍」がアメリカから武器購入や軍事顧問招聘などを進める中央にに反発する「勝元」（渡邊謙）を攻め亡ぼす命令を受けたのが、アメリカの内戦やインディアンとの闘いで、銃を用いて虐殺を続ける中で、疑問を感じ始めていたヒーロー的アメリカ人大尉。彼もまた軍事顧問の一員として派遣されていた。勝元との闘いで、激戦の後に捕虜となった彼は、勝元の村里で生活するようになり、文化の違いを感じながらも、武士達の生活の中の精神性に染まって行く。近代的な武器で原住民を虐殺してきた闘い方とは異質なものを学んで行く。最後は中央軍に亡ぼされる勝元と共に闘い、戦場で彼の果敢な闘いと最期を見届け、生き残る。というストーリーなのだが、天皇を担いで武士が権力を握っていた頃の「武士道」なる「哲学」と実際の武士の振る舞いなどを美化し過ぎた点が気になるし、公家のような格好をして出てくる天皇（勘九郎の息子）が、側近達に立派な判断を示すなど、「武士道」の無条件な肯定が、歴史的事実を歪めている傾向がある。確かに権力の近代化の中で、日本文化が欧米化し、現代に至って、「日本的なもの」の文化的見直しの風潮が出ているのは確かであり、その事自体は大切な事だが、首相が「さむらい」の精神を口にし、ブッシュなどが、分かったような相槌を打っている日本の現状の中では、かなり危険な側面をも持っていると感じる。戦闘場面など黒澤の手法を真似た部分も多く、映画そのものの迫力があるだけに、歪んだ理解が国内外で広まる可能性もある。
「わらう伊右衛門」は、蜷川の作品。この怪談は母から散々聞かされた古いものだが、蜷川らしいストーリーの組み立て直しが面白いし、場面も殆ど「幽霊の話」ではなくなっているのが、面白い。カメラも綺麗だし、大胆なカメラアングルや色彩性、小道具の駆使など目を見張るカットが沢山出てくる。今日観た２作とも両方に出演している変わった女優・小雪の好演が目立った。冷たい感じもあるが、変わった熱っぽさを与えるキャラクター。時代劇に特に活きる女優のように思う。どちらも血を見る場面が随所に出てくる。首もころころと落ちた。
帰って、メール等開けたが、特に情報もなく、Ｋの病状も気になっている。
２月１７日（火）晴れ
朝、昨日の「たそがれ」を書こうとしたら、枠が乱れてしまって上手く収まらない。また容量が手一杯になったようだ。面倒臭いが「たそがれの記（９）」を新設し、表紙もリンク表示も新しく付け加えた。お陰で朝食が１０時半頃になってしまった。和子はコーラスに出かけた。昨日は少し二階堂をやり過ぎたので、朝方やや体が重く、今日は休肝日とした。ビデオで「スターリングラード」（レニングラード）を観た。これは映画館でも観たのだが、戦争映画の中では圧巻の１つだろう。ドイツとソ連の名スナイパー（狙撃手）の対決が、ストーリーの主軸になっているが、思想と現実の矛盾、市街戦の壮絶な戦闘シーン。破壊。ゴロゴロと死んで行く兵士、市民。戦場での恋の鞘当。嫉妬、羨望。戦闘に巻き込まれて吊るされてしまう少年。戦意向上のために「英雄」に祭り上げられる名狙撃手が平凡な兵士に戻りたくなる。精密なライフル銃。緻密な射撃技術。
息を呑む場面が次々と展開する。
今日はゴミ捨て以外に外出しなかった。少しは歩かないといけない。ＭＬでは何故か日本酒の話になって来た。鳥と花と酒。風流で日本的。Ｋさんの体調が良くないらしく、心配。
２月１６日（月）晴れ、風、埃
昨夜管理事務所に忘れてきた手帳を取りに行った。グランドゴルフの人たちがもう活動を始めていた。朝食を摂り、和子は昼夜の外出。昼の出先から、同窓会の幹事会に廻るとか。のんびりとテレビを観る。裏番組をビデオに撮り、後から観たら、これがまた良き時代のアメリカ陸軍幼年学校の話でなかなか面白い。「軍人としての誇り」がまだ人間性の輝きを留めており、「俗」に対して良い意味での「名誉」が語られる。州の方針で廃校が伝えられ、校長の将軍が排斥され、問答無用で廃校を迫られた士官候補と兵士達が反乱を起こして州の軍隊と対決する話。何故か土の香りのする軍人ものだ。僕のイメージの中には、若者の顔が浮かび、２２６事件や東大闘争などが過った。敗北しても純朴に闘おうとする「若さ」がきらきらと輝く。
朗読の会の西海さんからメールが入り、発表会の時に担当するパートを変更して欲しいとのこと。フィナーレの部分だったのが、１８番「約束」に変更。文章は長いが、やはりフィナーレよりは気分が楽だ。直ぐにＯＫの返事を送信。
夜になって、観る会会長さんから紹介のあった大泉の教え子のＳさんから電話が入り、話を聞く。入会の件は、どうやらＡさんの「深読み」だったらしく、直ぐに入会の条件は無さそうだ。「私生活」は観劇したい気持があるようだが。ともかく一度会いましょうということで電話を切った。彼女の友人がＹ子ちゃんの家の近くに住んでいるということで、直接の知り合いではなかったみたい。まあ、とにかく連絡がついて良かった。
２月１５日（日）
晴れ、春一番が吹く
今日は大修繕の公聴会が、午前と午後に分けて開かれた。どちらも公民館の和室・大広間を一杯にするくらいの参加者があった。昼間の質問は１～４号棟のベランダガラスをアルミのパンチボードに換える件が多く、午後は工事に向けてベランダの室外機の移動や人工芝の始末など細かな問題に質問が目立った。しかし皆さん協力的な姿勢で発言してくれた。どうやらこの工事は上手く運びそうだ。すべて終了して片付け、管理事務所に帰って来ると、一先ず一段落なので、乾杯しようと言う事になった。テレビでのお馬さんの観戦は諦めて、参加する事にした。ビール、お酒などが出て、これまでやって来たことの感想や、これからの問題点など、様々なお喋りをしたが、Ｔさん、Ｓさん、Ｎさん、Ｋさん夫妻、理事会からはＭさん、Ｉさん、Ｏさん。途中でＩさんの奥さん、お嬢ちゃんまで顔を見せて、賑やかになった。特別委員の方々も良く頑張ってくれたが、理事会の協力も大変だったと思う。Ｎさんが用意してくれたＰＣ利用のプロジェクターは素晴らしい威力を発揮してくれた。後は総会で承認を受ければ、いよいよ本契約となる。３億を超える工事だから、責任は重大だ。
酔いとお喋りで疲れが出、夕食も食べずに寝てしまった。途中で目を覚ましたが風呂に入っただけで、また床に潜り込んだ。
きさらぎ賞もダイヤモンドステークスも外れた。閃きが続かない。
|